固定予算|50代の資格挑戦・学習記録 #73
固定予算でも、差異を分解して原因を探る──
今回学んだのは、固定予算を用いた場合の製造間接費差異の分析である。
これまで、公式法変動予算を使って、
* 予算差異
* 操業度差異
* 能率差異
を計算してきた。
固定予算の場合も基本的な考え方は同じである。
ただし、公式法変動予算では製造間接費を変動費と固定費に分けて考えたのに対し、固定予算では両者を分けない。
そのため、操業度差異や能率差異の計算方法に違いが出てくる。
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😸固定予算の場合の差異分析
固定予算では、操業度が変わっても予算額そのものは変化しない。
そして固定費と変動費を分けないため、操業度差異は、
標準配賦率 ×(実際操業度 − 基準操業度)
で計算する。
また、能率差異についても変動部分と固定部分を分けず、
標準配賦率 ×(標準操業度 − 実際操業度)
で計算する。
公式法変動予算では固定費率や変動費率を使って差異を分析したが、固定予算では「標準配賦率」をそのまま使うところがポイントである。
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😸CASE 66を固定予算で分析する
CASE 66を固定予算として差異分析すると、次のようになる。
まず、製造間接費差異(総差異)を求める。
製造間接費差異(総差異)
=標準製造間接費 − 実際発生額
=9,900円 − 10,000円
=△100円
したがって、
100円の不利差異
となる。
標準的に発生するはずだった製造間接費よりも、実際には100円多く発生したということである。
この100円の不利差異を、予算差異・操業度差異・能率差異に分けて分析していく。
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😸予算差異
予算差異は、
予算差異
=予算許容額 − 実際発生額
で計算する。
今回の予算許容額は10,500円、実際発生額は10,000円なので、
10,500円 − 10,000円
=500円
となる。
したがって、
予算差異:500円の有利差異
である。
予算として許容されていた金額よりも実際発生額のほうが500円少なかったため、有利差異となる。
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😸操業度差異
固定予算の場合の操業度差異は、
操業度差異
=標準配賦率 ×(実際操業度 − 基準操業度)
で計算する。
今回のデータは、
標準配賦率:@30円
実際操業度:250時間
基準操業度:350時間
なので、
@30円 ×(250時間 − 350時間)
=△3,000円
となる。
したがって、
操業度差異:3,000円の不利差異
である。
基準操業度350時間に対して、実際には250時間しか操業していない。
設備などを予定していたほど利用できなかったことによって生じた不利差異と考えればわかりやすい。
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😸能率差異
固定予算の場合の能率差異は、
能率差異
=標準配賦率 ×(標準操業度 − 実際操業度)
で計算する。
今回のデータは、
標準配賦率:@30円
標準操業度:330時間
実際操業度:250時間
なので、
@30円 ×(330時間 − 250時間)
=2,400円
となる。
したがって、
能率差異:2,400円の有利差異
である。
標準では330時間かかるはずだったところを、実際には250時間で済んでいるため、作業能率の面では有利だったことになる。
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😸3つの差異を合計する
ここまで求めた差異は、
* 予算差異:+500円(有利)
* 操業度差異:△3,000円(不利)
* 能率差異:+2,400円(有利)
である。
これらを合計すると、
500円 − 3,000円 + 2,400円
=△100円
となる。
これは最初に求めた、
製造間接費差異(総差異):100円の不利差異
と一致する。
それぞれの差異を別々に計算していても、最終的には総差異につながっているわけである。
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😸製造間接費配賦差異も分析できる
ここからは、以前学んだ「製造間接費の予定配賦」と今回の差異分析がつながってくる。
製造間接費を予定配賦している場合には、
予定配賦額 − 実際発生額
によって「製造間接費配賦差異」が発生する。
この製造間接費配賦差異についても、
予算差異
操業度差異
の2つに分けて分析できる。
今回の例では、年間予算データとして、
年間固定費:72,000円
変動費率:@10円
年間基準操業度:3,600時間
が与えられている。
当月の実際データは、
製造間接費実際発生額:8,000円
実際直接作業時間:250時間
である。
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😸年間データを1ヶ月分に直す
ここで注意したいのが、資料が「年間」の数字で与えられていることである。
当月の差異を計算するため、まず1ヶ月分に直す。
1ヶ月の基準操業度は、
3,600時間 ÷ 12ヶ月
=300時間
となる。
次に固定費率を求める。
72,000円 ÷ 3,600時間
=@20円
変動費率は@10円なので、予定配賦率は、
@10円 + @20円
=@30円
となる。
したがって、実際操業度250時間に対する予定配賦額は、
@30円 × 250時間
=7,500円
である。
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😸予算許容額を求める
次に予算許容額を計算する。
1ヶ月の固定費は、
72,000円 ÷ 12ヶ月
=6,000円
である。
変動費部分は、
@10円 × 250時間
=2,500円
したがって予算許容額は、
2,500円 + 6,000円
=8,500円
となる。
ここまでで、
予定配賦額:7,500円
予算許容額:8,500円
実際発生額:8,000円
という3つの金額がそろった。
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😸製造間接費配賦差異を分析する
まず総差異は、
製造間接費配賦差異
=予定配賦額 − 実際発生額
=7,500円 − 8,000円
=△500円
したがって、
500円の不利差異
となる。
これを予算差異と操業度差異に分ける。
予算差異は、
8,500円 − 8,000円
=500円
したがって、
500円の有利差異
である。
一方、操業度差異は、
固定費率 ×(実際操業度 − 基準操業度)
なので、
@20円 ×(250時間 − 300時間)
=△1,000円
したがって、
1,000円の不利差異
となる。
500円の有利差異と1,000円の不利差異を合わせると、
500円 − 1,000円
=△500円
となり、製造間接費配賦差異の500円の不利差異と一致する。
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😸差異を仕訳する
試験では、計算だけでなく、差異をそれぞれの勘定へ振り替える仕訳が問われることもある。
まず製造間接費を予定配賦したときは、
(借)仕掛品 7,500 /(貸)製造間接費 7,500
と仕訳する。
予定配賦額7,500円は、
@30円 × 250時間
=7,500円
で求めた金額である。
そして差異を振り替える仕訳は、
(借)操業度差異 1,000 /(貸)予算差異 500
/(貸)製造間接費 500
となる。
操業度差異1,000円は「不利差異」なので借方。
予算差異500円は「有利差異」なので貸方。
そして製造間接費勘定に残っている500円の貸借差額も貸方に記入する。
差異の金額だけでなく、
有利差異 → 貸方差異
不利差異 → 借方差異
という関係も押さえておきたい。
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😸今回のまとめ
今回のポイントは、固定予算の場合も、製造間接費差異を予算差異・操業度差異・能率差異に分けて分析できるということだった。
ただし固定予算では、固定費と変動費を分けない。
そのため、
操業度差異
=標準配賦率 ×(実際操業度 − 基準操業度)
能率差異
=標準配賦率 ×(標準操業度 − 実際操業度)
となる。
一方、製造間接費を予定配賦している場合の配賦差異は、
予算差異+操業度差異
に分けて考えることができる。
これまで別々に学んできた「予定配賦」「固定予算・変動予算」「製造間接費差異」が、ここでひとつにつながってきた。
計算式だけを見ると複雑に感じるが、
何と何を比べた差なのか
を図と一緒に確認すると、それぞれの差異が何を意味しているのか見えやすくなる。
簿記2級の工業簿記も、少しずつ点だった知識が線になってきた。
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