武術家が学ぶ工業簿記の基礎知識|原価計算・簿記学習 #3
少しずつ工業簿記を学び進めている。
前回は、工業簿記とは「物が形を変えていく流れを追いかける学問」だと感じたという話を書いた。そして今回学んだのは、その流れを数字として捉えるための「原価」という考え方である。
最初は、原価とは単純に材料代のことだと思っていた。しかし実際には、ずっと広い意味を持っている。
例えば、商品を作るために使った材料費や人件費だけではなく、それを販売するための広告費や販売員の給料、本社建物の減価償却費のような管理部門の費用も含めて考える場面がある。
製品を作るために直接かかった費用を「製造原価」と呼び、それに販売費や一般管理費まで加えたものを「総原価」と呼ぶそうだ。
一方で、会社が銀行に支払う利息や社債利息、火災による損失などは原価には含まれない。これらは「非原価項目」と呼ばれ、損益計算書では営業外費用や特別損失として扱われる。
つまり工業簿記では、「商品を作り、売るために通常必要なコスト」と、「偶発的な損失や資金調達に関わる費用」を明確に分けて考えているのである。
この考え方は、武術にもどこか似ている気がした。
例えば、站樁(タントウ:立禅)や基本功、歩法や推手といった基礎鍛錬は、強くなるための「必要原価」である。ところが、無駄な力みや見栄による無理な稽古、怪我による長期離脱は、本来の成長には直接結びつかない。工業簿記でいう非原価項目のようなものかもしれない。(違うかも 笑)
さらに製造原価にも分類がある。
一つ目は「何を使って製品を作ったか」という形態による分類で、材料費、労務費、経費の三つに分けられる。
材料そのものが材料費。製品を作る人の給料が労務費。そして電気代や水道代、工場設備の使用料など、それ以外のものが経費である。
覚え方としては、とても単純だった。
モノは材料費。
ヒトは労務費。
それ以外は経費。
こうやって整理すると、一見難しそうな工業簿記も、実は現実世界をそのまま分類しているだけなのだと分かる。
もう一つの分類は、「製品との関係」で考える方法である。
製品一つあたりにいくら使ったかがはっきり分かるものを製造直接費、どの商品にどれだけ使われたかが明確でないものを製造間接費という。
例えば、一本の木材を使って椅子を作れば、その木材代は直接費である。しかし工場全体の照明代や空調代は、どの椅子に何円使われたか正確には分からない。そのため間接費として扱われる。
武術でも、一回の稽古で明確に得られる技術もあれば、長年積み重ねることで少しずつ培われる姿勢や気力、集中力のようなものもある。直接的に数字では測れないが、確実に全体を支えているものが存在する。その意味では、間接費という考え方も非常に面白い。
今回学んで、もう一つ印象に残ったのが「期間」の考え方だった。
原価計算を行う期間を原価計算期間といい、多くは一か月単位で区切られる。一方、会社全体の成績をまとめる会計期間は、通常一年間である。
毎月の積み重ねが一年の決算につながるという構造は、日々の稽古が一年後の自分を作る武術にもよく似ている。
そして、製造途中の製品は「仕掛品」と呼ばれる。
まだ完成していない。しかし、確実に価値を積み上げている途中の存在である。
この言葉を見た時、少しだけ自分自身を重ねてしまった。
五十歳になって工業簿記を学び始めた私も、まだまだ仕掛品である。
武術も、仕事も、学びも、人間としての成長も、すべて完成には程遠い。
けれど、毎日少しずつ材料を集め、人の力を借り、目には見えない多くの支えを受けながら、自分という作品を作り続けている。
工業簿記は単なる計算技術ではなく、「価値がどのように生まれ、積み重なっていくのか」を見つめる学問なのかもしれない。そう考えると、武術師範の私にとっても、非常に興味深い世界に思えてきた。
=======
自分という作品をより良くするための
瞑想トレーニングに興味がある方はこちら
↓ ↓ ↓
LINEオープンチャット
「武術瞑想トレーニング交流会」
著作物紹介:
※kindle unlimited にご登録中の方は全て無料で読めます。(未登録の方は30日間無料体験を使えば無料で読めます)
「リーダーのための瞑想トレーニング」
「あなたの知らない非常識な幸せの法則」
「超速化時代の冒険:AIライティングと武術気功の叡智」
「AIライティング最速出版術」
空手家との組手や演武などの動画は下記サイトでご覧いただけます。
(武術気功健康教室|大阪府四條畷市)

