問題 4、5|50代の資格挑戦・学習記録 #91

材料費は、購入・消費・差異まで一連の流れで考える──

前回から、これまで学んだ工業簿記の内容を確認するために、問題演習に取り組んでいる。

今回は引き続き、第2章「材料費」から。

前回より少し複雑になり、

* 材料購入時の付随費用
* 予定消費単価による材料消費
* 材料消費価格差異
* 材料副費
* 月次総平均法と先入先出法

などが組み合わされた問題を解いてみる。

一つひとつの計算自体は難しくないが、

「何を材料の取得原価に含めるのか」
「直接材料費と間接材料費をどこへ振り替えるのか」
「予定額と実際額の差をどう処理するのか」

を整理しておく必要がある。



😸問題4 予定消費単価と材料消費価格差異

次の一連の取引について仕訳する。

使用する勘定科目は、

仕掛品、製造間接費、材料、買掛金、当座預金、材料消費価格差異

である。

⑴ 材料を購入した

A材料200kgを@490円で掛け購入した。

さらに、当社負担の運送費1,000円を小切手を振り出して支払っている。

まず材料本体の購入代価は、

@490円×200kg
=98,000円

となる。

ここで注意するのが運送費。

材料を購入するために必要となった運送費は、材料の取得原価に含める。

したがって、

98,000円+1,000円
=99,000円

が材料の取得原価となる。

仕訳は、

(材料)99,000 (買掛金)98,000
        (当座預金)1,000

となる。

単純に@490円を材料単価として使うのではなく、購入に伴う付随費用まで含めるところがポイントである。



⑵ 予定消費単価で材料を払い出す

A材料の実際払出数量は180kg。

そのうち、直接材料として消費したものが120kgである。

また材料費の計算には、

予定消費単価@500円

を使用する。

まず材料の払出額は、

@500円×180kg
=90,000円

となる。

このうち直接材料費は、

@500円×120kg
=60,000円

なので「仕掛品」へ振り替える。

残りの60kgは間接材料として消費したことになるため、

@500円×60kg
=30,000円

を「製造間接費」へ振り替える。

したがって仕訳は、

(仕掛品)60,000   (材料)90,000
(製造間接費)30,000

となる。

直接材料費 → 仕掛品

間接材料費 → 製造間接費

という基本をここでも使う。



😸予定額と実際額の差を計算する

⑵では@500円という「予定消費単価」を使って90,000円を材料勘定から払い出した。

しかし、実際に消費した材料の金額が90,000円だったとは限らない。

そこで⑶では、

予定消費額と実際消費額との差

を「材料消費価格差異」として計上する。

A材料の月初在庫は、

10kg、@496円

だった。

また、当月購入した材料の取得原価は⑴で99,000円だったので、当月購入単価は、

99,000円÷200kg
=@495円

となる。

材料の払出単価は先入先出法なので、先に月初材料10kgから消費する。

月初材料は、

@496円×10kg
=4,960円

残りの払出量は、

180kg−10kg
=170kg

なので、当月購入分から、

@495円×170kg
=84,150円

を消費する。

したがって実際消費額は、

4,960円+84,150円
=89,110円

となる。

一方、予定消費額は⑵で計算した、

90,000円

だった。

よって、

90,000円−89,110円
=890円

予定より実際の材料費の方が890円少なかったため、

890円の有利差異

となる。

仕訳は、

(材料)890 (材料消費価格差異)890

となる。

⑵では予定単価@500円で材料を90,000円減らしている。

しかし実際には89,110円しか消費していない。

つまり材料を890円多く減らしていたことになるため、材料勘定を借方に890円戻す、と考えると理解しやすい。



😸問題5 材料副費や平均法を含む仕訳

次は、材料副費や材料の払出単価についての問題。

設問ごとに処理方法が変わるので、それぞれ整理してみる。



⑴ 材料副費を予定配賦する

当月、

素材500kg @800円
買入部品200個 @50円
工場消耗品 40,000円

を掛けで購入した。

購入代価は、

@800円×500kg
=400,000円

@50円×200個
=10,000円

なので、

400,000円+10,000円+40,000円
=450,000円

となる。

さらに購入代価の10%を材料副費として予定配賦する。

450,000円×10%
=45,000円

よって材料の取得原価は、

450,000円+45,000円
=495,000円

となる。

仕訳は、

(ア 材料)495,000 (オ 買掛金)450,000
          (ウ 材料副費)45,000

となる。

ここでは材料副費の予定配賦額も、材料の取得原価に含める。



⑵ 直接材料費と間接材料費を分ける

当月、

素材 600,000円
買入部品 70,000円
工場消耗品 30,000円

を消費した。

素材と買入部品は製品の製造に直接使用するため「直接材料費」となる。

したがって、

600,000円+70,000円
=670,000円

を「仕掛品」へ振り替える。

一方、工場消耗品30,000円は「間接材料費」なので、「製造間接費」へ振り替える。

材料の消費額合計は、

670,000円+30,000円
=700,000円

となる。

仕訳は、

(エ 仕掛品)670,000   (オ 材料)700,000
(ウ 製造間接費)30,000

となる。

ここでも、

直接材料費 → 仕掛品
間接材料費 → 製造間接費

というルールがポイントになる。



⑶ 月次総平均法で材料費を計算する

製造のため、1,500kgの素材を出庫した。

月初材料は、

500kg @380円

当月購入分は、

2,000kg @400円

である。

今回は「月次総平均法」で材料費を計算する。

まず月初材料の金額は、

@380円×500kg
=190,000円

当月購入分は、

@400円×2,000kg
=800,000円

合計すると、

190,000円+800,000円
=990,000円

数量は、

500kg+2,000kg
=2,500kg

なので平均単価は、

990,000円÷2,500kg
=@396円

となる。

したがって1,500kgの材料費は、

@396円×1,500kg
=594,000円

となる。

仕訳は、

(ウ 仕掛品)594,000 (ア 材料)594,000

である。

先入先出法では「どの材料から先に使ったか」を考えるが、月次総平均法では月初材料と当月購入材料をまとめて平均単価を計算する。

この違いはしっかり区別しておきたい。



⑷ 材料消費価格差異を計算する

原料の予定消費価格は、

@200円

実際消費量は、

1,200kg

なので、予定消費額は、

@200円×1,200kg
=240,000円

となる。

一方、実際消費価格は先入先出法で計算する。

月初材料は、

500kg @195円

なので、

@195円×500kg
=97,500円

残りの消費量は、

1,200kg−500kg
=700kg

当月仕入分は@210円なので、

@210円×700kg
=147,000円

実際消費額は、

97,500円+147,000円
=244,500円

となる。

したがって材料消費価格差異は、

240,000円−244,500円
=△4,500円

予定より実際消費額の方が4,500円多いため、

4,500円の不利差異

となる。

仕訳は、

(オ 材料消費価格差異)4,500 (イ 材料)4,500

となる。

不利差異なので「材料消費価格差異」が借方になる。

問題4では有利差異だったので貸方だったが、今回は逆になる。

この2つを並べて確認すると、

有利差異 → 貸方差異
不利差異 → 借方差異

という関係も確認できる。



⑸ 材料副費差異を計上する

最後は材料副費の予定配賦額と実際発生額との差を処理する問題。

材料購入額は、

500,000円

予定配賦率は5%なので、

500,000円×5%
=25,000円

が予定配賦額となる。

一方、材料副費の実際発生額は、

28,000円

だった。

したがって、

25,000円−28,000円
=△3,000円

となる。

実際発生額の方が3,000円多いため、

3,000円の不利差異

である。

仕訳は、

(イ 材料副費差異)3,000 (ウ 材料副費)3,000

となる。

材料消費価格差異と同じように、

予定額より実際額が大きい
→ 不利差異
→ 差異勘定の借方

と考えることができる。



😸今回のポイント

今回の問題では、材料費についていくつもの論点が一度に登場した。

特に覚えておきたいのは、

材料の購入付随費用
→ 材料の取得原価に含める

直接材料費
→ 仕掛品

間接材料費
→ 製造間接費

予定消費額と実際消費額との差
→ 材料消費価格差異

材料副費の予定配賦額と実際発生額との差
→ 材料副費差異

という関係である。

また、材料の実際消費額を求めるときには、

先入先出法
月次総平均法

など、問題で指定された方法によって払出単価を計算する。

今回の問題を解いてみると、材料費の章で学んだ内容がかなりまとめて出てきた。

最初に学んだときには、それぞれ別々の論点として覚えていたが、問題演習ではこれらを組み合わせて処理することになる。

だからこそ、

「まず何を計算するのか」
「その金額をどの勘定に振り替えるのか」

という順番で整理して考えることが大切なのだと思う。

次の問題も、仕訳だけを覚えるのではなく、その金額がどこから出てきたのかを確認しながら解いていきたい。

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