予算実績差異分析|50代の資格挑戦・学習記録 #83
予定どおりにいかなかった原因を分析する──
今回学んだのは、「予算実績差異分析」である。
企業はあらかじめ予算を立て、それにもとづいて活動する。
しかし実際に事業を行ってみると、
「予定よりも多く売れた」
「思っていた価格では売れなかった」
など、予算と実績の間にはさまざまなズレが生じる。
そこで、単に「予算と実績が違った」で終わらせず、
なぜ差が生じたのか?
を分析していくのが「予算実績差異分析」である。
今回は、その中でも売上高の差異を「販売価格差異」と「販売数量差異」に分けて考えていく。
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😸CASE 76 予算実績差異分析
N(株)の当期の予算と実績のデータは次のとおり。
予算 実績
販売数量 40個 45個
販売価格 @200円 @180円
変動費 @120円 @120円
固定費 2,000円 2,000円
この資料にもとづいて、
⑴ 売上高差異
⑵ 販売価格差異
⑶ 販売数量差異
を求める。
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😸予算実績差異分析とは
企業は会計年度のはじめに計画、つまり「予算」を立て、その計画にもとづいて活動する。
しかし、計画と実際の結果が完全に一致するとは限らない。
予想以上に商品が売れることもあれば、予定していた価格より安く販売しなければならないこともある。
このような予算と実績の差異について、その原因を分析することを、
「予算実績差異分析」
という。
予算実績差異分析には、大きく分けて、
* 売上高や利益などの「収益項目」の差異分析
* 変動費や固定費などの「原価項目」の差異分析
がある。
今回は、売上高の差異について分析していく。
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😸まずは予算と実績の営業利益を計算する
予算実績差異分析を行うにあたって、まず予算と実績それぞれの損益計算書を作成する。
予算
売上高は、
@200円×40個=8,000円
変動費は、
@120円×40個=4,800円
したがって、
売上高 8,000円
変動費 4,800円
貢献利益 3,200円
固定費 2,000円
営業利益 1,200円
となる。
実績
実際には45個を販売できたものの、販売価格は@180円だった。
売上高は、
@180円×45個=8,100円
変動費は、
@120円×45個=5,400円
したがって、
売上高 8,100円
変動費 5,400円
貢献利益 2,700円
固定費 2,000円
営業利益 700円
となる。
予算では営業利益1,200円を見込んでいたが、実績は700円。
販売数量は予定より5個多かったにもかかわらず、営業利益は500円少なくなっている。
その原因の一つが、販売価格の低下である。
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😸売上高差異を求める
まず、売上高全体として予算と実績にどれだけ差があったのかを求める。
売上高差異は、
実績売上高-予算売上高
で計算する。
その結果が、
プラス → 有利差異(貸方差異)
マイナス → 不利差異(借方差異)
となる。
CASE 76では、
8,100円-8,000円=100円
したがって、
売上高差異=100円(有利差異)
となる。
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😸原価差異とは引き算の向きが逆
ここで注意したいのが、これまで学んだ標準原価差異との違いである。
標準原価差異では、
標準-実際
で差異を求めた。
原価は、予定よりも実際にかかった金額が少ない方が会社にとって望ましい。
たとえば100円かかる予定だったものが90円で済めば、10円の有利差異になる。
一方、売上高などの収益では逆である。
会社にとっては、予算よりも実際の売上高が多い方が望ましい。
そのため売上高差異では、
実績-予算
とする。
「原価は少ない方がうれしい、収益は多い方がうれしい」
と考えると、引き算の向きが違う理由も理解しやすい。
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😸売上高差異を2つに分ける
CASE 76では、
売上高差異=100円の有利差異
となった。
しかし、これだけでは「なぜ100円増えたのか」がわからない。
実際のデータを見ると、
販売価格
予算@200円 → 実績@180円
販売数量
予算40個 → 実績45個
となっている。
つまり、
価格が20円下がったマイナス要因
と、
販売数量が5個増えたプラス要因
が同時に発生している。
そこで売上高差異を、
「販売価格差異」
と、
「販売数量差異」
の2つに分けて分析する。
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😸販売価格差異
販売価格差異とは、予算販売価格と実績販売価格の違いによって生じる差異である。
計算式は、
販売価格差異
=(実績販売価格-予算販売価格)×実績販売数量
CASE 76では、
(180円-200円)×45個
=△900円
となる。
したがって、
販売価格差異=△900円(不利差異)
である。
予定では1個200円で販売するつもりだったのに、実際には180円で販売した。
1個あたり20円安く、それが実際に販売した45個すべてに影響したため、
20円×45個=900円
だけ売上高を押し下げたことになる。
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😸販売数量差異
次は販売数量の違いによって生じた差異を求める。
販売数量差異は、
予算販売価格×(実績販売数量-予算販売数量)
で計算する。
CASE 76では、
200円×(45個-40個)
=1,000円
したがって、
販売数量差異=1,000円(有利差異)
となる。
予定より5個多く販売できたので、
@200円×5個=1,000円
だけ売上高を押し上げたと考える。
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😸2つの差異を合わせると売上高差異になる
ここまで求めた差異は、
販売価格差異
△900円(不利差異)
販売数量差異
1,000円(有利差異)
だった。
これらを合わせると、
△900円+1,000円=100円
となる。
これは最初に求めた、
実績売上高8,100円-予算売上高8,000円=100円
と一致する。
つまり今回の結果を言葉にすると、
販売価格が下がったことで900円のマイナスになったものの、予定より多く販売できたことで1,000円のプラスとなり、最終的な売上高は予算より100円多くなった
ということである。
単に「売上高が100円増えた」と見るだけではわからない中身が、差異分析によって見えてくる。
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😸売上高差異の分析図
売上高差異についても、これまでの原価差異と同じように分析図を使って整理できる。
今回の図では、
予算販売価格 @200円
実績販売価格 @180円
予算販売数量 40個
実績販売数量 45個
を配置する。
そして、
価格方向の差 → 販売価格差異△900円
数量方向の差 → 販売数量差異1,000円
として捉える。
ここで覚えておきたいのが、原価差異の分析図との違いである。
原価差異では、
「標準」のデータを内側、「実際」のデータを外側
に書いた。
一方、売上高差異のような収益の差異では、
「実績」のデータを内側、「予算」のデータを外側
に書く。
原価と収益では有利・不利の考え方が逆になるため、分析図の配置も逆になるということだ。
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😸今回のまとめ
今回学んだ予算実績差異分析では、予算と実績の違いを調べ、その原因をさらに細かく分析した。
売上高差異は、
実績売上高-予算売上高
CASE 76では、
8,100円-8,000円=100円(有利差異)
さらに、
販売価格差異
=(実績販売価格-予算販売価格)×実績販売数量
より、
(180円-200円)×45個
=△900円(不利差異)
そして、
販売数量差異
=予算販売価格×(実績販売数量-予算販売数量)
より、
200円×(45個-40個)
=1,000円(有利差異)
となった。
そして、
△900円+1,000円=100円
となり、売上高差異と一致する。
今回の例では、「販売数量が増えた」という良い結果だけを見ると順調に思える。
しかし実際には販売価格が下がっており、それが利益を大きく押し下げている。
結果だけでなく、
「なぜその結果になったのか」
まで数字で分解して考える。
予算実績差異分析は、まさにそのための方法なのだと思う。
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