復習3|50代の資格挑戦・学習記録 #86
「能率差異は変動費と固定費からなるものとする」って、どういう意味──?
ここまで工業簿記を学習してきた中で、間違えやすいポイントや覚えておきたいルールをQ&A形式で整理していく「復習」シリーズ。
前回は、標準原価計算の差異分析で使う「ボックス図」について、
「標準のデータは内側、実際のデータは外側」
という書き方を復習した。
今回は、製造間接費差異を公式法変動予算で分析するときの「分析図」の書き方について整理しておく。
この図は、予算差異・操業度差異・能率差異を一度に分析できる便利なものだが、いざ自分で書こうとすると、
「どこから書き始めればいいんだ?」
となりやすい。
さらに問題文に、
「能率差異は変動費と固定費からなるものとする」
と書かれていることがある。
今回は、この意味についても復習しておく。
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😸Q3 製造間接費差異の分析図は、どこから書き始めればよいのか?
公式法変動予算による製造間接費差異の分析図を書くとき、最初から完成形を思い出そうとすると混乱しやすい。
そこで、まず下書用紙に図の大枠を書き、
「基準操業度・実際操業度・標準操業度」
の3つを記入する。
並び順は、図の右側から、
基準 → 実際 → 標準
である。
前回のボックス図と同じように、まず「書く場所」を決めてしまうわけだ。
なお、基準操業度については、年間の数値が与えられている場合がある。
その場合、月間の差異分析を行うのであれば、
年間基準操業度 ÷ 12ヶ月
として、1ヶ月分の基準操業度を求める。
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😸次に「率」と「固定費予算額」を書く
3つの操業度を書いたら、次は、
標準配賦率
変動費率
固定費率
固定費予算額
を図に記入する。
ここで注意したいのは、これらの数値がすべて問題文にそのまま書かれているとは限らないことである。
たとえば、
標準配賦率 = 変動費率 + 固定費率
また、
固定費率 = 固定費予算額 ÷ 基準操業度
という関係を利用して、自分で必要な数値を求めなければならない場合もある。
図の上側が「変動費率」、下側が「固定費率」。
そして両方を合わせたものが「標準配賦率」と考えると、図の構造も理解しやすい。
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😸予算許容額を計算する
次に「予算許容額」を求める。
公式法変動予算では、
予算許容額
= 変動費率 × 実際操業度 + 固定費予算額
で計算する。
そして求めた予算許容額を、実際操業度の縦線上に記入する。
さらに同じ実際操業度の縦線を上に伸ばし、「実際発生額」も記入する。
ここまで書けば、分析図の骨格はほぼ完成である。
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😸最後に差異を書き込む
あとは図のそれぞれの部分に、
予算差異
変動費能率差異
固定費能率差異
操業度差異
を書き込み、各差異を計算していく。
つまり、分析図を書く順番を整理すると、
操業度 → 率 → 予算許容額・実際発生額 → 各差異
と覚えておけばよさそうだ。
完成した分析図そのものを丸暗記するよりも、
「まず3つの操業度を置く」
ところから組み立てていく方が、試験でも再現しやすいと思う。
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😸Q3 「能率差異は変動費と固定費からなるものとする」とは?
ここが今回もう一つの重要なポイント。
分析図を見ると、「能率差異」にあたる部分は実際には、
変動費部分の能率差異
と
固定費部分の能率差異
の2つに分かれている。
そのため、問題によっては両者を別々に求めることもできる。
しかし、問題文に、
「能率差異は変動費と固定費からなるものとする」
という指示があった場合は、
変動費部分と固定費部分を分けず、合計して「能率差異」として解答する。
という意味になる。
「変動費と固定費からなる」と書かれているので、一瞬、
「変動費能率差異と固定費能率差異を別々に答えるのかな?」
と思ってしまいそうだが、むしろ逆。
両方を含めたものを「能率差異」とする
という指示なので注意したい。
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😸まとめた能率差異は標準配賦率で計算できる
変動費部分と固定費部分を合計した能率差異は、
能率差異
= 標準配賦率 ×(標準操業度 − 実際操業度)
で計算できる。
なぜなら、
標準配賦率 = 変動費率 + 固定費率
だからである。
つまり、
変動費率 ×(標準操業度 − 実際操業度)
と、
固定費率 ×(標準操業度 − 実際操業度)
を足せば、
(変動費率+固定費率)×(標準操業度 − 実際操業度)
となり、
標準配賦率 ×(標準操業度 − 実際操業度)
になる。
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😸今回の復習
公式法変動予算の分析図を書くときは、まず、
基準操業度・実際操業度・標準操業度
の3つを置く。
次に、
標準配賦率・変動費率・固定費率・固定費予算額
を書き込み、
予算許容額
= 変動費率 × 実際操業度 + 固定費予算額
を求める。
そして各差異を書き込んでいく。
また、
「能率差異は変動費と固定費からなるものとする」
と指示された場合は、変動費能率差異と固定費能率差異を分けずに合計して解答する。
その場合は、
能率差異
= 標準配賦率 ×(標準操業度 − 実際操業度)
で計算できる。
分析図は複雑に見えるが、最初に何を書くのかを決めておけば、かなり整理しやすい。
「基準・実際・標準」から書き始める。
そして、
「能率差異は変動費と固定費からなる」=2つを合わせて答える。
この2点は、試験で迷わないように覚えておきたい。
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