問題 16|50代の資格挑戦・学習記録 #97
製造間接費は「予定で配賦して、あとで実際との差を調整する」──
前回は、個別原価計算における仕掛品勘定と製品勘定について確認した。
今回は引き続き、第5章「個別原価計算」から、製造間接費の予定配賦についての問題に取り組む。
製造間接費は、直接材料費や直接労務費のように、
「この製品にいくらかかった」
とはっきり把握しにくい。
そこであらかじめ予定配賦率を決めておき、その予定配賦率を使って各製造指図書に配賦する。
そして月末などに、実際に発生した製造間接費との差額を「製造間接費配賦差異」として処理する。
今回は、
* 予定配賦率を求める
* 製造間接費を仕掛品へ予定配賦する
* 実際発生額との差額を計算する
* 有利差異か不利差異かを判断する
という一連の流れを確認する問題である。
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😸問題16
次の一連の取引について仕訳しなさい。
ただし、勘定科目は設問ごとにもっとも適当と思われるものを選び、記号で解答すること。
⑴ 製造間接費の予定配賦
直接工の直接作業時間を配賦基準として、製造間接費を製造指図書に配賦した。
当工場の年間の製造間接費予算は38,400,000円、年間の予定総直接作業時間は24,000時間。
当月の直接工の実際直接作業時間は1,800時間だった。
選択肢
ア.材料
イ.製造間接費
ウ.賃金・給料
エ.仕掛品
オ.製造間接費配賦差異
カ.製品
まず、製造間接費の予定配賦率を求める。
予定配賦率は、
製造間接費予算 ÷ 予定配賦基準数値
で計算する。
38,400,000円 ÷ 24,000時間
= @1,600円
したがって、予定配賦率は1時間あたり1,600円となる。
次に、当月の実際直接作業時間1,800時間を使って予定配賦額を求める。
1,600円 × 1,800時間
= 2,880,000円
製造間接費を製造指図書に配賦するということは、製品の製造原価に組み入れるということ。
したがって「仕掛品」を借方に計上し、「製造間接費」を貸方に計上する。
解答
借方
(エ)仕掛品 2,880,000円
貸方
(イ)製造間接費 2,880,000円
となる。
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😸⑵ 実際発生額との差額を処理する
当月の製造間接費の実際発生額は2,895,000円だった。
⑴で計算した予定配賦額は2,880,000円。
したがって、その差額を計算する。
2,880,000円 − 2,895,000円
= △15,000円
予定配賦額よりも実際発生額の方が15,000円多い。
つまり、
実際発生額 > 予定配賦額
となっている。
予定して配賦した金額では、実際にかかった製造間接費をすべて回収できていない状態である。
この場合は、
不利差異
となる。
製造間接費配賦差異は、不利差異の場合には借方に計上する。
したがって仕訳は、
解答
借方
(オ)製造間接費配賦差異 15,000円
貸方
(イ)製造間接費 15,000円
となる。
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😸製造間接費勘定の動きで考える
この問題は、仕訳だけを暗記するよりも「製造間接費勘定の中で何が起きているのか」を考えた方が分かりやすい。
製造間接費が実際に発生すると、
借方:製造間接費
に記録される。
一方、製造間接費を仕掛品へ予定配賦すると、
貸方:製造間接費
に記録される。
今回の場合、
実際発生額
=2,895,000円
予定配賦額
=2,880,000円
なので、製造間接費勘定には借方が15,000円多く残る。
この借方残高を、
製造間接費配賦差異
へ振り替える。
そのため、
借方:製造間接費配賦差異 15,000円
貸方:製造間接費 15,000円
となるわけである。
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😸不利差異と有利差異
ここは混乱しやすいので、整理しておく。
実際発生額 > 予定配賦額
実際の方が多くかかった。
予定よりコストがかかっているので、
不利差異・借方差異
となる。
一方、
実際発生額 < 予定配賦額
予定配賦額の方が多かった場合は
予定より実際のコストが少なかったので、
有利差異・貸方差異
となる。
今回の問題は、
2,895,000円 > 2,880,000円
なので、
15,000円の不利差異
ということになる。
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今回のポイント
今回の流れは、
①予定配賦率を求める
↓
②実際の配賦基準数値を掛けて予定配賦額を求める
↓
③実際発生額と比較する
↓
④差額を製造間接費配賦差異に振り替える
と整理しておくと分かりやすい。
予定配賦率は、
38,400,000円 ÷ 24,000時間
=@1,600円
予定配賦額は、
@1,600円 × 1,800時間
=2,880,000円
そして実際発生額2,895,000円との差額は、
2,895,000円 − 2,880,000円
=15,000円
実際発生額の方が大きいため、
15,000円の不利差異(借方差異)
となる。
製造間接費の予定配賦では、
「予定でいったん製品原価へ配賦し、実際との差はあとで差異として調整する」
という考え方を押さえておきたい。
この流れが分かっていれば、製造間接費配賦差異の仕訳も判断しやすくなる。
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