問題 58 原価の固変分解|50代の資格挑戦・学習記録 #139

正常操業圏を確認して、高低点法による原価の固変分解から損益分岐点を求める──

簿記2級取得に向けて、毎日少しずつ勉強を続けている。

今回は、前回に引き続き「原価の固変分解」の問題に取り組む。

前回は、高低点法を使って製品1個あたりの変動費と月間の固定費を計算した。

今回はさらに、正常操業圏という条件が加わり、求めた変動費と固定費を使って損益分岐点の売上高まで計算する。

ポイントは、単純に生産量の最大値と最小値を選ぶのではなく、正常操業圏内のデータから最高点と最低点を選ぶことだ。

問題 58|原価の固変分解

当社は製品Jを製造・販売している。

当社の正常操業圏は月間生産量が4,500個から6,300個である。

製品Jの販売価格は1個あたり500円で、過去6ヶ月の生産・販売量、総原価に関する実績データは次のとおり。

月 生産・販売量 原価発生額
1月 3,900個 2,005,500円
2月 4,500個 2,370,000円
3月 5,600個 2,498,400円
4月 6,300個 2,838,000円
5月 6,500個 2,890,800円
6月 6,200個 2,829,200円

問1

正常操業圏における最大の売上高と最小の売上高を求めよ。

問2

高低点法による製品Jの総原価の固変分解を行い、製品1個あたりの変動費と月間の固定費を計算せよ。

問3

問2の結果を利用し、当社の月間損益分岐点の売上高を計算せよ。

解答 58|正常操業圏と高低点法

問1|最大の売上高と最小の売上高

まず、正常操業圏を確認する。

今回の正常操業圏は、月間生産量4,500個から6,300個まで。

実績データを見ると、最も生産・販売量が多いのは5月の6,500個、最も少ないのは1月の3,900個となっている。

しかし、どちらも正常操業圏から外れているため、計算には使用しない。

正常操業圏内で最大となるのは4月の6,300個、最小となるのは2月の4,500個だ。

販売単価は500円なので、

最大の売上高:

500円 × 6,300個 = 3,150,000円

最小の売上高:

500円 × 4,500個 = 2,250,000円

となる。

問2|高低点法による原価の固変分解

次に、正常操業圏内の最高点と最低点を使って、製品1個あたりの変動費を求める。

最高点は4月の6,300個、総原価2,838,000円。

最低点は2月の4,500個、総原価2,370,000円。

高低点法では、最高点と最低点の総原価の差額を、生産量の差で割る。

製品1個あたりの変動費:

(2,838,000円 − 2,370,000円)÷(6,300個 − 4,500個)

= 468,000円 ÷ 1,800個

= 260円/個

続いて、月間の固定費を求める。

総原価は変動費と固定費の合計なので、総原価から変動費を差し引けば固定費が求められる。

最高点のデータを使うと、

2,838,000円 −(260円 × 6,300個)

= 2,838,000円 − 1,638,000円

= 1,200,000円

最低点のデータでも確認してみる。

2,370,000円 −(260円 × 4,500個)

= 2,370,000円 − 1,170,000円

= 1,200,000円

どちらから計算しても同じ結果となった。

これで、製品1個あたりの変動費は260円、月間の固定費は1,200,000円と求められた。

問3|損益分岐点の売上高

最後に、問2で求めた変動費と固定費を使って、損益分岐点の売上高を計算する。

損益分岐点とは、売上高と総費用が等しくなり、利益がちょうどゼロになる点のことだ。

今回は、販売量から求める方法と、売上高から直接求める方法の2通りで確認する。

① 販売量から求める方法

製品Jの販売単価は500円、1個あたりの変動費は260円。

したがって、製品1個あたりの限界利益は、

500円 − 260円 = 240円

となる。

販売量をX個とすると、

240X − 1,200,000 = 0

240X = 1,200,000

X = 5,000個

損益分岐点の販売量は5,000個となる。

これに販売単価を掛ければ、

500円 × 5,000個 = 2,500,000円

損益分岐点の売上高が求められた。

② 売上高から求める方法

次に、変動費率を使って計算する。

変動費率は、販売単価に占める変動費の割合なので、

260円 ÷ 500円 = 0.52

となる。

限界利益率は、

1 − 0.52 = 0.48

売上高をS円とすると、

0.48S − 1,200,000 = 0

0.48S = 1,200,000

S = 2,500,000円

こちらも同じ結果となった。

損益分岐点の売上高は2,500,000円である。

今回の解答まとめ

問1|正常操業圏における売上高

* 最大の売上高:3,150,000円
* 最小の売上高:2,250,000円

問2|原価の固変分解

* 製品1個あたりの変動費:260円
* 月間の固定費:1,200,000円

問3|損益分岐点の売上高

* 2,500,000円

今回の学び

今回の問題では、高低点法による原価の固変分解と、CVP分析による損益分岐点の計算を組み合わせて学習した。

特に重要なのは、正常操業圏の考え方だ。

高低点法では、生産量の最高点と最低点を使って変動費を求めるが、どのデータでもよいわけではない。

正常操業圏を外れたデータは、通常とは異なる原価の発生状況を反映している可能性があるため、計算対象から除外する必要がある。

今回も、単純に6ヶ月間の最大値と最小値を選んでしまうと、誤った答えになってしまう。

また、原価を変動費と固定費に分解することによって、損益分岐点の計算につなげられることも確認できた。

今回の損益分岐点販売量は5,000個で、正常操業圏の4,500個から6,300個の範囲内に収まっている。

つまり、今回の条件では、正常操業圏内で損益分岐点を超える操業が可能ということになる。

原価の固変分解は、単に変動費と固定費を求めるためだけのものではなく、利益計画を立てるための基礎にもなる。

前回学んだ高低点法と、それ以前に取り組んできたCVP分析が、今回の問題でつながったように感じた。

引き続き、一つひとつの計算の意味を確認しながら、理解を深めていきたい。

簿記2級合格に向けて、明日もコツコツ積み重ねていく。

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