原価差異の分析①|50代の資格挑戦・学習記録 #65
「差が出た」で終わらず、原因まで分解する──
今回学んだのは、原価差異の分析である。
前回は、標準原価と実際原価を比較して「原価差異」を把握する方法を学んだ。
しかし、原価差異の総額が分かっただけでは、
「なぜ差異が発生したのか?」
までは分からない。
そこで原価差異をさらに細かく分けて、その原因を分析していく。
今回はその第一歩として、直接材料費差異を「価格差異」と「数量差異」に分ける方法を学んだ。
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😸原価差異の分析
原価差異とは、当月標準原価と当月実際原価との差額である。
しかし、例えば「342円の不利差異が発生した」と分かっても、それだけでは何を改善すればよいのか判断できない。
材料を高く買ったのか。
材料を使いすぎたのか。
作業時間が予定より長かったのか。
製造間接費が多くかかったのか。
原因によって、改善すべきポイントはまったく違う。
そこで原価差異をまず、
* 直接材料費差異
* 直接労務費差異
* 製造間接費差異
に分類し、さらに細かく分析していく。
今回は、そのうちの直接材料費差異を分析する。
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😸直接材料費差異の分析
直接材料費差異(総差異)は、
標準直接材料費 − 実際直接材料費
で計算する。
結果がプラスなら有利差異(貸方差異)、マイナスなら不利差異(借方差異)となる。
ここで覚えておきたいのが、
「差異は必ず標準から実際を引く」
ということだ。
逆にしてしまうと、有利差異と不利差異も逆になってしまう。
今回のCASE 64では、製品1個あたりの標準直接材料費は、
@50円 × 2枚 = 100円
である。
当月投入量は120個なので、
100円 × 120個 = 12,000円
これが当月の標準直接材料費となる。
一方、実際直接材料費は、
@51円 × 242枚 = 12,342円
だった。
したがって、
12,000円 − 12,342円
= △342円
直接材料費差異は、342円の不利差異となる。
予定では12,000円で済むはずだった材料費が、実際には12,342円かかったということだ。
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😸なぜ342円多くかかったのか?
ここからが今回のポイントである。
直接材料費差異が342円の不利差異だったとしても、それだけでは原因が分からない。
そこで直接材料費差異を、
「価格差異」と「数量差異」
の2つに分ける。
簡単にいえば、
価格差異 → 材料の値段の問題
数量差異 → 材料の使用量の問題
である。
今回の例では、この両方で不利差異が発生している。
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😸価格差異とは
価格差異とは、標準より高い、あるいは安い材料を使ったことで生じる差異である。
計算式は、
(標準単価 − 実際単価)× 実際消費量
となる。
CASE 64では、
標準単価:@50円
実際単価:@51円
実際消費量:242枚
なので、
(@50円 − @51円)× 242枚
= △242円
となる。
つまり、242円の不利差異である。
本来は1枚50円で調達する予定だった材料を、実際には51円で使った。
1枚あたり1円高く、その材料を242枚使ったため、
1円 × 242枚 = 242円
余計に材料費がかかったわけだ。
これなら「材料の購入価格や仕入先などを見直す」という改善策につなげられる。
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😸数量差異とは
もう一つが数量差異である。
数量差異とは、標準より材料を多く使った、あるいは少ない材料で済んだことで生じる差異を意味する。
計算式は、
標準単価 ×(標準消費量 − 実際消費量)
である。
今回、製品1個あたりの標準消費量は2枚。
当月投入量は120個なので、標準消費量は、
2枚 × 120個 = 240枚
となる。
しかし実際には242枚使っている。
したがって、
@50円 ×(240枚 − 242枚)
= △100円
となり、100円の不利差異である。
本来240枚で作れるはずのところを242枚使ってしまった。
つまり、2枚分余計に材料を消費している。
こちらは材料の価格ではなく、材料の使い方やロスなどを確認する必要があるということだ。
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😸価格差異+数量差異=直接材料費差異
ここまで分析すると、最初に求めた342円の不利差異の中身が見えてくる。
価格差異 △242円
数量差異 △100円
合計すると、
△242円 + △100円
= △342円
となる。
最初に計算した直接材料費差異(総差異)と一致した。
つまり、
直接材料費差異 = 価格差異 + 数量差異
という関係になっている。
「材料費が342円多かった」という一つの数字を、
「材料が高かったことで242円」
「材料を使いすぎたことで100円」
と分解したことで、初めて原因が具体的に見えてくるのである。
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😸差異分析のボックス図
今回登場した差異分析では、ボックス図も重要になる。
ボックス図では、
タテが単価、ヨコが数量
となる。
そして覚えておきたいポイントが、
「内側に標準値を書く」
ことだ。
タテ方向では、
標準単価:@50円
実際単価:@51円
ヨコ方向では、
標準消費量:240枚
実際消費量:242枚
となる。
標準単価と標準消費量で囲まれた内側の部分が、
@50円 × 240枚 = 12,000円
という標準直接材料費になる。
そこからタテ方向に増えた部分が価格差異、ヨコ方向に増えた部分が数量差異と考えると分かりやすい。
タテは単価、ヨコは数量。内側に標準値。
これはボックス図を書くときの基本として覚えておきたい。
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😸今回の学び
前回までは「標準より実際の原価が高かったから不利差異」というところまでだった。
今回は、その差異をさらに分解することで、
「なぜ不利差異になったのか」
まで見えるようになった。
CASE 64では、
直接材料費差異:△342円(不利差異)
その内訳は、
価格差異:△242円
数量差異:△100円
である。
材料を予定より高く使ったうえに、予定より多く消費していた。
こうして原因まで分解できれば、価格面を改善するのか、材料の使い方を改善するのかも考えられる。
単に数字のズレを見つけるだけではなく、そのズレの原因を分析して改善につなげる。
標準原価計算が、少しずつ「経営管理のための会計」らしくなってきた。
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