問題 60 (11)〜(15)|50代の資格挑戦・学習記録 #143

製造間接費の差異分析から本社工場会計、標準原価計算まで、工業簿記の基本的な仕訳を総仕上げする──

簿記2級取得に向けて、毎日少しずつ勉強を続けている。

今回は、前回に引き続き「試験でよく出る仕訳」の問題に取り組む。

前回は賃率差異、外注加工賃、製造間接費の予定配賦と配賦差異について復習した。

今回は問題60の最後となる(11)〜(15)の5問を解きながら、製造間接費の差異分析、部門別の予定配賦、本社工場会計、そして標準原価計算について確認していく。

問題60|試験でよく出る仕訳

次の取引について仕訳せよ。ただし勘定科目は設問ごとにもっとも適当と思われるものを選び、記号で解答すること。

(11) 製造間接費配賦差異の計上

当月の製造間接費の実際発生額は453,000円だった。これにもとづいて、上記⑽の予定配賦で生じた差異を製造間接費勘定から予算差異勘定と操業度差異勘定に振り替える。

勘定科目

ア. 材料 イ. 賃金・給料 ウ. 製造間接費
エ. 仕掛品 オ. 予算差異 カ. 操業度差異

解答・解説

製造間接費配賦差異を、予算差異と操業度差異に分けて計上する。

まず、前回の⑽で与えられた年間製造間接費予算5,400,000円、うち変動費1,800,000円、年間予定直接作業時間36,000時間をもとに、それぞれの数値を計算する。

変動費率は、

1,800,000円÷36,000時間=50円/時間

固定費率は、

(5,400,000円−1,800,000円)÷36,000時間
=100円/時間

固定費予算額(月間)は、

(5,400,000円−1,800,000円)÷12ヶ月
=300,000円

基準操業度(月間)は、

36,000時間÷12ヶ月=3,000時間

次に、製造間接費配賦差異の総額を求める。

⑽で計算した予定配賦額は427,500円、今回の実際発生額は453,000円なので、

427,500円−453,000円=△25,500円

25,500円の不利差異(借方差異)となる。

ここから、予算差異と操業度差異に分けていく。

まず、予算許容額を計算する。

50円×2,850時間+300,000円
=442,500円

予算差異は、

442,500円−453,000円=△10,500円

10,500円の不利差異となる。

次に、操業度差異を計算する。

100円×(2,850時間−3,000時間)
=△15,000円

こちらも15,000円の不利差異となる。

両者を合計すると、

△10,500円+△15,000円=△25,500円

製造間接費配賦差異の総額と一致する。

仕訳

借方 金額 貸方 金額
(オ) 予算差異 10,500 (ウ) 製造間接費 25,500
(カ) 操業度差異 15,000

予算差異は実際発生額と予算許容額の差、操業度差異は実際操業度と基準操業度の差によって生じる。

それぞれの意味を理解しておけば、計算式も覚えやすくなるはずだ。

(12) 製造部門費の配賦

当工場の製造部門には第1製造部門と第2製造部門がある。製造間接費は機械運転時間を配賦基準として、部門別に予定配賦率(第1製造部門は800円、第2製造部門は1,000円)を用いて各製造指図書に予定配賦する。

当月の実際機械運転時間は第1製造部門が1,600時間、第2製造部門が1,200時間である。

勘定科目

ア. 材料 イ. 賃金・給料 ウ. 製造間接費
エ. 仕掛品 オ. 原価差異 カ. 製品

解答・解説

部門別に予定配賦額を計算し、合計する。

第1製造部門費は、

800円×1,600時間=1,280,000円

第2製造部門費は、

1,000円×1,200時間=1,200,000円

したがって、予定配賦額の合計は、

1,280,000円+1,200,000円
=2,480,000円

仕訳

借方 金額 貸方 金額
(エ) 仕掛品 2,480,000 (ウ) 製造間接費 2,480,000

製造間接費を部門別に予定配賦する場合も、基本的な仕訳は同じである。

それぞれの部門の予定配賦額を計算して合計し、仕掛品に振り替える。

(13) 本社工場会計|材料の購入

A社では本社会計から工場を独立させている。工場会計にある勘定科目は材料、賃金・給料、製造間接費、仕掛品、本社である。材料、賃金などの支払いは本社が行っている。

当月、製造用の素材640,000円を購入し、工場の倉庫に搬入した。工場での仕訳を示せ。

勘定科目

ア. 材料 イ. 賃金・給料 ウ. 製造間接費
エ. 仕掛品 オ. 本社 カ. 工場

解答・解説

本社工場会計では、本社と工場の会計を分けて処理する。

今回、材料は工場の倉庫に搬入されているため、工場側では材料の増加を計上する。

一方、材料の支払いは本社が行っているため、貸方は「本社」で処理する。

仕訳

借方 金額 貸方 金額
(ア) 材料 640,000 (オ) 本社 640,000

工場側の仕訳では、本社が支払う取引について「本社」勘定を使うことがポイントとなる。

(14) 本社工場会計|間接経費の支払い

B社では本社会計から工場会計を独立させている。工場会計にある勘定科目は材料、賃金・給料、製造間接費、仕掛品、本社である。材料、賃金などの支払いは本社が行っている。

当月のガス代などの間接経費155,000円を現金で支払った。工場での仕訳を示せ。

勘定科目

ア. 材料 イ. 賃金・給料 ウ. 製造間接費
エ. 仕掛品 オ. 本社 カ. 工場

解答・解説

ガス代などの間接経費は、製造間接費として処理する。

また、支払いは本社が行っているため、工場側では貸方を「本社」とする。

仕訳

借方 金額 貸方 金額
(ウ) 製造間接費 155,000 (オ) 本社 155,000

現金で支払ったと書かれていても、工場側の仕訳では現金勘定を使わない点に注意したい。

本社と工場のどちらの立場で仕訳するのかを、問題文から正確に読み取る必要がある。

(15) 標準原価計算|シングル・プラン

A社では標準原価計算制度を採用し、勘定記入の方法はシングル・プランによる。

直接工の標準賃率は1,800円/時間、製品1個あたりの標準直接作業時間は3時間である。実際完成品量1,500個に対する標準直接労務費を計上する。

勘定科目

ア. 材料 イ. 賃金・給料 ウ. 製造間接費
エ. 仕掛品 オ. 製品 カ. 原価差異

解答・解説

シングル・プランでは、仕掛品勘定の当月製造費用(直接材料費、直接労務費、製造間接費)を標準原価で記入する。

まず、製品1個あたりの標準直接労務費を計算する。

1,800円×3時間=5,400円

次に、実際完成品量1,500個に対する標準直接労務費を求める。

5,400円×1,500個=8,100,000円

仕訳

借方 金額 貸方 金額
(エ) 仕掛品 8,100,000 (イ) 賃金・給料 8,100,000

標準原価計算では、実際原価ではなく、あらかじめ設定された標準原価を用いて製造費用を計上する。

特にシングル・プランでは、仕掛品勘定の借方にも標準原価を記入することが重要なポイントとなる。

今回の振り返り

今回は、製造間接費配賦差異の分析、部門別の予定配賦、本社工場会計、標準原価計算について復習した。

特に(11)の差異分析では、予算許容額と基準操業度を使って差異を分ける手順を、しっかり押さえておきたい。

また、(12)では部門ごとの配賦額、(13)・(14)では本社工場会計における仕訳、(15)ではシングル・プランによる標準直接労務費の計上を確認した。

問題60はこれで一通り解き終えた。

幅広い論点が含まれていたが、基本的な処理の流れを整理できたと思う。

仕訳は工業簿記の基礎であり、計算結果を正しい勘定科目に振り分ける力が求められる。

引き続き、過去問や応用問題にも取り組みながら、理解を定着させていきたい。

焦らず、着実に。

今日も一歩前進。

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