問題 44|50代の資格挑戦・学習記録 #125

標準賃率と実際賃率、標準作業時間と実際作業時間の違いから、直接労務費差異を分析する──

簿記2級取得に向けて、毎日少しずつ勉強を続けている。

今回は、第12章「標準原価計算」から、直接労務費差異の分析についての問題に取り組む。

前回は直接材料費差異を分析したが、今回は直接労務費について考える。

直接労務費差異は、賃率の違いによって生じる「賃率差異」と、作業時間の違いによって生じる「時間差異」に分けられる。

それぞれの差異を計算し、有利差異か不利差異かを確認していく。

問題 44|標準原価計算

当社は標準原価計算を採用している。次の資料にもとづいて、直接労務費差異を分析せよ。

【資料】

⑴ 製品1個あたりの標準直接労務費

標準直接労務費:

@30円 × 5時間 = 150円

* 標準賃率:@30円
* 標準直接作業時間:5時間

⑵ 当月の生産データ

項目 数量
月初仕掛品 50個(20%)
当月投入 300個
合計 350個
月末仕掛品 100個(50%)
完成品 250個

※1 直接材料はすべて工程の始点で投入される。

※2 ( )内は加工進捗度を示す。

⑶ 当月の実際直接労務費

実際直接労務費:

@28円 × 1,400時間 = 39,200円

解答・解説

まずは、当月の生産量から標準直接作業時間を求める。

直接労務費は加工の進捗に応じて発生するため、完成品だけでなく、月初・月末仕掛品の加工進捗度を考慮する必要がある。

① 加工費の当月投入量を求める

月末仕掛品の完成品換算量:

100個 × 50% = 50個

月初仕掛品の完成品換算量:

50個 × 20% = 10個

したがって、加工費の当月投入量は、

250個 + 50個 − 10個 = 290個

となる。

② 標準直接作業時間を求める

製品1個あたりの標準直接作業時間は5時間なので、

5時間 × 290個 = 1,450時間

これが当月の生産量に対する標準直接作業時間となる。

③ 標準直接労務費を求める

標準賃率は@30円なので、

@30円 × 1,450時間 = 43,500円

一方、実際直接労務費は39,200円である。

この2つを比較して差異を分析する。

⑴ 直接労務費差異(総差異)

直接労務費差異は、標準直接労務費から実際直接労務費を差し引いて求める。

43,500円 − 39,200円 = 4,300円(有利差異)

標準より実際の直接労務費が少なかったため、有利差異となる。

⑵ 賃率差異

賃率差異は、標準賃率と実際賃率の違いによって生じる差異である。

計算式は、

(標準賃率 − 実際賃率)× 実際直接作業時間

となる。

(@30円 − @28円)× 1,400時間

= 2,800円(有利差異)

標準では1時間あたり30円を想定していたが、実際には28円で済んでいる。

そのため、賃率差異は有利差異となる。

⑶ 時間差異

時間差異は、標準直接作業時間と実際直接作業時間の違いによって生じる差異である。

計算式は、

標準賃率 ×(標準直接作業時間 − 実際直接作業時間)

となる。

@30円 ×(1,450時間 − 1,400時間)

= 1,500円(有利差異)

標準では1,450時間かかるところを、実際には1,400時間で作業を終えている。

標準より50時間短く済んだため、時間差異も有利差異となる。

差異の確認

最後に、賃率差異と時間差異の合計が、直接労務費差異(総差異)と一致するか確認する。

2,800円 + 1,500円 = 4,300円

総差異と一致した。

今回の解答をまとめると、次のようになる。

項目 差異 判定
直接労務費差異(総差異) 4,300円 有利
賃率差異 2,800円 有利
時間差異 1,500円 有利

今回の学び

今回の問題では、直接労務費差異を賃率差異と時間差異に分けて分析した。

前回の直接材料費差異では、価格差異と数量差異を求めたが、基本的な考え方は同じである。

材料費では「単価」と「消費量」、労務費では「賃率」と「作業時間」を比較する。

また、直接労務費の標準作業時間を求める際には、加工費の当月投入量を完成品換算量で計算する必要がある。

今回のポイントは、次の3つ。

* 標準直接作業時間は、加工費の当月投入量から求める。
* 賃率差異は実際作業時間を、時間差異は標準賃率を使って計算する。
* 賃率差異と時間差異の合計は、直接労務費差異(総差異)と一致する。

計算そのものはそれほど複雑ではないが、標準と実際のどちらの数値を使うのかを間違えないようにしたい。

標準原価計算は、単に原価を求めるだけでなく、実際の原価との差を分析し、その原因を把握するためのものだ。

今回の例では、賃率も作業時間も標準を下回り、どちらも有利差異となった。ただし、有利差異だからといって、必ずしも問題がないとは限らない。賃率が低くなった理由や、作業時間が短縮された背景まで確認することが、本来の原価管理につながるのだろう。

引き続き、問題演習を通して理解を深めていきたい。

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