復習 番外編|50代の資格挑戦・学習記録 #89

方程式の解き方を思い出す──

ここまで工業簿記を学習してきた中で、間違えやすいポイントや覚えておきたいルールをQ&A形式で整理していく「復習」シリーズ。

今回は少し番外編。

CVP分析を勉強していると、

「X」や「S」を使った計算式

が頻繁に出てくる。

ところが問題なのは、簿記以前に、

方程式の解き方を忘れてしまっている場合。

学生時代には普通に解いていたが、何十年も使っていなければ忘れたという人もいるだろう。

そこで今回は簿記の復習というより、その土台となる「方程式の解き方」を改めて整理しておく。



😸Q番外編 CVP分析で「X」や「S」をどうやって求める?

CVP分析の問題で、次のような直接原価計算の損益計算書を作ったとする。

目標営業利益4,200円を達成するための販売数量を「X」としている。

損益計算書(直接原価計算)

Ⅰ.売上高 200X
Ⅱ.変動費 60X
  貢献利益 140X
Ⅲ.固定費 2,100
  営業利益 4,200

これを数式にすると、

140X − 2,100 = 4,200 ……①

となる。

ここまではわかる。

問題は、

「で、このXをどうやって求めるんだっけ?」

というところである。



😸まず「Xだけを左側に残す」と考える

方程式を解くときは、基本的に、

「=」の左側にX(またはS)を残し、「=」の右側に数字を集める

と考える。

今回の式は、

140X − 2,100 = 4,200

となっている。

Xを含んでいる「140X」は左側に残したい。

一方、「−2,100」は右側に移動させたい。

ここで覚えておきたいのが、

「=」をまたいで移動すると、符号が逆になる

というルールである。

つまり、

−2,100 → +2,100

となる。

したがって、

140X − 2,100 = 4,200

  ↓ 「−2,100」を右側へ

140X = 4,200 + 2,100 ……②

となる。

計算すると、

140X = 6,300

である。

これで左側から「−2,100」がなくなった。



😸次は「140」を右側へ移す

まだ左側には、

140X

が残っている。

「140X」と書かれていると少しわかりにくいが、これは、

140 × X

という意味である。

最終的には左側を「X」だけにしたい。

そこで今度は「140」を右側へ移す。

先ほど「−」が「+」になったのと同じように、

「×140」は「÷140」になる

と考える。

つまり、

140X = 6,300 ……③

から、

X = 6,300 ÷ 140 ……④

となる。

計算すると、

X = 45個

となる。

これで答えが出た。



😸なぜ「=」をまたぐと逆になるのか?

ここまで、

「−2,100を右側へ移すと+2,100になる」

「×140を右側へ移すと÷140になる」

と考えた。

これは方程式を解くときの便利な覚え方だが、厳密には数字そのものが「=」をまたいで変身しているわけではない。

方程式では、

「=」の左右に同じことをしても、等しい関係は変わらない

という性質を使っている。

たとえば、

140X − 2,100 = 4,200

の左側から「−2,100」を消したければ、左右両方に2,100を足す。

すると、

140X − 2,100 + 2,100
= 4,200 + 2,100

左側の、

−2,100 + 2,100

は0になるので、

140X = 6,300

となる。

さらに「140×X」の140を消すため、今度は左右を140で割る。

140X ÷ 140
= 6,300 ÷ 140

すると左側はXだけになり、

X = 45

となる。

つまり「=をまたぐと逆になる」というのは、

左右に同じ計算をした結果を簡単に表現したもの

と考えるとよさそうだ。



😸「逆の計算」を覚えておく

方程式を解くときは、

Xを一人にするために、邪魔な数字を逆の計算で消していく

と考えるとわかりやすい。

覚えておく組み合わせは、

+ ↔ −

× ↔ ÷

である。

今回なら、

140X − 2,100 = 4,200

まず「−2,100」を消すために「+2,100」。

140X = 6,300

次に「×140」を消すために「÷140」。

X = 45

という流れになる。



😸「S」の場合でも同じ

CVP分析では販売数量を「X」とするだけでなく、売上高を「S」として計算することもある。

しかし、文字がXからSに変わっても方程式の解き方は同じ。

たとえば、

0.7S − 2,100 = 4,200

という式なら、

まず「−2,100」を右側へ移して、

0.7S = 4,200 + 2,100

0.7S = 6,300

次に「×0.7」を右側へ移して、

S = 6,300 ÷ 0.7

S = 9,000円

となる。

XでもSでも、

「求めたい文字だけを左側に残す」

という考え方は変わらない。



😸今回のまとめ

CVP分析でXやSを求めるとき、方程式の解き方を忘れていたら、

「求めたい文字を一人にする」

と考える。

そのために邪魔な数字を逆の計算で消していく。

−なら+
+なら−
×なら÷
÷なら×

という具合である。

今回の例なら、

140X − 2,100 = 4,200

 ↓

140X = 4,200 + 2,100

 ↓

140X = 6,300

 ↓

X = 6,300 ÷ 140

 ↓

X = 45個

となる。

「=をまたぐと符号や計算が逆になる」と覚えてもよいが、その正体は、

方程式の左右に同じ計算をして、X以外の数字を消している

ということだった。

簿記2級の勉強をしていて、懐かしい方程式の復習をした。

しかし、CVP分析では方程式を使う場面が何度も出てくる。

ここで一度基本に戻っておけば、これから「X」や「S」が出てきても、戸惑わずに済むだろう。

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