負担は適切に分ける|50代の資格挑戦・学習記録 #29
同じ負担でも、場所が違えば意味も変わる──
今回学んだのは「部門別個別原価計算」だ。
これまで学んできた製造間接費は、工場全体で発生した費用を一つにまとめ、一定の基準で各製品へ配賦してきた。しかし、工場の規模が大きくなると、その方法だけでは正確な原価を求めることが難しくなる。
例えば、大きな工場では「切削部門」で材料を加工し、「組立部門」で製品を組み立て、「塗装部門」で仕上げを行うなど、工程ごとに役割が分かれている。
さらに、製品を運ぶ運送部門、機械を修理する修繕部門、工場全体を支える工場事務部門など、製造を支援する部門も存在する。
製品を直接作る部門を「製造部門(生産部門)」、それを支える部門を「補助部門」と呼び、このように部門ごとに原価を管理する方法を「部門別計算」という。
ここで重要なのは、製造直接費と製造間接費では考え方が異なることだ。
直接材料費や直接労務費、直接経費は、「どの製品に使ったのか」が明確なので、そのまま製造指図書へ賦課できる。そのため、部門ごとに分けて考える必要はほとんどない。
一方、製造間接費はそうはいかない。
電気代や減価償却費、設備維持費などは、どの製品のために発生した費用なのかを直接判断できない。そのため、直接作業時間などの配賦基準を使って各製造指図書へ配賦することになる。
しかし、ここで工場全体の製造間接費をすべて一つにまとめ、同じ基準だけで配賦すると問題が起こる。
切削部門では大型機械を多く使うため電気代や機械関係の費用が大きいかもしれない。一方、組立部門では人が中心となるため、発生する間接費の内容も金額も異なる。
それにもかかわらず、すべて同じ基準で配賦してしまえば、本来より多く負担する製品や、逆に少なく負担する製品が出てしまい、原価計算が不正確になる。
だからこそ、まず部門ごとに製造間接費を集計し、それぞれの部門に最も適した配賦基準を使って配賦するのである。
人体でも同じことを感じる。
各部位の負担を考えずに鍛えるだけでは、本当に強くはなれない。足裏、足腰体幹、股関節、肩周り、首など、それぞれの役割を理解し、各部位をバランスよく鍛えることで、初めて全体として強い身体になる。
工場も人間の身体も、「全部まとめて考える」のではなく、「役割ごとに分けて考える」ことで、より正確な全体像が見えてくる。
今回学んだ部門別計算は、まさに「公平な配賦」から一歩進んだ、「より正確な配賦」のための考え方だった。
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