政治を「人生の主軸」にしない

政治に無関心はダメ!! だが ──

政治は社会の方向性を決める重要な営みである。無関心でいるよりは一定の関心を持つほうが健全で賢明だ。しかしそれを「人生の主軸」に据えてしまうと、かえって視野が狭くなり、自分自身の生活や感情のバランスを崩す恐れがある。政治はあくまで社会を動かす一要素であって、あなたの人生そのものではないという感覚を保つことが大切だと思う。

政治は本来、生活を支える仕組みの一部に過ぎない。衣食住や人間関係、健康、仕事、学び、創造、趣味といった日常の営みこそが、人生の実体だ。それらを充実させるために政治があるのであって、政治の動向に感情や時間の大半を費やしてしまうと、本末転倒になりやすい。ニュースやSNSに触れるたびに怒りや不安を感じ続ける状態は、心のエネルギーを静かに消耗させていく。

また、政治は個人が直接コントロールできる領域が限られている。投票や意見表明といった参加手段はあるものの、結果は多くの不確定要素で変わる。そのため政治だけに希望を託したり絶望したりしてしまうと、状況に振り回されやすくなる。自分で整えられる生活習慣や人間関係、仕事の質、心や身体の状態といった領域に意識を向けたほうが、人生の手応えは確かになることが多いだろう。

さらに、政治を主軸に据えると、人間関係まで対立構造に巻き込まれやすくなる。意見の違いがそのまま人格の否定のように感じられたり、相手をラベルで判断してしまったりすることもある。しかし日常の多くの場面では、政治的立場よりも人柄や誠実さのほうがはるかに重要だ。政治的意見が違っても、信頼し合える関係はいくらでも成立する。

もちろん、政治を軽視する必要はない。社会の変化を知り、自分の考えを持ち、必要なときに行動する姿勢は大切だ。ただそれを人生の中心に据えるのではなく、自分の暮らしや成長、周囲の人との関係といった土台をしっかり持った上で関わるほうが、結果として冷静で建設的な関わり方ができるはずだ。

人生の主軸は、自分自身の生き方や価値観、日々の実践の中に置くほうが安定する。政治はその外側で環境を形づくる要素の一つとして捉え、必要な距離を保ちながら関わる。そうした姿勢のほうが、社会にも自分にも無理のない向き合い方になるのではないだろうか。

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