問題10〜12|50代の資格挑戦・学習記録 #94

経費は「直接費か間接費か」を見分ける──

前回までは、第3章「労務費」の問題演習に取り組んだ。

今回からは、第4章「経費」の問題に進む。

工業簿記における経費には、

* 外注加工賃
* 減価償却費
* 賃借料
* 水道光熱費
* 保険料
* 棚卸減耗費

など、さまざまなものが出てくる。

ここで重要になるのが、

「特定の製品のために直接かかった経費なのか」

それとも、

「工場全体のためにかかった間接的な経費なのか」

という区別である。

直接経費なら「仕掛品」へ、間接経費なら「製造間接費」へ集計する。

今回は問題10〜12を通して、この違いを確認していく。

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😸問題10 経費の仕訳

次の取引について仕訳する。

使用する勘定科目は、

「仕掛品」「製造間接費」「当座預金」「減価償却累計額」

である。

(1)外注加工賃5,000円を小切手を振り出して支払った

外注加工賃は、特定の製品の加工を外部に依頼したときに発生する費用。

このような外注加工賃は「直接経費」として扱われるため、仕掛品に直接集計する。

仕訳

(仕掛品)5,000 /(当座預金)5,000

外注加工賃だからといって、すべて「製造間接費」にするわけではない。

特定の製品に直接対応しているため、

外注加工賃 → 直接経費 → 仕掛品

と考える。

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(2)当月の機械の賃借料200円を小切手を振り出して支払った

工場で使用する機械の賃借料は、通常、特定の製品だけに直接結びつくものではない。

したがって「間接経費」として製造間接費に集計する。

仕訳

(製造間接費)200 /(当座預金)200

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(3)工場建物の減価償却費1,000円を計上した

工場建物の減価償却費も、工場全体の製造活動のために発生する費用である。

そのため製造間接費として処理する。

仕訳

(製造間接費)1,000 /(減価償却累計額)1,000

ここでも、

工場建物の減価償却費 → 間接経費 → 製造間接費

という流れになる。

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😸問題11 当月の経費消費額

次の資料にもとづいて、当月の経費消費額を計算する。

[資料]

(1)工場建物減価償却費 24,000円(1年分)

(2)当月の工場水道光熱費 800円

(3)工場建物の保険料 1,200円(半年分)

(4)材料棚卸減耗費 100円

ポイントは、

年間や半年分で示されている費用を、1か月分に直す

こと。

まず、工場建物の減価償却費は1年分24,000円なので、

24,000円 ÷ 12か月
=2,000円

次に工場建物の保険料は半年分1,200円なので、

1,200円 ÷ 6か月
=200円

水道光熱費800円と材料棚卸減耗費100円は、そのまま当月分として加える。

したがって、

2,000円+800円+200円+100円
=3,100円

当月の経費消費額:3,100円

年間額や半年分の金額が出てきたときは、そのまま足さず、

「当月はいくら消費したのか」

に換算することがポイントになる。

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😸問題12 経費に関する仕訳

続いて、外注加工や棚卸減耗、減価償却費、電力料などをまとめて仕訳する問題。

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(1)材料20,000円を外注先へ無償支給した

製品Aを製造するため、材料20,000円を外注先の工場へ渡した。

材料を外注先に渡した時点で、材料の出庫を記録する。

この材料は製品Aを作るために使用されるので、仕掛品へ振り替える。

仕訳

(ア 仕掛品)20,000
/(エ 材料)20,000

ここでは、材料そのものを外注先に販売したわけではない。

あくまで自社の製品を加工してもらうために無償で渡した材料なので、

材料 → 仕掛品

という振り替えになる。

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(2)加工品を受け入れ、外注加工賃5,000円が発生した

外注先から加工済みの品物を受け入れた。

請求書による外注加工賃は5,000円で、代金は来月末に支払う。

外注加工賃は製品Aのために直接発生した経費なので、仕掛品に集計する。

また、まだ代金を支払っていないため、貸方は買掛金となる。

仕訳

(ア 仕掛品)5,000
/(ウ 買掛金)5,000

問題10でも出てきたように、

外注加工賃 → 直接経費 → 仕掛品

と考える。

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(3)材料の棚卸減耗600円を計上した

材料を棚卸ししたところ、600円の減耗が発見された。

材料棚卸減耗費は、通常は製造間接費として処理する。

材料が帳簿上より600円少なくなっているため、材料を減額する。

仕訳

(イ 製造間接費)600
/(エ 材料)600

棚卸減耗は特定の製品に直接対応させることが難しいので、

棚卸減耗費 → 間接経費 → 製造間接費

となる。

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(4)当月の機械減価償却費を計上した

機械減価償却費の年間見積額は120,000円。

まず1か月分を計算する。

120,000円 ÷ 12か月
=10,000円

機械の減価償却費は製造間接費として処理する。

仕訳

(イ 製造間接費)10,000
/(カ 機械減価償却累計額)10,000

年間見積額が示された場合は、問題11と同じように、

当月分へ換算する

ことを忘れないようにしたい。

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(5)月末に電力料3,000円を計上した

当月分の電力料3,000円を計上するが、支払いは来月末。

電力料は工場全体で使用するため、製造間接費となる。

また、まだ支払っていないので「未払電力料」を計上する。

仕訳

(イ 製造間接費)3,000
/(オ 未払電力料)3,000

「まだ払っていないから費用にならない」のではなく、

当月に使用した電力なので、当月の製造原価に含めなければならない。

そのため、

製造間接費を計上し、相手科目を未払電力料とする

わけである。

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😸今回のポイント

今回の問題では、経費を見たときに、

仕掛品にするのか、製造間接費にするのか

を判断することが大きなポイントだった。

基本的には、

特定の製品に直接かかった経費
→ 直接経費
→ 仕掛品

工場全体にかかった経費
→ 間接経費
→ 製造間接費

と考える。

今回出てきたものを整理すると、

経費 処理
外注加工賃 仕掛品
機械賃借料 製造間接費
工場建物減価償却費 製造間接費
材料棚卸減耗費  製造間接費
機械減価償却費  製造間接費
工場電力料 製造間接費

特に覚えておきたいのは、

外注加工賃は「経費」だが、直接経費なので仕掛品に入る

という点。

「経費=製造間接費」と思い込まないことが大切なのだろう。

また、減価償却費や保険料などが年間額・半年分として示された場合には、

必ず当月消費額に直してから計算する。

材料費、労務費、経費と問題を解いてきたが、結局のところ工業簿記では、

「その費用は、どの製品のために発生したのか」

という視点が重要なのだと改めて感じる。

直接対応させられるなら仕掛品へ。

直接対応させにくければ製造間接費へ。

この考え方を軸にしておけば、仕訳も少し判断しやすくなりそうだ。

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