問題 48|50代の資格挑戦・学習記録 #129
パーシャル・プランとシングル・プランの違いを理解する──
簿記2級取得に向けて、毎日少しずつ勉強を続けている。
今回は、第12章「標準原価計算」から、パーシャル・プランとシングル・プランによる仕掛品勘定の記入についての問題に取り組む。
どちらも標準原価計算で用いられる方法だが、仕掛品勘定に記入する金額が異なる。
パーシャル・プランでは当月の実際原価を記入し、シングル・プランでは当月の標準原価を記入する。
今回は、この違いを確認しながら、それぞれの仕掛品勘定を完成させていく。
問題 48|標準原価計算
当社は標準原価計算を採用している。次の資料にもとづいて、①パーシャル・プランと②シングル・プランによる仕掛品勘定の記入を行え。
資料
⑴ 製品1個あたりの標準原価
項目 計算 標準原価
標準直接材料費 @10円 × 10kg 100円
標準直接労務費 @30円 × 5時間 150円
標準製造間接費 @40円 × 5時間 200円
合計 450円
⑵ 当月の生産データ
* 月初仕掛品:50個(20%)
* 当月投入:300個
* 合計:350個
* 月末仕掛品:100個(50%)
* 完成品:250個
※直接材料はすべて工程の始点で投入される。
※( )内は加工進捗度を示す。
⑶ 当月の実際原価発生額
* 実際直接材料費:@11円 × 3,100kg = 34,100円
* 実際直接労務費:@28円 × 1,400時間 = 39,200円
* 実際製造間接費:58,500円
解答・解説
① パーシャル・プラン
パーシャル・プランでは、当月に発生した原価を実際原価で仕掛品勘定の借方に記入する。
一方、完成品原価と月末仕掛品原価は標準原価で計算する。
そのため、借方と貸方の差額が原価差異となる。
まず、月初仕掛品の標準原価を確認する。
直接材料費は工程の始点で全額投入されるため、
50個 × 100円 = 5,000円
加工費は進捗度20%を考慮する。
50個 × 20% ×(150円 + 200円)= 3,500円
したがって、
月初仕掛品原価 = 5,000円 + 3,500円 = 8,500円
次に、完成品原価を計算する。
250個 × 450円 = 112,500円
月末仕掛品原価については、直接材料費と加工費を分けて計算する。
直接材料費:
100個 × 100円 = 10,000円
加工費:
100個 × 50% ×(150円 + 200円)= 17,500円
したがって、
月末仕掛品原価 = 10,000円 + 17,500円 = 27,500円
ここまでの計算は、パーシャル・プランとシングル・プランで共通となる。
続いて、パーシャル・プランの仕掛品勘定を完成させる。
仕掛品(単位:円)
借方 金額 貸方 金額
月初有高 8,500 完成品原価 112,500
直接材料費 34,100 月末有高 27,500
直接労務費 39,200 原価差異 300
製造間接費 58,500
合計 140,300 合計 140,300
借方合計は、
8,500円 + 34,100円 + 39,200円 + 58,500円 = 140,300円
一方、完成品原価と月末仕掛品原価の合計は、
112,500円 + 27,500円 = 140,000円
差額は、
140,300円 − 140,000円 = 300円
実際原価の方が標準原価より300円多いため、不利差異となる。
仕掛品勘定では、借方と貸方を一致させるため、原価差異300円を貸方に記入する。
② シングル・プラン
シングル・プランでは、仕掛品勘定への当月原価の記入を標準原価で行う。
つまり、直接材料費、直接労務費、製造間接費のすべてを標準原価で計算する。
まず、直接材料費を求める。
当月投入数量は300個なので、
300個 × 100円 = 30,000円
次に、直接労務費を計算する。
加工費については、当月の作業量を完成品換算量で求める必要がある。
当月の加工換算量は、
完成品250個 + 月末仕掛品100個 × 50% − 月初仕掛品50個 × 20%
= 250個 + 50個 − 10個
= 290個
したがって、標準直接労務費は、
290個 × 150円 = 43,500円
同様に、標準製造間接費は、
290個 × 200円 = 58,000円
これらを仕掛品勘定に記入する。
仕掛品(単位:円)
借方 金額 貸方 金額
月初有高 8,500 完成品原価 112,500
直接材料費 30,000 月末有高 27,500
直接労務費 43,500
製造間接費 58,000
合計 140,000 合計 140,000
シングル・プランでは、借方も貸方も標準原価で記入されるため、仕掛品勘定には原価差異が生じない。
なお、原価差異そのものがなくなるわけではない。実際原価と標準原価との差額は、材料、賃金・給料、製造間接費などの勘定で把握することになる。
今回の学び
今回の問題では、パーシャル・プランとシングル・プランの違いを確認することができた。
ポイントは、仕掛品勘定の借方に何を記入するかということだ。
パーシャル・プラン
当月の実際原価を借方に記入し、完成品原価と月末仕掛品原価を標準原価で貸方に記入する。その差額が原価差異となる。
シングル・プラン
当月の標準原価を借方に記入するため、仕掛品勘定の中では原価差異が発生しない。
また、直接材料費は当月投入数量を基準に計算する一方、加工費は月初・月末仕掛品の進捗度を考慮して当月の完成品換算量を求める必要がある。
ここを混同しないことも重要だと感じた。
標準原価計算は、これまで学んできた原価計算の知識が土台になっている。個々の計算方法だけでなく、勘定科目間で原価がどのように流れていくのかを理解することが大切なのだろう。
引き続き、問題演習を通して理解を深めていきたい。
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