予定配賦率と会計年度末処理|50代の資格挑戦・学習記録 #28

予定と現実のズレには最後に決着をつける──

今回学んだのは、予定配賦率を用いた場合の会計年度末の処理だ。

前回は、予定配賦率で製造間接費を配賦すると、実際に発生した製造間接費との間に差額が生じ、その差額を「製造間接費配賦差異」として月末に計上することを学んだ。

しかし、その差異を計上しただけでは終わりではない。

会計年度の最後には、その差異を最終的な費用へ反映させる必要がある。

考え方は、これまで学んできた材料消費価格差異や賃率差異とまったく同じだ。

今回の例では、製造間接費配賦差異が借方に400円計上されていた。

借方に差異があるということは、実際に発生した製造間接費が、予定配賦額を上回っていたことを意味する。つまり、本来負担すべき原価がまだ売上原価へ反映されていない状態だ。

そのため、会計年度末には次の仕訳を行う。

(借方)売上原価 400 / (貸方)製造間接費配賦差異 400

これによって、差異は売上原価へ組み込まれ、製造間接費配賦差異勘定はゼロになる。

もし差異が貸方に計上されていた場合は逆で、売上原価の貸方へ振り替える。

ここまで学んできて感じるのは、工業簿記は「予定」を使う場面が非常に多いということだ。

予定消費単価、予定賃率、予定配賦率──。

どれも日々の原価計算を素早く行うための工夫だが、最後には必ず現実とのズレを精算する。

武術でも、事前に立てた作戦が実戦で完全に当たることはない。だからこそ、組手などを終えた後には動画などで振り返り、ズレを修正する。その積み重ねが上達につながる。

工業簿記もまた、予定を立てるだけではなく、最後に現実と照らし合わせて差異を精算する学問なのだと感じた。



簿記の雑学|仕損品も原価に含まれる

今回のテキストでは、新しいテーマとして「仕損(しそん)」も紹介されていた。

仕損とは、製造途中で加工に失敗し、不良品が発生することである。

もちろん、そのまま廃棄する場合もあるが、補修すれば製品として出荷できるケースもある。

その場合は「補修指図書」を発行し、補修にかかった材料費・労務費・製造間接費を集計する。そして、その合計額を仕損費として、もともとの製造指図書へ加算する。

例えば今回の例では、

* 直接材料費 100円
* 直接労務費 200円
* 製造間接費 250円

合計550円が補修にかかっていた。

この550円は補修指図書で集計した後、製造指図書No.1へそのまま賦課される。

つまり、不良品を直すためにかかった費用も、その製品を完成させるために必要だった原価として扱われるわけだ。

現実の製造現場では、失敗がゼロということはほとんどない。

だからこそ工業簿記には、その失敗まで含めて正しく原価を計算する仕組みが用意されている。

失敗を無かったことにするのではなく、きちんと記録し、完成した製品の原価へ反映させる。

その考え方にも、現場のリアリティを感じた。

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