問題 45|50代の資格挑戦・学習記録 #126
製造間接費差異を、予算・操業度・能率の3つに分けて分析する──
簿記2級取得に向けて、毎日少しずつ勉強を続けている。
今回は、第12章「標準原価計算」から、製造間接費差異の分析についての問題に取り組む。
前回は直接労務費差異を、賃率差異と作業時間差異に分けて分析した。今回は製造間接費について、公式法変動予算を用いて差異を分析していく。
製造間接費は、直接材料費や直接労務費と違い、変動費と固定費が含まれている。そのため、差異の分析も少し複雑になる。
それぞれの差異が何を意味しているのかを確認しながら、計算を進めていこう。
問題 45|標準原価計算
当社は標準原価計算を採用している。次の資料にもとづいて、公式法変動予算を前提にして製造間接費差異を分析せよ。
なお、能率差異は標準配賦率に標準直接作業時間と実際直接作業時間の差を掛けて計算すること。
[資料]
⑴ 製品1個あたりの標準製造間接費は次のとおり。製造間接費は直接作業時間を基準に標準配賦している。
標準製造間接費:@40円 × 5時間 = 200円
* 標準配賦率:@40円
* 標準直接作業時間:5時間
⑵ 製造間接費の月間予算額は60,000円であり、その内訳は次のとおり。
* 変動費率:@10円
* 固定費予算額:45,000円
* 月間基準操業度:1,500時間
⑶ 当月の実績は次のとおり。
* 標準直接作業時間:1,450時間
* 製造間接費実際発生額:58,500円
* 実際直接作業時間:1,400時間
以上の資料から、製造間接費差異(総差異)、予算差異、操業度差異、能率差異を求める。
解答 45|製造間接費差異の分析
⑴ 製造間接費差異(総差異)
まずは、製造間接費全体の差異を計算する。
製造間接費差異は、標準製造間接費から実際発生額を差し引いて求める。
標準製造間接費 = 標準配賦率 × 標準直接作業時間
@40円 × 1,450時間 = 58,000円
製造間接費差異 = 標準製造間接費 − 実際発生額
58,000円 − 58,500円 = △500円
答え:500円(不利差異)
標準では58,000円で済むはずだった製造間接費が、実際には58,500円発生している。
つまり、標準より500円多くかかったため、不利差異となる。
⑵ 予算差異
次に、予算差異を求める。
公式法変動予算では、製造間接費を変動費と固定費に分けて考える。
変動費は操業度に応じて増減するが、固定費は操業度にかかわらず一定とする。
そのため、まず実際操業度に対応する予算許容額を計算する。
予算許容額 = 変動費率 × 実際操業度 + 固定費予算額
@10円 × 1,400時間 + 45,000円
= 14,000円 + 45,000円
= 59,000円
この予算許容額と実際発生額を比較する。
予算差異 = 予算許容額 − 実際発生額
59,000円 − 58,500円 = 500円
答え:500円(有利差異)
実際操業度に対応する予算額は59,000円だったが、実際には58,500円しか発生していない。
つまり、予算より500円少なく済んだため、有利差異となる。
⑶ 操業度差異
続いて、操業度差異を計算する。
操業度差異は、実際操業度と基準操業度の違いによって生じる差異だ。
まず、固定費率を求める。
固定費率 = 固定費予算額 ÷ 基準操業度
45,000円 ÷ 1,500時間 = @30円
次に、操業度差異を計算する。
操業度差異 = 固定費率 ×(実際操業度 − 基準操業度)
@30円 ×(1,400時間 − 1,500時間)
= @30円 ×(△100時間)
= △3,000円
答え:3,000円(不利差異)
基準操業度は1,500時間だったが、実際には1,400時間しか稼働していない。
固定費は操業度が下がっても基本的には変わらないため、稼働時間が少ないほど、予定していた固定費の配賦額を回収できなくなる。
今回は基準より100時間少なかったため、3,000円の不利差異となる。
⑷ 能率差異
最後に、能率差異を計算する。
能率差異は、標準作業時間と実際作業時間の違いによって生じる差異だ。
今回の問題では、標準配賦率を使って計算するよう指定されている。
能率差異 = 標準配賦率 ×(標準直接作業時間 − 実際直接作業時間)
@40円 ×(1,450時間 − 1,400時間)
= @40円 × 50時間
= 2,000円
答え:2,000円(有利差異)
標準では1,450時間かかるはずだった作業が、実際には1,400時間で済んでいる。
つまり、標準より50時間短い作業時間で生産できたため、2,000円の有利差異となる。
差異の合計を確認する
最後に、3つの差異を合計して、製造間接費差異(総差異)と一致するか確認する。
差異 金額 判定
予算差異 500円 有利
操業度差異 3,000円 不利
能率差異 2,000円 有利
合計 500円 不利
有利差異をプラス、不利差異をマイナスとして計算すると、
500円 − 3,000円 + 2,000円 = △500円
最初に求めた製造間接費差異(総差異)の△500円と一致した。
これで計算が正しいことを確認できた。
今回の学び
今回の問題では、製造間接費差異を3つの要素に分けて分析した。
予算差異は、実際の製造間接費が予算の範囲内に収まっているかを示す。
操業度差異は、基準としていた操業度に対して、実際にどれだけ稼働したかによって生じる。
能率差異は、標準作業時間に対して、実際の作業時間がどれだけ多かったか、あるいは少なかったかを示す。
今回は予算差異と能率差異が有利だった一方で、操業度差異が大きく不利となった。
作業そのものは標準より効率よく進み、製造間接費も予算許容額より少なく済んでいた。しかし、基準操業度に達しなかったことで、結果として総差異は不利になっている。
このように、単に製造間接費が標準より多かった、少なかったというだけでは、その原因までは分からない。
差異を分解することで、何が良くて何が悪かったのかが見えてくる。
また、今回は能率差異の計算に標準配賦率を使用したが、問題によっては変動費率を使う場合もあるため、計算条件をよく確認する必要がある。
公式法変動予算による差異分析は、公式が複数あるため少し複雑に感じるが、それぞれの差異が持つ意味を理解すれば、覚えやすくなると思う。
引き続き、問題演習を通して理解を深めていきたい。
今日も一歩前進。
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