50代の資格挑戦|簿記2級 毎日note学習記録 #13

ほとんどの人に一番身近なお金──

今回学んだのは「労務費」だ。

工業簿記というと、材料や製品、お金の流れを扱うイメージが強かった。しかし実際には、「人」にかかる費用も非常に重要な要素になっている。

労務費とは、工場で働く人にかかる賃金や給料など、人に関する費用のことである。

まず基本になるのが「賃金」だ。工場で実際に製品を作る人を工員という。そして、その工員に支払われる給与が賃金である。

さらに工員にも役割の違いがある。

材料を切ったり、組み立てたり、実際に製品を作る作業を担当する人を「直接工」という。一方で、機械の修繕をしたり、材料や製品を運搬したりするなど、直接工を支える仕事を担当する人を「間接工」という。

ここで面白いと感じたのは、同じ工員でも、どの仕事をしているかによって扱いが変わることである。

直接工の賃金は、製品を作るために直接必要な費用なので「直接労務費」となる。しかし、間接工の賃金は製品に直接結び付かないため、「間接労務費」として扱われる。

しかも、直接工であっても、常に直接労務費になるわけではない。例えば、直接工が機械の清掃や材料運搬など、製品の製造に直接関わらない作業をしていた時間については、その分は間接労務費になるという。

いつもの、武術の比喩を出してみよう。

自由組手や立ち合いなどで戦うことだけが武術ではない。站樁(タントウ:立禅)を始めとする基本功、立つ、歩くなどの日常動作など、一見すると直接強さには繋がらなそうな活動も重要である。武術はこれらを全て含み、いちいち分けないが、会計では「直接」と「間接」をきちんと分けて考えるのだ。

また、労務費には賃金以外にもさまざまなものが含まれる。

工場の事務員や工場長など、製品の製造に直接関わらない人へ支払う「給料」。従業員へ支払う賞与や家族手当、通勤手当などの「従業員賞与手当」。将来の退職に備えて計上する「退職給付費用」。さらに、健康保険料や雇用保険料など、会社が負担する社会保険料である「法定福利費」も労務費に含まれる。

改めて考えると、会社は単に給料を払っているだけではない。人が働くために、目に見える給与以外にも、さまざまな費用を負担している。

だからこそ、「人はコストである」という冷たい意味ではなく、「人を雇うということは、それだけ大きな責任と投資を伴う」と捉え、感謝を忘れてはいけないのだろう。

50歳になって簿記を学び始めてから、お金の流れだけではなく、組織が人によって支えられていることを数字の面からも考えるようになってきた。労務費という言葉の裏には、働く人の存在そのものが見えてくる気がしている。

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