問題9|50代の資格挑戦・学習記録 #93

直接工でも、作業内容によって処理が変わる──

前回に引き続き、第3章「労務費」の問題演習に取り組む。

今回は、直接工と間接工の賃金について、

* 直接作業時間と間接作業時間の区別
* 予定賃率による賃金消費額の計算
* 未払賃金を含めた実際消費額の計算
* 賃率差異の計算

をまとめて確認する問題である。

特に重要なのは、

直接工だからといって、すべて「仕掛品」になるわけではない

という点。

直接工が製品の加工に直接従事した時間は「仕掛品」になるが、清掃や準備などの間接作業に従事した時間は「製造間接費」となる。

この区別を意識しながら解いていく。

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😸問題9

次の取引について仕訳しなさい。

ただし、勘定科目は設問ごとにもっとも適当と思われるものを選び、記号で解答すること。

(1)

当月の直接工の賃金消費額を予定賃率(1,400円/時間)を用いて計上する。

直接工の実際直接作業時間は500時間、実際間接作業時間は40時間であった。

ア.材料
イ.賃金・給料
ウ.仕掛品
エ.製造間接費
オ.製品
カ.賃率差異

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😸(1)直接作業と間接作業を分ける

まず、直接工の作業時間を、

直接作業時間と間接作業時間

に分けて考える。

直接作業時間は、製品の製造に直接かかった時間なので「仕掛品」。

一方、間接作業時間は特定の製品に直接結びつけられないため「製造間接費」となる。

直接作業賃金

1,400円 × 500時間 = 700,000円

これは「仕掛品」。

間接作業賃金

1,400円 × 40時間 = 56,000円

これは「製造間接費」。

したがって、賃金・給料から振り替える合計額は、

700,000円 + 56,000円
= 756,000円

となる。

仕訳

(ウ 仕掛品)700,000 (イ 賃金・給料)756,000
(エ 製造間接費)56,000

ここでは、

直接工かどうかではなく、「何の作業をしたか」で仕掛品と製造間接費を分ける

ことがポイントになる。

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😸(2)直接工と間接工の賃金をまとめて処理する

続いて、次の条件で当月の賃金消費額を計上する。

直接工の作業時間報告書によれば、

* 直接作業時間:800時間
* 間接作業時間:100時間

であった。

直接工の予定賃率は、1時間あたり1,200円。

また、間接工については、

* 前月賃金未払高:60,000円
* 当月賃金支払高:570,000円
* 当月賃金未払高:65,000円

となっている。

まずは直接工から計算する。

直接工の直接作業賃金

1,200円 × 800時間
= 960,000円

直接作業なので「仕掛品」。

直接工の間接作業賃金

1,200円 × 100時間
= 120,000円

こちらは間接作業なので「製造間接費」となる。

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😸間接工の賃金消費額を求める

間接工については予定賃率ではなく、

当月に実際に消費した賃金

を求める。

前回の問題でも使った、

当月支払高 − 前月未払高 + 当月未払高

で計算する。

570,000円 − 60,000円 + 65,000円
= 575,000円

間接工の賃金は、特定の製品に直接対応しないため、全額「製造間接費」となる。

したがって製造間接費は、

直接工の間接作業賃金 120,000円
+ 間接工の賃金 575,000円

= 695,000円

となる。

仕訳

(ウ 仕掛品)960,000 (イ 賃金・給料)1,655,000
(エ 製造間接費)695,000

960,000円 + 695,000円
= 1,655,000円

で貸借も一致する。

⸻

😸(3)予定消費額と実際消費額の差を求める

最後は、(2)で予定賃率を使って計算した直接工の賃金と、実際に発生した賃金との差額を「賃率差異」に振り替える。

直接工について、

* 前月賃金未払高:120,000円
* 当月賃金支払高:1,010,000円
* 当月賃金未払高:115,000円

であった。

まず、(2)で計上した直接工の予定消費額を確認する。

予定消費額

直接作業賃金
960,000円

+

間接作業賃金
120,000円

= 1,080,000円

一方、実際消費額は、

1,010,000円 − 120,000円 + 115,000円
= 1,005,000円

となる。

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😸賃率差異を計算する

予定消費額と実際消費額との差は、

1,080,000円 − 1,005,000円
= 75,000円

予定していた賃金よりも、実際に発生した賃金の方が75,000円少なかった。

つまり会社にとって有利なので、

75,000円の有利差異(貸方差異)

となる。

仕訳

(イ 賃金・給料)75,000 (カ 賃率差異)75,000

予定賃率で計上した賃金の方が実際額より大きいため、その差額を賃金・給料勘定から減らし、賃率差異の貸方へ振り替える。

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😸今回のポイント

今回の問題では、労務費の基本的な処理が一通り組み合わされていた。

まず覚えておきたいのは、

直接工の直接作業賃金 → 仕掛品

直接工の間接作業賃金 → 製造間接費

間接工の賃金 → 製造間接費

という関係。

つまり、

「直接工だから仕掛品」

と単純に判断するのではなく、

直接工が何の作業をしていたのか

を見る必要がある。

また、実際の賃金消費額については、

当月支払高 − 前月未払高 + 当月未払高

で求める。

そして予定賃率を使用している場合は、

予定消費額と実際消費額との差が賃率差異

となる。

今回の場合は、

予定消費額:1,080,000円
実際消費額:1,005,000円

だったので、

75,000円の有利差異

となった。

労務費の問題では、

「誰が働いたのか」

だけでなく、

「何の作業をしたのか」

「予定額なのか実際額なのか」

を一つずつ整理していけば、仕訳の形も見えてくる。

次の問題でも、この考え方を使いながら解いていきたい。

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