問題52|50代の資格挑戦・学習記録 #133
生産量と販売量の違いが、営業利益にどう影響するのか──
簿記2級取得に向けて、毎日少しずつ勉強を続けている。
今回は、第13章「直接原価計算」から、全部原価計算と直接原価計算による営業利益の違いについての問題に取り組む。
前回に引き続き、複数期間の損益計算書を作成する問題だが、今回は第1期から第3期までの3期間が対象となる。
さらに、製品の払出単価は平均法によって計算するため、前期から繰り越された製品在庫の原価にも注意が必要だ。
それぞれの計算方法による営業利益と、貸借対照表に計上される製品有高の違いを確認していく。
問題52|直接原価計算
次の資料にもとづいて、全部原価計算による損益計算書と直接原価計算による損益計算書を作成したうえで、以下の問いに答えよ。
製品の払出単価の計算は平均法によっている。
[資料]
第1期から第3期を通じて、販売単価、製品単位あたりの変動費、固定費の金額に変化はなく、次のとおりだった。
⑴ 販売単価
@3,200円
⑵ 製品単位あたりの変動費(製造原価のみ)
* 製造直接費:@800円
* 製造間接費:@600円
⑶ 固定費
* 製造原価:1,200,000円
* 販売費及び一般管理費:550,000円
⑷ 生産・販売データ
第1期 第2期 第3期
期首製品在庫量 0個 0個 500個
当期生産量 2,000個 1,500個 2,000個
当期販売量 2,000個 1,000個 1,800個
期末製品在庫量 0個 500個 700個
※期首および期末に仕掛品はない。
問1
第1期から第3期における全部原価計算の営業利益と直接原価計算による営業利益を計算せよ。
問2
第2期末の貸借対照表の製品有高は、全部原価計算の場合と直接原価計算の場合とでは、どちらがどれだけ多いか。
解答52|営業利益の計算
まず、製品1個あたりの変動製造原価を計算する。
800円+600円=1,400円
この金額は、全部原価計算でも直接原価計算でも共通となる。
ただし、固定製造原価の扱いが異なる。
全部原価計算では、固定製造原価を製品原価に含める。
一方、直接原価計算では、固定製造原価を発生した期間の費用として処理する。
この違いが営業利益に影響する。
① 全部原価計算による営業利益
全部原価計算では、製品1個あたりの製造原価を求める必要がある。
第1期
固定製造原価の単価は、
1,200,000円÷2,000個=600円
したがって、製品単位原価は、
1,400円+600円=2,000円
売上高は、
3,200円×2,000個=6,400,000円
売上原価は、
2,000円×2,000個=4,000,000円
営業利益は、
6,400,000円-4,000,000円-550,000円
=1,850,000円
第2期
固定製造原価の単価は、
1,200,000円÷1,500個=800円
製品単位原価は、
1,400円+800円=2,200円
売上高は、
3,200円×1,000個=3,200,000円
売上原価は、
2,200円×1,000個=2,200,000円
営業利益は、
3,200,000円-2,200,000円-550,000円
=450,000円
第3期
第3期は、前期から繰り越された500個の製品在庫がある。
当期生産分の製品単位原価は、
1,400円+(1,200,000円÷2,000個)
=2,000円
ここで、平均法によって製品の払出単価を計算する。
期首製品原価:
500個×2,200円=1,100,000円
当期製品製造原価:
2,000個×2,000円=4,000,000円
平均単価は、
(1,100,000円+4,000,000円)÷2,500個
=2,040円
売上高は、
3,200円×1,800個=5,760,000円
売上原価は、
2,040円×1,800個=3,672,000円
営業利益は、
5,760,000円-3,672,000円-550,000円
=1,538,000円
② 直接原価計算による営業利益
直接原価計算では、固定製造原価を製品原価に含めず、期間費用として処理する。
そのため、製品単位原価は3期間とも1,400円となる。
第1期
売上高:
3,200円×2,000個=6,400,000円
変動売上原価:
1,400円×2,000個=2,800,000円
限界利益:
6,400,000円-2,800,000円=3,600,000円
営業利益:
3,600,000円-1,200,000円-550,000円
=1,850,000円
第2期
売上高:
3,200円×1,000個=3,200,000円
変動売上原価:
1,400円×1,000個=1,400,000円
限界利益:
3,200,000円-1,400,000円=1,800,000円
営業利益:
1,800,000円-1,200,000円-550,000円
=50,000円
第3期
売上高:
3,200円×1,800個=5,760,000円
変動売上原価:
1,400円×1,800個=2,520,000円
限界利益:
5,760,000円-2,520,000円=3,240,000円
営業利益:
3,240,000円-1,200,000円-550,000円
=1,490,000円
問1の解答
第1期 第2期 第3期
全部原価計算の営業利益 1,850,000円 450,000円 1,538,000円
直接原価計算の営業利益 1,850,000円 50,000円 1,490,000円
第1期は、すべての製品を販売しているため、営業利益は一致する。
第2期は、500個の製品が在庫として残るため、全部原価計算の営業利益が400,000円多くなる。
第3期も全部原価計算の営業利益が48,000円多いが、前期から繰り越された製品在庫の固定製造原価も売上原価に含まれるため、単純に当期の生産量と販売量の差だけでは計算できない。
問2|第2期末の製品有高
次に、第2期末の貸借対照表に計上される製品有高を比較する。
全部原価計算の場合
製品単位原価は2,200円なので、
2,200円×500個=1,100,000円
直接原価計算の場合
製品単位原価は1,400円なので、
1,400円×500個=700,000円
差額は、
1,100,000円-700,000円
=400,000円
したがって、問2の解答は、
全部原価計算の場合のほうが、400,000円多い。
となる。
この400,000円は、第2期に発生した固定製造原価のうち、期末製品在庫に含まれている金額だ。
全部原価計算では、この金額が翌期に繰り越される。
一方、直接原価計算では、固定製造原価の全額を第2期の費用として処理する。
今回の学び
今回の問題では、全部原価計算と直接原価計算による営業利益の違いを、3期間にわたって確認した。
特に重要なのは、固定製造原価の扱いによって、営業利益だけでなく貸借対照表の製品有高も変わるという点だ。
全部原価計算では、製品が売れずに在庫として残れば、その製品に含まれる固定製造原価も翌期に繰り越される。
そのため、販売量が同じでも、生産量によって営業利益が変わることがある。
一方、直接原価計算では、固定製造原価をすべて当期の費用として処理するため、販売量と営業利益の関係がわかりやすい。
また、今回の第3期のように期首製品在庫がある場合は、平均法による払出単価の計算も忘れてはいけない。
計算自体はそれほど複雑ではないが、どの原価を製品に含め、どの原価を期間費用とするのかを整理しておかないと、混乱しやすい問題だと感じた。
問題演習を通じて、少しずつ理解を深めていきたい。
明日も引き続き、簿記2級の学習を進めていく。
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