50代の資格挑戦|簿記2級・学習記録 #18
予定と現実はズレるもの──
今回学んだのは、予定賃率を用いた場合の月末処理。
前回は、賃金の消費額を実際の賃率ではなく、あらかじめ決めておいた「予定賃率」で計算する方法を学んだ。しかし、予定はあくまで予定であり、現実と完全に一致することは少ない。そのため、月末には実際にいくら賃金が発生したのかを確認し、その差額を調整する必要がある。
今回のケースでは、当月の賃金の実際消費額は1,000円だった。一方、予定賃率を用いて計算した予定消費額は1,100円である。
賃金を消費した時点では、
(仕掛品)1,100 (賃金)1,100
という仕訳を行っている。
しかし実際には1,000円しか発生していない。つまり100円多く計上していたことになる。このため、100円分の賃金の消費を取り消さなければならない。
この差額は、予定賃率22円と実際賃率20円の違いによって生じたものである。そのため、相手科目には「賃率差異」を用いる。
仕訳は、
(賃金)100 (賃率差異)100
となる。
このケースでは、予定消費額1,100円の方が実際消費額1,000円より大きい。つまり、予定より少ない賃金で済んだことになる。このような差異を「有利差異」という。また、賃率差異勘定の貸方に記入されるため、「貸方差異」とも呼ばれる。
賃率差異は、
1,100円-1,000円=100円
あるいは、
(22円-20円)×50時間=100円
として求めることができる。
ここで一つ、覚えやすいポイントがある。賃率差異を計算するときは、金額の大小にかかわらず、「予定-実際」で考えるということだ。
この計算をすると、プラス100円になった。プラスであれば有利差異、マイナスであれば不利差異と判断できる。
例えば、予定消費額が同じ1,100円であっても、実際消費額が1,150円だった場合を考えてみる。
この場合、実際には1,150円の賃金が発生しているにもかかわらず、1,100円しか計上していないことになる。そのため、50円分を追加で計上する必要がある。
仕訳は、
(賃率差異)50 (賃金)50
となる。
これは、予定よりも多く賃金がかかってしまった状態であり、「不利差異」である。また、賃率差異勘定の借方に記入されるため、「借方差異」とも呼ばれる。
計算式で表すと、
1,100円-1,150円=△50円
あるいは、
(22円-23円)×50時間=△50円
となる。
工業簿記を学んでいると、予定と実際の差額を分析する考え方が何度も登場する。材料費でも、そして今回の賃金でも、単に金額を記録するだけではなく、「なぜ差が生じたのか」を把握することが重要なのだと感じる。
武術でも同じである。稽古前には「今日はこう動こう」という予定を立てる。しかし実際に組手をすると、思った以上に動ける日もあれば、逆に上手くいかない日もある。大切なのは、予定通りだったかどうかではなく、その差を振り返り、次に活かすことだ。
工業簿記の差異分析は、数字を使った振り返りの技術なのかもしれない。
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