問題60 ⑹〜⑽|50代の資格挑戦・学習記録 #142

賃率差異から製造間接費の予定配賦まで、工業簿記の基本的な仕訳を復習する──

簿記2級取得に向けて、毎日少しずつ勉強を続けている。

今回は、前回に引き続き「試験でよく出る仕訳」の問題に取り組む。

前回は材料の購入、材料副費差異、材料消費価格差異、棚卸減耗費、賃金の消費について復習した。

今回は⑹〜⑽の5問を解きながら、賃率差異、外注加工賃、製造間接費の予定配賦と配賦差異について確認していく。

問題60|試験でよく出る仕訳

次の取引について仕訳せよ。ただし勘定科目は設問ごとにもっとも適当と思われるものを選び、記号で解答すること。

⑹ 賃率差異の計上

直接工の賃率差異を計上した。前月賃金未払高120,000円、当月賃金支払高420,000円、当月賃金未払高90,000円だった。直接工の予定賃金消費額は350,000円で計上している。

勘定科目

ア. 材料 イ. 賃金・給料 ウ. 製造間接費
エ. 仕掛品 オ. 賃率差異 カ. 予算差異

解答・解説

まず、実際賃金消費額を計算する。

当月賃金支払高から前月賃金未払高を差し引き、当月賃金未払高を加える。

420,000円−120,000円+90,000円
=390,000円

予定賃金消費額は350,000円なので、賃率差異は、

350,000円−390,000円=△40,000円

予定消費額より実際消費額が40,000円多いため、不利差異(借方差異)となる。

仕訳

借方 金額 貸方 金額
(オ) 賃率差異 40,000 (イ) 賃金・給料 40,000

予定賃金消費額と実際賃金消費額の差額を、賃率差異勘定に振り替える。

⑺ 外注加工賃の処理

外注加工賃の支払高をもって消費高を計上する。外注業者から加工品を受け入れ、請求書(支払期日は来月末日)によると外注加工賃は400,000円だった。素材1,300,000円を外注業者に無償で引き渡していた。

勘定科目

ア. 材料 イ. 賃金・給料 ウ. 製造間接費
エ. 仕掛品 オ. 材料副費 カ. 買掛金

解答・解説

外注加工賃は、外部の業者に製品の加工を依頼した際に発生する費用である。

特定の製品に直接結びつく外注加工賃は直接経費となるため、「仕掛品」で処理する。

今回は400,000円の外注加工賃が発生しているが、支払期日は来月末日なので、買掛金として計上する。

仕訳

借方 金額 貸方 金額
(エ) 仕掛品 400,000 (カ) 買掛金 400,000

なお、外注業者に無償で引き渡した素材1,300,000円は、今回の外注加工賃の仕訳には含めない。

⑻ 製造間接費の予定配賦

直接作業時間を配賦基準として製造間接費を製造指図書に配賦した。当工場の年間の製造間接費予算は5,760,000円、年間の予定総直接作業時間は4,800時間である。当月の直接工の実際直接作業時間は430時間だった。

勘定科目

ア. 材料 イ. 賃金・給料 ウ. 製造間接費
エ. 仕掛品 オ. 原価差異 カ. 製品

解答・解説

まず、製造間接費の予定配賦率を計算する。

年間製造間接費予算を年間予定総直接作業時間で割る。

5,760,000円÷4,800時間
=1,200円/時間

次に、当月の実際直接作業時間430時間を掛けて予定配賦額を求める。

1,200円×430時間=516,000円

仕訳

借方 金額 貸方 金額
(エ) 仕掛品 516,000 (ウ) 製造間接費 516,000

製造間接費を予定配賦した場合、仕掛品の借方と製造間接費の貸方に計上する。

⑼ 製造間接費配賦差異の計上

当月の製造間接費の実際発生額は508,000円だったので、製造間接費予定配賦額(上記⑻)との差額を原価差異勘定に振り替える。

勘定科目

ア. 材料 イ. 賃金・給料 ウ. 製造間接費
エ. 仕掛品 オ. 原価差異 カ. 製品

解答・解説

⑻で計算した製造間接費の予定配賦額は516,000円だった。

実際発生額は508,000円なので、差異は、

516,000円−508,000円=8,000円

予定配賦額より実際発生額が8,000円少ないため、有利差異(貸方差異)となる。

仕訳

借方 金額 貸方 金額
(ウ) 製造間接費 8,000 (オ) 原価差異 8,000

試験では「材料消費価格差異」や「製造間接費配賦差異」などの差異を、まとめて「原価差異」で解答することもある。

どの勘定科目を使うかは、問題の選択肢を確認して判断する必要がある。

⑽ 製造間接費の予定配賦

当工場は直接作業時間を配賦基準として製造間接費を各製造指図書に配賦した。当工場の年間の製造間接費変動予算は5,400,000円(うち変動費は1,800,000円)、年間の予定直接作業時間は36,000時間である。当月の実際直接作業時間は2,850時間だった。

勘定科目

ア. 材料 イ. 賃金・給料 ウ. 製造間接費
エ. 仕掛品 オ. 原価差異 カ. 製品

解答・解説

まず、製造間接費の予定配賦率を計算する。

年間製造間接費予算を年間予定直接作業時間で割る。

5,400,000円÷36,000時間
=150円/時間

次に、当月の実際直接作業時間2,850時間を掛けて予定配賦額を求める。

150円×2,850時間=427,500円

仕訳

借方 金額 貸方 金額
(エ) 仕掛品 427,500 (ウ) 製造間接費 427,500

今回は製造間接費変動予算が与えられているが、予定配賦額の計算では年間製造間接費予算の総額を使用する。

変動費と固定費の内訳は、製造間接費差異を分析する際に必要となる情報である。

今回の振り返り

今回は、賃率差異、外注加工賃、製造間接費の予定配賦と配賦差異について復習した。

賃率差異や製造間接費配賦差異では、予定額と実際額の大小関係によって、有利差異か不利差異かを判断する。

また、外注加工賃は直接経費として仕掛品に計上し、製造間接費の予定配賦では、仕掛品の借方と製造間接費の貸方に記入する。

仕訳の基本的なパターンを理解しておけば、数値や条件が変わっても対応しやすくなるはずだ。

特に、差異の計算と借方・貸方の判断は、繰り返し確認して身につけておきたい。

次回は問題60の⑾〜⑿以降に取り組み、引き続き試験でよく出る仕訳を復習していく。

焦らず、着実に。

今日も一歩前進。

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