操業度差異|50代の資格挑戦・学習記録 #71

固定費は、使わなくても発生する──

今回学んだのは、製造間接費差異のうち「操業度差異」である。

前回は、予算許容額と製造間接費の実際発生額との差から「予算差異」を求めた。

今回は、生産設備をどの程度利用したかによって生じる差異を考えていく。

ポイントになるのは「固定費」である。

機械を動かしても動かさなくても発生する固定費を、操業度との関係から分析するのが操業度差異である。



😸操業度差異とは

たとえば、工場で使っている機械の減価償却費を考えてみる。

減価償却費は、基本的に機械をたくさん使ったからといって大きく増えるわけではない。

反対に、機械をほとんど使わなかったとしても一定額が発生する。

つまり固定費については、

「使わなくても費用がかかる」

という特徴がある。

それならば、同じ固定費を負担するのであれば、できるだけ設備を有効に使った方がよい。

逆に、予定していたほど設備を使わなければ、その分だけ固定費を十分に活用できなかったと考えることができる。

このように、生産設備の利用度、つまり「操業度」の良し悪しを原因として固定費から発生する差異を、

「操業度差異」

という。



😸まずは固定費率を求める

操業度差異を計算するためには、まず「固定費率」を求める。

固定費率とは、操業度1単位あたりの固定製造間接費である。

今回のように直接作業時間を操業度としている場合は、

直接作業時間1時間あたりの固定製造間接費

ということになる。

固定費率は次の式で求める。

固定費率
= 固定費予算額 ÷ 基準操業度

CASE 66では、

固定費予算額:7,000円
基準操業度:350時間

なので、

7,000円 ÷ 350時間 = @20円

となる。

つまり、直接作業時間1時間あたり20円の固定費を負担する計算である。

図を見ると、7,000円の固定費を基準操業度350時間で割った「@20円」が、操業度差異を計算するための基準になっていることがわかる。



😸操業度差異の計算

固定費率が求められたら、次に実際操業度と基準操業度を比較する。

操業度差異は、

固定費率 ×(実際操業度 − 基準操業度)

で計算する。

結果が、

プラス → 有利差異(貸方差異)
マイナス → 不利差異(借方差異)

となる。

CASE 66では、

固定費率:@20円
実際操業度:250時間
基準操業度:350時間

なので、

@20円 ×(250時間 − 350時間)
= @20円 × △100時間
= △2,000円

となる。

したがって、

操業度差異=2,000円の不利差異

である。



😸なぜ不利差異になるのか

計算式だけを見ると、

「250時間から350時間を引いてマイナスになったから不利差異」

と覚えてしまいそうになる。

しかし、その意味まで考えておくと理解しやすい。

CASE 66では、350時間の操業を想定して7,000円の固定費を負担する計画だった。

ところが実際には250時間しか操業していない。

つまり、

予定より100時間、設備を利用できなかった

ということである。

固定費は設備を使わなくても発生するため、この100時間分については固定費を有効に活用できなかったことになる。

その金額が、

@20円 × 100時間 = 2,000円

というわけだ。

だから2,000円の「不利差異」となる。

図の三角形を見ると少し複雑に感じるが、結局やっていることは、

「1時間あたりの固定費 × 予定より使わなかった時間」

を求めていると考えればわかりやすい。



😸「固定費は使わなくてもかかる」がポイント

操業度差異を理解するうえで、一番重要なのは固定費の性質だと思う。

変動費なら、操業度が下がれば費用もある程度減少する。

しかし固定費はそうではない。

機械をあまり動かさなかったとしても、減価償却費などは発生する。

だからこそ、

せっかく固定費を負担するなら、設備をできるだけ有効活用した方がよい

という考え方になる。

基準操業度より実際操業度が低ければ設備を十分に活用できていないため不利差異となり、反対に実際操業度の方が高ければ有利差異となる。

単なる計算問題というより、工場の設備をどれだけ有効に使えたのかを見る指標と考えると、操業度差異の意味が見えてくる。



😸今回の学び

今回のポイントは、

操業度差異=固定費に関する設備利用度の差異

ということである。

計算手順は、

① 固定費率を求める

固定費率
= 固定費予算額 ÷ 基準操業度

② 操業度差異を求める

操業度差異
= 固定費率 ×(実際操業度 − 基準操業度)

CASE 66では、

固定費率
=7,000円÷350時間
=@20円

操業度差異
=@20円×(250時間−350時間)
=△2,000円

したがって、

2,000円の不利差異

となる。

「固定費は使わなくても発生する。だから設備を使わないと損」

この感覚をつかんでおけば、公式も覚えやすそうだ。

前回の予算差異に続いて操業度差異まで理解できた。

製造間接費差異を構成するそれぞれの数字が、何を意味しているのかも少しずつ見えてきた。

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