人生も仕事も助け合い|50代の資格挑戦・学習記録 #32
見えない助け合いも計算する──
今回学んだのは、補助部門費を製造部門へ配賦する方法の一つ、「相互配賦法」である。
前回学んだ直接配賦法では、修繕部門や工場事務部門などの補助部門費を、そのまま製造部門へ配賦した。しかし現実には、補助部門同士も互いにサービスを提供し合っている。
例えば、修繕部門は工場事務部門の設備を修理し、一方で工場事務部門は修繕部門の事務処理や人事管理を行っている。
つまり、補助部門同士にもコストが発生しているのである。
そこで用いられるのが相互配賦法だ。
相互配賦法では、補助部門同士のサービスのやり取りまで考慮して部門費を配賦する。そのため、直接配賦法よりも実態に近い原価計算ができる。
今回の例では、最初に各部門費が集計され、第1製造部門936円、第2製造部門704円、修繕部門240円、工場事務部門120円となった。
ここから配賦計算を2回に分けて行う。
まず第1次配賦では、それぞれの補助部門費を、製造部門だけでなく他の補助部門にも配賦する。
修繕部門の240円は、修繕回数を基準として、第1製造部門へ160円、第2製造部門へ40円、工場事務部門へ40円配賦された。
一方、工場事務部門の120円は、従業員数を基準として、第1製造部門へ60円、第2製造部門へ40円、修繕部門へ20円配賦された。
この時点で、補助部門同士にも費用が移動している。
続く第2次配賦では、この補助部門同士でやり取りされた費用だけを、今度は製造部門だけへ配賦する。
今回の例では、修繕部門が受け取った20円と、工場事務部門が受け取った40円を、それぞれの元の配賦基準に従って、第1製造部門と第2製造部門へ配賦した。
その結果、最終的な製造部門費は、
* 第1製造部門:1,196円
* 第2製造部門:804円
となり、工場全体の2,000円がすべて製造部門へ配賦された。
今回学んで印象に残ったのは、「見えない助け合いまで数字にする」という考え方である。
直接配賦法は計算が簡単で分かりやすい。しかし相互配賦法では、「補助部門同士も支え合っている」という現実まで反映するため、より正確な原価が求められる。
これは会社だけでなく、社会全体にも通じる考え方なのかもしれない。
人は直接見える仕事だけで成果を出しているわけではない。裏方を支える人がいて、その裏方をさらに支える人もいる。
本当に物事を正しく評価するには、目に見える成果だけではなく、その成果を支えた「見えない支援」まで考える必要がある。
簿記は、お金の計算を通して、組織の本当の姿を教えてくれる学問なのだと感じた。
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