株式の発行|50代の資格挑戦・学習記録 #145
日商簿記2級の合格を目指して、商業簿記の学習を進めている。
前回は、株式会社の仕組みと株主について学んだ。今回は、会社を設立して株式を発行したときの仕訳について学習する。
株式会社は、株式を発行することで出資者から資金を集める。このとき、集めた資金をどのように会計処理するかが今回のポイントとなる。
まずは、次の取引を考えてみる。
【CASE 2】会社を設立して株式を発行したときの仕訳
N株式会社は、会社の設立にあたって株式100株を1株あたり10円で発行し、全株式の払い込みを受けた。払込金額は普通預金とした。
この場合、会社が受け取った金額は、
10円×100株=1,000円
となる。
株式を発行して払い込みを受けたときは、原則として払込金額の全額を「資本金」として処理する。
資本金は純資産に分類される勘定科目であり、増加した場合は貸方に記入する。一方、普通預金は資産なので、増加した場合は借方に記入する。
したがって、仕訳は次のようになる。
【原則による仕訳】
(借方)普通預金 1,000円
(貸方)資本金 1,000円
これが株式を発行したときの基本的な仕訳となる。
試験では、特に指示がなければ、この原則に従って処理すればよい。
ただし、株式を発行したときの会計処理には、もう一つ認められている方法がある。
会社法では、払込金額のうち、2分の1を超えない金額を資本金に組み入れず、「資本準備金」とすることが認められている。
つまり、払込金額の最低2分の1を資本金とし、残りを資本準備金として処理することもできる。
資本準備金も資本金と同じく純資産に分類される勘定科目であり、増加した場合は貸方に記入する。
先ほどのCASE 2を、資本金を会社法で認められる最低額とする方法で処理してみる。
払込金額は1,000円なので、
資本金:1,000円×1/2=500円
資本準備金:1,000円−500円=500円
となる。
したがって、仕訳は次のようになる。
【容認される方法による仕訳】
(借方)普通預金 1,000円
(貸方)資本金 500円
(貸方)資本準備金 500円
借方の普通預金1,000円に対して、貸方は資本金500円と資本準備金500円の合計1,000円となり、貸借が一致する。
ここで重要なのは、資本金も資本準備金も純資産であるということだ。
会社が株式を発行して受け取った1,000円という金額自体は変わらない。違うのは、その金額を資本金と資本準備金にどのように振り分けるかという点である。
試験では、「払込金額のうち会社法で認められている最低額を資本金とする」といった指示があれば、払込金額の2分の1を資本金、残額を資本準備金として処理する。
逆に、そのような指示がなければ、全額を資本金として処理する。
今回の重要ポイントを整理しておく。
【株式を発行したときの処理】
* 原則:払込金額の全額を資本金として処理する。
* 容認:払込金額の最低2分の1を資本金とし、資本金に組み入れなかった残額を資本準備金として処理できる。
* 試験対策:特に指示がなければ原則処理。「会社法で認められる最低額」とあれば、払込金額の2分の1を資本金とする。
工業簿記では、製造原価の計算や差異分析など、複雑な計算を伴う問題が多かった。それに比べると、今回の仕訳は比較的シンプルに感じる。
しかし、商業簿記では勘定科目の意味や、取引によって資産・負債・純資産がどのように増減するかを正確に理解しておくことが重要になる。
単に仕訳の形を暗記するのではなく、なぜ借方に普通預金、貸方に資本金や資本準備金を記入するのかを理解しておきたい。
一つひとつの基本を確実に積み重ねながら、引き続き学習を進めていこうと思う。
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