本質を捉える|50代の資格挑戦・学習記録 #31
補助する部門の負担も、最後は製品が背負う──
今回学んだのは、補助部門費を製造部門へ配賦する方法の一つ「直接配賦法」だ。
前回は、製造間接費を部門ごとに集計し、「部門個別費」と「部門共通費」をそれぞれの部門に負担させる方法を学んだ。
その結果、今回の例では、第1製造部門に936円、第2製造部門に704円、修繕部門に240円、工場事務部門に120円の製造間接費が集計された。
しかし、ここで一つ問題がある。
第1製造部門や第2製造部門は、実際に製品を製造する部門なので、その部門費を各製品へ配賦することができる。
一方、修繕部門や工場事務部門は、製品を直接作っているわけではない。
修繕部門は機械や設備を修理し、工場事務部門は従業員の賃金計算などを行うことで、製造活動を支えている。
つまり、補助部門で発生した費用も、最終的には製品を作るために必要な原価である。
そこで、補助部門に集計された製造間接費を、いったん製造部門へ配賦する。
その後、補助部門費を含めた製造部門費を、各製品へ配賦するという流れになる。
今回の例では、修繕部門費240円と工場事務部門費120円を、第1製造部門と第2製造部門へ配賦する。
ここで興味深かったのは、補助部門は製造部門だけを助けているわけではないということだ。
例えば、工場事務部門は製造部門の従業員だけでなく、修繕部門の従業員の賃金計算も行っている。
反対に、修繕部門が工場事務部門の設備を修繕することもある。
つまり、補助部門同士でもサービスのやり取りが行われている。
この補助部門間のサービスをどのように扱うかによって、「直接配賦法」と「相互配賦法」という二つの方法がある。
今回学んだ直接配賦法では、補助部門同士のサービスのやり取りを無視する。
名前の通り、補助部門費を「直接」製造部門だけに配賦する方法だ。
今回の修繕部門費は240円。
修繕回数は、第1製造部門が4回、第2製造部門が1回、工場事務部門が1回である。
しかし直接配賦法では、工場事務部門への修繕1回を無視する。
したがって、製造部門へのサービス提供割合である4回:1回で240円を配賦する。
第1製造部門には、
240円×4回÷(4回+1回)=192円
第2製造部門には、
240円×1回÷(4回+1回)=48円
が配賦される。
同じように、工場事務部門費120円も製造部門へ配賦する。
従業員数は、第1製造部門12人、第2製造部門8人、修繕部門4人、工場事務部門2人である。
ここでも修繕部門の4人は無視する。
したがって、12人:8人の割合で120円を配賦する。
第1製造部門には72円、第2製造部門には48円が配賦される。
その結果、第1製造部門費は、
936円+192円+72円=1,200円
第2製造部門費は、
704円+48円+48円=800円
となる。
これで、工場全体の製造間接費2,000円が、1,200円と800円に分かれ、すべて製造部門へ集約された。
あとは、この製造部門費を各製品へ配賦すればよい。
今回学んで特に重要だと感じたのは、直接配賦法では「補助部門同士のやり取りを無視する」という点だ。
実際にはサービスを提供している。
しかし、計算上は無視する。
最初は少し乱暴な方法にも感じたが、すべてのやり取りを正確に追いかければ、それだけ計算は複雑になる。
直接配賦法は、正確性にこだわり過ぎるよりも計算の簡便さを優先した方法なのだろう。
簿記を学んでいると、正確に計算することだけが目的ではなく、どこまで現実を反映し、どこから単純化するのかという考え方が何度も登場する。
これは他の仕事でも同じかもしれない。
すべての関係を考慮しようとすれば、物事はどこまでも複雑になる。
時には影響の小さな関係を切り捨て、本当に重要な流れだけを見ることも必要だ。
複雑な現実から、何を無視し、何を残すのか──
直接配賦法は、単なる計算方法ではなく、物事を単純化して本質を捉える考え方でもあると感じた。
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