問題 46|50代の資格挑戦・学習記録 #127
直接材料費・直接労務費・製造間接費の差異をまとめて分析する──
簿記2級取得に向けて、毎日少しずつ勉強を続けている。
今回は、第12章「標準原価計算」から、3つの原価要素について、それぞれの差異を計算・分析する問題に取り組む。
これまで個別に学習してきた直接材料費差異、直接労務費差異、製造間接費差異を、ひとつの問題でまとめて確認する。
それぞれの計算方法を整理しながら、標準原価と実際原価の違いがどこから生じているのかを分析していく。
問題 46|標準原価計算
当社は製品Rを製造している。次の資料にもとづいて、各問いに答える。
[資料]
⑴ 製品1個あたりの標準原価
標準原価カード
* 標準直接材料費:@120円 × 10kg = 1,200円
* 標準直接労務費:@150円 × 2時間 = 300円
* 標準製造間接費:@?円 × 2時間 = ?円
* 製品1個あたり標準原価:?円
⑵ 製造間接費の配賦基準
製造間接費は直接作業時間を基準に標準配賦している。
* 変動費率:@100円
* 年間固定費予算額:450,000円
* 年間正常作業時間(基準操業度):3,000時間
⑶ 当月の生産・販売量
100個
⑷ 当月の原価要素別実際発生額
* 直接材料費:132,000円(@110円 × 1,200kg)
* 直接労務費:33,440円(@152円 × 220時間)
* 製造間接費:59,450円
問1|直接材料費差異の分析
まずは、直接材料費差異を計算する。
製品1個あたりの標準消費量は10kg、生産量は100個なので、標準消費量は次のとおり。
10kg × 100個 = 1,000kg
標準直接材料費は、
@120円 × 1,000kg = 120,000円
実際直接材料費は132,000円なので、総差異は、
120,000円 − 132,000円 = △12,000円
直接材料費差異:12,000円(借方差異)
次に、価格差異と数量差異に分けて分析する。
⑴ 価格差異
(標準単価 − 実際単価)× 実際消費量
(@120円 − @110円)× 1,200kg
= 12,000円(貸方差異)
実際単価が標準単価より10円安かったため、有利な差異となった。
⑵ 数量差異
標準単価 ×(標準消費量 − 実際消費量)
@120円 ×(1,000kg − 1,200kg)
= △24,000円(借方差異)
実際消費量が標準消費量より200kg多かったため、不利な差異となった。
価格差異12,000円と数量差異△24,000円を合計すると、総差異△12,000円と一致する。
材料を安く購入できても、標準より多く消費すれば、結果として原価が増加することが確認できた。
問2|直接労務費差異の分析
続いて、直接労務費差異を計算する。
製品1個あたりの標準直接作業時間は2時間なので、100個の生産に必要な標準直接作業時間は、
2時間 × 100個 = 200時間
標準直接労務費は、
@150円 × 200時間 = 30,000円
実際直接労務費は33,440円なので、
30,000円 − 33,440円 = △3,440円
直接労務費差異:3,440円(借方差異)
これを賃率差異と時間差異に分けて分析する。
⑴ 賃率差異
(標準賃率 − 実際賃率)× 実際直接作業時間
(@150円 − @152円)× 220時間
= △440円(借方差異)
実際賃率が標準賃率より2円高かったため、不利な差異となった。
⑵ 時間差異
標準賃率 ×(標準直接作業時間 − 実際直接作業時間)
@150円 ×(200時間 − 220時間)
= △3,000円(借方差異)
実際直接作業時間が標準より20時間多かったため、不利な差異となった。
賃率差異△440円と時間差異△3,000円を合計すると、総差異△3,440円と一致する。
直接材料費差異と同じように、単価に相当する賃率と、数量に相当する作業時間に分けて考えることで、差異の原因を把握できる。
問3|製造間接費差異の分析
最後は、製造間接費差異を公式法変動予算によって分析する。
今回は、能率差異に変動費部分と固定費部分の両方を含める方法を用いる。
まず、製造間接費の標準配賦率を求める。
⑴ 標準配賦率の計算
年間固定費予算額450,000円を、年間正常作業時間3,000時間で割る。
450,000円 ÷ 3,000時間 = @150円
これが固定費率となる。
変動費率は@100円なので、
@100円 + @150円 = @250円
標準配賦率:@250円
したがって、製品1個あたりの標準製造間接費は、
@250円 × 2時間 = 500円
製品1個あたりの標準原価は、
1,200円 + 300円 + 500円 = 2,000円
となる。
⑵ 製造間接費差異(総差異)
標準配賦額は、
@250円 × 200時間 = 50,000円
実際発生額は59,450円なので、
50,000円 − 59,450円 = △9,450円
製造間接費差異:9,450円(借方差異)
次に、予算差異、操業度差異、能率差異に分けて分析する。
⑶ 予算差異
まず、月間固定費予算額を求める。
450,000円 ÷ 12か月 = 37,500円
実際直接作業時間220時間に対する予算許容額は、
@100円 × 220時間 + 37,500円
= 59,500円
予算差異は、
59,500円 − 59,450円 = 50円
予算差異:50円(貸方差異)
実際発生額が予算許容額を50円下回ったため、有利な差異となった。
⑷ 操業度差異
月間の基準操業度は、
3,000時間 ÷ 12か月 = 250時間
操業度差異は、
固定費率 ×(実際直接作業時間 − 基準操業度)
@150円 ×(220時間 − 250時間)
= △4,500円
操業度差異:4,500円(借方差異)
実際直接作業時間が基準操業度より30時間少なかったため、不利な差異となった。
⑸ 能率差異
今回は、能率差異を変動費部分と固定費部分の両方を含めて計算する。
そのため、変動費率だけではなく、標準配賦率@250円を使用する。
標準配賦率 ×(標準直接作業時間 − 実際直接作業時間)
@250円 ×(200時間 − 220時間)
= △5,000円
能率差異:5,000円(借方差異)
実際直接作業時間が標準より20時間多かったため、不利な差異となった。
最後に3つの差異を合計する。
50円 − 4,500円 − 5,000円 = △9,450円
総差異と一致した。
今回の学び
今回は、直接材料費差異、直接労務費差異、製造間接費差異をまとめて計算した。
それぞれの差異分析には共通する考え方がある。
直接材料費では価格と数量、直接労務費では賃率と時間に分けて分析する。そして製造間接費では、予算、操業度、能率という3つの観点から差異を把握する。
今回、特に注意したいと感じたのは、製造間接費の能率差異だ。
前回の問題では、能率差異を標準配賦率で計算する方法を学んだが、今回は変動費部分と固定費部分の両方を含めることが明示されている。
同じ公式法変動予算でも、能率差異に固定費部分を含めるかどうかによって、差異の分析方法が変わる。
また、今回の計算では、直接材料費、直接労務費、製造間接費のすべてで借方差異が発生した。
特に目立つのは、材料の消費量と作業時間が標準を上回っていることだ。
単に実際原価が標準原価より高かったという結果だけでなく、どこに原因があるのかを数字で確認できることが、標準原価計算の重要な役割なのだと思う。
個別に学習してきた内容を組み合わせることで、差異分析の全体像が少しずつ見えてきた。
引き続き、理解を深めながら学習を続けていきたい。
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