標準原価計算の勘定記入|50代の資格挑戦・学習記録 #74
標準と実際の「ズレ」を、どこで把握するか──
今回学んだのは、標準原価計算における勘定記入である。
これまで、標準原価と実際原価との差額である「原価差異」について学び、その差異を直接材料費・直接労務費・製造間接費に分けて分析してきた。
では、その標準原価と実際原価を、実際の帳簿にはどのように記入するのだろうか。
標準原価計算の勘定記入には、
* パーシャル・プラン
* シングル・プラン
という2つの方法がある。
違いは意外とシンプルで、
仕掛品勘定の「当月製造費用」を実際原価で記入するか、標準原価で記入するか
である。
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😸CASE 67
今回の例では、次の資料を使う。
標準原価
月初仕掛品:3,500円
完成品:25,000円
月末仕掛品:7,000円
当月製造費用
直接材料費
標準原価:12,000円
実際原価:@51円×242枚=12,342円
直接労務費
標準原価:6,600円
実際原価:@25円×250時間=6,250円
製造間接費
標準原価:9,900円
実際原価:10,000円
これらを使って、パーシャル・プランとシングル・プランによる勘定記入を考えていく。
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😸2つの勘定記入の方法
標準原価計算では、仕掛品勘定の、
* 月初仕掛品原価
* 完成品原価
* 月末仕掛品原価
については、どちらの方法でも標準原価で記入する。
また、完成品が振り替えられる製品勘定もすべて標準原価で記入する。
違いが生じるのは、仕掛品勘定に記入する「当月製造費用」である。
パーシャル・プランでは、当月製造費用を実際原価で記入する。
一方、シングル・プランでは、当月製造費用を標準原価で記入する。
つまり、
パーシャル・プラン=仕掛品に実際原価を投入
シングル・プラン=仕掛品に標準原価を投入
と覚えるとわかりやすい。
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😸パーシャル・プラン
パーシャル・プランでは、仕掛品勘定の当月製造費用を実際原価で記入する。
CASE 67では、
直接材料費:12,342円
直接労務費:6,250円
製造間接費:10,000円
となる。
したがって、仕掛品勘定の借方は、
月初仕掛品:3,500円
材料:12,342円
賃金:6,250円
製造間接費:10,000円
合計32,092円となる。
一方、貸方の完成品と月末仕掛品は標準原価なので、
完成品:25,000円
月末仕掛品:7,000円
合計32,000円となる。
すると、
32,092円-32,000円=92円
の差額が生じる。
これが原価差異92円である。
つまりパーシャル・プランでは、当月製造費用を実際原価で仕掛品勘定に入れ、完成品や月末仕掛品を標準原価で出していくため、
原価差異は仕掛品勘定で把握される
ことになる。
「実際にかかった原価」をいったん仕掛品に集め、そこから標準原価との差を見つけるイメージである。
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😸シングル・プラン
一方、シングル・プランでは、仕掛品勘定の当月製造費用を標準原価で記入する。
CASE 67では、
直接材料費:12,000円
直接労務費:6,600円
製造間接費:9,900円
となる。
したがって仕掛品勘定は、
月初仕掛品:3,500円
材料:12,000円
賃金:6,600円
製造間接費:9,900円
合計32,000円。
貸方も、
完成品:25,000円
月末仕掛品:7,000円
合計32,000円となる。
つまり、仕掛品勘定の中では借方と貸方がピッタリ一致し、原価差異は出てこない。
では、標準原価と実際原価との差はどこへ行ったのだろうか。
シングル・プランでは、原価差異を材料・賃金・製造間接費という各原価要素の勘定で把握する。
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😸シングル・プランでは差異を先に分ける
直接材料費を見ると、
実際原価:12,342円
標準原価:12,000円
なので、
12,342円-12,000円=342円
の差異が生じている。
直接労務費は、
実際原価:6,250円
標準原価:6,600円
なので、
6,600円-6,250円=350円
の差異。
製造間接費は、
実際原価:10,000円
標準原価:9,900円
なので、
10,000円-9,900円=100円
の差異となる。
これらを合計すると、
342円-350円+100円=92円
となり、最終的な原価差異はパーシャル・プランと同じ92円になる。
違うのは、差異をどこで把握するかという点である。
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😸パーシャルとシングルの違い
今回のポイントを整理すると、
パーシャル・プラン
仕掛品の当月製造費用
→ 実際原価で記入
原価差異
→ 仕掛品勘定で把握
シングル・プラン
仕掛品の当月製造費用
→ 標準原価で記入
原価差異
→ 材料・賃金・製造間接費など各原価要素の勘定で把握
という違いになる。
最終的に把握される原価差異そのものは同じでも、どの段階で標準原価に切り替えるかが違うわけである。
パーシャル・プランは、実際原価を仕掛品まで持っていってから差異を把握する。
シングル・プランは、仕掛品へ振り替える前に各原価要素で差異を把握し、仕掛品には最初から標準原価だけを入れる。
図で見ると、この違いがかなり理解しやすかった。
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😸今回の学び
今回学んだ「パーシャル・プラン」と「シングル・プラン」は、最初は名前だけを見るとややこしく感じる。
しかし結局のところ、注目するのは仕掛品勘定の当月製造費用である。
実際原価ならパーシャル。
標準原価ならシングル。
そして、
パーシャルは仕掛品で差異を把握。
シングルは各原価要素で差異を把握。
ここまで整理すると、かなりシンプルである。
これまで学んできた価格差異、数量差異、賃率差異、時間差異、予算差異、操業度差異、能率差異なども、単に計算するだけではなく、最終的にはこうして帳簿上に表れてくる。
標準原価計算の「計算」と「勘定記入」が、ようやく一本につながってきた。
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