予定配賦率|50代の資格挑戦・学習記録 #26
予定は経験から生まれる──
今回学んだのは「予定配賦率」だ。
これまで製造間接費は、工場全体で発生した費用を各製品へ公平に割り振る「配賦」という考え方を学んできた。しかし、ここで一つ問題がある。
製造間接費を実際に発生した金額で配賦する「実際配賦」では、その月の電気代や減価償却費など、すべての製造間接費が確定する月末まで計算できないのだ。
つまり、製品が完成しても原価をすぐに確定できない。
さらに厄介なのは、製造間接費は毎月変動するという点だ。同じ製品を同じように作っていても、電気代や修繕費などの違いによって、月ごとに配賦額が変わってしまう。
これは以前学んだ予定消費単価や予定賃率とよく似ている。そこで工業簿記では、あらかじめ決めておいた「予定配賦率」を使って製造間接費を配賦する方法が採用されている。
まず、期首に一年間で発生すると予想される製造間接費の総額を見積もる。これを「製造間接費予算額」という。
次に、一年間でどれくらい工場が稼働すると見込むのかを決める。今回の例では、配賦基準となる直接作業時間が540時間であり、これを「基準操業度」という。
予定配賦率は、
予定配賦率=製造間接費予算額 ÷ 基準操業度
で求められる。
今回のケースでは、製造間接費予算額が21,600円、基準操業度が540時間なので、
21,600円 ÷ 540時間 = 40円
となり、予定配賦率は「1時間あたり40円」となる。
あとは、この予定配賦率に実際の直接作業時間を掛けるだけで、製造間接費の配賦額を計算できる。
製造指図書No.1は25時間なので、
40円 × 25時間 = 1,000円
No.2は15時間なので、
40円 × 15時間 = 600円
合計1,600円が仕掛品へ配賦される。
仕訳は、
(借)仕掛品 1,600 / (貸)製造間接費 1,600
となる。
武術でも、毎回その場で一から考えていては動きが遅れる。長年の経験から「この状況ならこのくらい」という基準を作り、それをもとに素早く判断する。そして後から実際とのズレを確認し、次に活かしていく。
工業簿記の予定配賦率もまさに同じ考え方だった。まずは経験や予測をもとに基準を決め、迅速に処理を進める。そして最後に現実との差を調整する。そのほうが、実務でははるかに合理的なのである。
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