問題1〜3|50代の資格挑戦・学習記録 #90

材料費の基本問題を解いてみる──

ここまで工業簿記をひと通り学習し、最近は間違えやすいポイントを「復習」シリーズとして整理してきた。

今回からは、これまで学んだ内容を確認するために、問題演習にも取り組んでいく。

まずは第2章「材料費」から。

今回は、

* 材料購入時の仕訳
* 先入先出法と平均法による材料消費額
* 棚卸減耗費の仕訳

という3問を解いてみる。

基本的な内容ではあるが、工業簿記ではこのあたりを正確に処理できることが、その後の原価計算にもつながってくる。



😸問題1 材料に関する仕訳

次の一連の取引について仕訳する。

使用する勘定科目は、

現金
買掛金
材料
仕掛品
製造間接費

である。

⑴ A材料100kg(@10円)を掛けで購入した

材料の購入額は、

100kg × @10円
=1,000円

したがって、

(材料)1,000 /(買掛金)1,000

となる。

材料を購入したので「材料」が増加し、掛けで購入しているので「買掛金」が増加する。



⑵ B材料200kg(@20円)を掛けで購入し、引取運賃50円は現金で支払った

まず材料そのものの購入代価は、

200kg × @20円
=4,000円

である。

さらに、材料を引き取るための運賃50円が発生している。

材料の購入に直接かかった付随費用は、材料の取得原価に含める。

したがって材料の取得原価は、

4,000円+50円
=4,050円

となる。

仕訳は、

(材料)4,050 /(買掛金)4,000
       /(現金)50

となる。

「材料そのものの値段だけが材料費ではない」という点に注意したい。



⑶ ⑴で購入したA材料のうち、10kgは返品した

A材料の単価は@10円なので、

10kg × @10円
=100円

を返品する。

したがって、

(買掛金)100 /(材料)100

となる。

掛けで購入した材料を返品したので、その分だけ買掛金が減少する。



⑷ C材料50個(@60円)を掛けで購入した

購入額は、

50個 × @60円
=3,000円

したがって、

(材料)3,000 /(買掛金)3,000

となる。

ここまでは通常の材料購入である。



⑸ C材料40個を消費した

内訳は、

直接材料として30個
間接材料として10個

である。

C材料の単価は@60円なので、

直接材料費
=30個 × @60円
=1,800円

間接材料費
=10個 × @60円
=600円

合計すると、

1,800円+600円
=2,400円

となる。

直接材料費は「仕掛品」に振り替え、間接材料費は「製造間接費」とする。

したがって仕訳は、

(仕掛品)1,800   /(材料)2,400
(製造間接費)600

となる。

ここで重要なのは、

直接材料費 → 仕掛品
間接材料費 → 製造間接費

という振り分けである。

材料を消費したからといって、すべてを仕掛品にするわけではない。



😸問題2 先入先出法と平均法

次の資料にもとづいて、材料の当月消費額を計算する。

月初在庫量
100kg(@260円)

当月購入量
300kg(@280円)

当月消費数量
280kg

棚卸減耗は生じていない。



⑴ 先入先出法

先入先出法では、

「先に入った材料から先に使った」

と考える。

まず月初在庫100kgをすべて消費する。

100kg × @260円
=26,000円

当月消費数量は280kgなので、残りは、

280kg-100kg
=180kg

である。

この180kgは当月購入分から消費したと考える。

180kg × @280円
=50,400円

したがって当月消費額は、

26,000円+50,400円
=76,400円

となる。

答えは、

76,400円

である。



⑵ 平均法

平均法では、月初在庫と当月購入分を合わせて、平均単価を求める。

まず材料の総額を計算する。

月初在庫

100kg × @260円
=26,000円

当月購入

300kg × @280円
=84,000円

合計金額は、

26,000円+84,000円
=110,000円

総数量は、

100kg+300kg
=400kg

したがって平均単価は、

110,000円 ÷ 400kg
=@275円

となる。

この平均単価を当月消費数量280kgに掛ける。

@275円 × 280kg
=77,000円

したがって答えは、

77,000円

となる。



😸先入先出法と平均法では金額が変わる

今回の結果は、

先入先出法
76,400円

平均法
77,000円

となった。

同じ280kgを消費していても、どの単価を使って計算するかによって消費額は変わる。

今回は、

月初単価@260円
当月購入単価@280円

と、後から購入した材料の方が高い。

そのため、安い月初材料から先に消費したと考える先入先出法の方が、当月消費額は少なくなっている。

単に公式を覚えるだけでなく、

「どの材料を使ったと考えているのか」

をイメージすると理解しやすい。



😸問題3 材料の棚卸減耗費

次の資料にもとづいて、材料の棚卸減耗費の仕訳をする。

月末の帳簿棚卸数量
50kg

実地棚卸数量
47kg

消費単価
@120円

棚卸減耗は正常なものとする。



帳簿と実際の差を求める

帳簿上では50kgあるはずなのに、実際には47kgしかない。

したがって不足数量は、

50kg-47kg
=3kg

である。

この3kgに消費単価@120円を掛ける。

3kg × @120円
=360円

したがって棚卸減耗費は、

360円

となる。



正常な棚卸減耗は製造間接費

今回の棚卸減耗は「正常なもの」とされている。

通常の製造活動の中で避けられない程度の棚卸減耗は、製造間接費として処理する。

したがって仕訳は、

(製造間接費)360 /(材料)360

となる。

材料が実際には減っているため「材料」を減少させ、その減耗額を「製造間接費」に振り替える。



😸今回のポイント

今回の3問では、材料費の基本的な処理を確認した。

特に覚えておきたいのは、

材料の購入付随費用は材料の取得原価に含める。

直接材料費は「仕掛品」、間接材料費は「製造間接費」。

先入先出法では古い材料から消費したと考える。

平均法では全体の平均単価を求めて消費額を計算する。

正常な棚卸減耗費は「製造間接費」。

という点である。

一つひとつは単純でも、仕訳・数量・単価が組み合わさると間違えやすい。

特に問題1のような仕訳問題では、

「何が増えて、何が減ったのか」

「直接費なのか、間接費なのか」

を順番に考えると整理しやすい。

問題演習を続けながら、こうした基本処理を迷わずできる状態にしていきたい。

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