この負担は誰のもの?|50代の資格挑戦・学習記録 #30
負担は「誰のものか」を見極める──
今回学んだのは、部門別個別原価計算における最初のステップ、「部門個別費と部門共通費の集計」だ。
前回は、工場全体で発生した製造間接費を、部門ごとに管理する必要があることを学んだ。しかし、すべての製造間接費が同じように扱われるわけではない。
まず区別しなければならないのが、「部門個別費」と「部門共通費」である。
部門個別費とは、特定の部門だけで発生した製造間接費だ。例えば、第1製造部門だけで使用した消耗品や、修繕部門だけで使用した工具などがこれにあたる。どの部門で発生したかが明確なので、その部門へそのまま賦課(直課)できる。
今回の例では、第1製造部門796円、第2製造部門624円、修繕部門200円、工場事務部門96円が部門個別費として計上されている。
一方、部門共通費は複数の部門にまたがって発生する費用である。
例えば建物の減価償却費は、工場全体の建物に対して発生するため、どの部門だけの費用とは言えない。また、工場全体の電力料も同様である。
このような費用は、そのままでは各部門へ割り振れないため、適切な配賦基準を使って各部門へ配賦する。
今回のケースでは、建物減価償却費は占有面積、電力料は電力消費量を基準に配賦した。
建物減価償却費200円は、占有面積200㎡に対して、第1製造部門100㎡、第2製造部門50㎡、修繕部門30㎡、工場事務部門20㎡という割合なので、それぞれ100円、50円、30円、20円となる。
また、電力料84円は、総消費電力42kWhに対して、第1製造部門20kWh、第2製造部門15kWh、修繕部門5kWh、工場事務部門2kWhなので、それぞれ40円、30円、10円、4円となった。
最後に、部門個別費と配賦された部門共通費を合計すると、各部門の部門費が求められる。
* 第1製造部門:936円
* 第2製造部門:704円
* 修繕部門:240円
* 工場事務部門:120円
ここで一つ面白いと思った。
製造間接費の部門別計算は、一度で終わるわけではないのだ。
まず今回学んだ「部門個別費と部門共通費の集計(Step1)」を行い、その次に補助部門費を製造部門へ配賦する(Step2)。そして最後に、製造部門費を各製造指図書へ配賦する(Step3)。
つまり、
Step1 部門個別費・部門共通費の集計
↓
Step2 補助部門費を製造部門へ配賦
↓
Step3 製造部門費を各製造指図書へ配賦
という三段階で、少しずつ費用が最終的な製品へ近づいていく仕組みになっている。
武術でも、いきなり末端の手足だけを動かそうとしても力は伝わらない。まず体幹で力を生み出し、それを肩、腕、手へと順番に伝えていくことで、初めて効率よく力を発揮できる。
原価計算も同じだった。
製造間接費も、一気に製品へ配賦するのではなく、部門、製造部門、製造指図書という順序を踏むことで、より正確な原価が計算できるようになっている。
一見すると遠回りに見えるが、その積み重ねこそが、正確な原価計算を支えているのだと感じた。
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