目標を達成するには|50代の資格挑戦・学習記録 #79

目標を決めれば、必要な売上高が見えてくる──

今回学んだのは、「目標営業利益を達成するための売上高」の計算である。

前回は、営業利益がちょうど0円になる「損益分岐点の売上高」を求めた。

しかし実際の経営では、

「赤字にならなければいい」

というだけではなく、

「4,200円の利益を出したい」
「この利益目標を達成するには、いくら売ればいいのか?」

といったことを考える必要がある。

そこで今回は、CVP分析を使って「目標営業利益を達成するために必要な売上高」を計算していく。



😸CASE 72 目標営業利益を達成するための売上高

N(株)の次期の予算データは次のとおり。

販売単価は1個あたり200円で、目標営業利益を4,200円とする。

原価データ

変動費:1個あたり60円

* 直接材料費:20円
* 加工費(変動費):30円
* 変動販売費:10円

固定費:2,100円

* 加工費(固定費):1,200円
* 固定販売費・一般管理費:900円

この条件で、営業利益4,200円を達成するためには、いくら売り上げればよいのかを計算する。



😸目標営業利益を達成する売上高の計算…その①

まずは、必要な販売量から売上高を求める方法である。

目標営業利益を達成する販売量を「X個」とする。

販売単価は200円なので、

売上高=200X

となる。

また、1個あたりの変動費は60円なので、

変動費=60X

である。

したがって、売上高から変動費を差し引いた貢献利益は、

200X-60X=140X

となる。

これを直接原価計算による損益計算書にすると、次のようになる。

損益計算書(直接原価計算)

Ⅰ.売上高 200X
Ⅱ.変動費 60X
  貢献利益 140X
Ⅲ.固定費 2,100
  営業利益 4,200

今回は営業利益を求めるのではなく、あらかじめ目標営業利益4,200円を記入するのがポイントである。

ここからXを求める。

140X-2,100=4,200

固定費2,100円を右辺に移すと、

140X=4,200+2,100

140X=6,300

したがって、

X=45個

となる。

つまり、目標営業利益4,200円を達成するためには、45個販売する必要がある。

販売単価は1個200円なので、

200円×45個=9,000円

よって、

目標営業利益4,200円を達成する売上高=9,000円

となる。



😸目標営業利益を達成する売上高の計算…その②

次は、販売量ではなく売上高から直接求める方法である。

目標営業利益を達成する売上高を「S円」とする。

まず、変動費率と貢献利益率を計算する。

変動費率は、

60円÷200円=0.3

したがって30%である。

一方、貢献利益率は、

(200円-60円)÷200円=0.7

となる。

または、

1-0.3=0.7

と計算してもよい。

つまり売上高の70%が、固定費の回収と利益の獲得に使える「貢献利益」になる。

これを直接原価計算による損益計算書にすると、

損益計算書(直接原価計算)

Ⅰ.売上高 S
Ⅱ.変動費 0.3S
  貢献利益 0.7S
Ⅲ.固定費 2,100
  営業利益 4,200

となる。

ここからSを求める。

0.7S-2,100=4,200

したがって、

0.7S=4,200+2,100

0.7S=6,300

よって、

S=9,000円

となる。

販売量をXとして求めた場合と同じく、

目標営業利益を達成する売上高=9,000円

となった。



😸目標営業利益+固定費を稼ぐ

今回の計算で重要なのは、

なぜ4,200円の利益を出すために、6,300円の貢献利益が必要なのか

という点だと思う。

会社には、売上高にかかわらず2,100円の固定費が発生する。

そのため、まず貢献利益によって固定費2,100円を回収しなければならない。

さらに目標営業利益4,200円を確保する必要がある。

つまり必要な貢献利益は、

固定費2,100円+目標営業利益4,200円=6,300円

となる。

そして貢献利益率は70%なので、

6,300円÷0.7=9,000円

の売上高が必要になるわけである。

前回学んだ損益分岐点では、目標営業利益は0円だった。

そのため、

固定費÷貢献利益率

で損益分岐点売上高を求めることができた。

今回はそこに「目標営業利益」が加わったと考えれば、理解しやすい。



😸CVP分析の公式

以上から、目標営業利益を達成する売上高は、次の公式で求めることができる。

目標営業利益を達成する売上高
=(目標営業利益+固定費)÷貢献利益率

CASE 72に当てはめると、

(4,200円+2,100円)÷0.7
=9,000円

となる。

この公式を覚えるだけでなく、

「まず固定費を回収し、そのうえで目標利益を確保するだけの貢献利益が必要」

と考えておけば、式の意味も思い出しやすそうである。



😸まとめ

今回学んだのは、CVP分析を使った「目標営業利益を達成するための売上高」の計算である。

CASE 72では、

* 販売単価:200円
* 変動費:60円
* 固定費:2,100円
* 目標営業利益:4,200円
* 貢献利益率:70%

という条件から、

必要販売量=45個

必要売上高=9,000円

と求めることができた。

そして公式は、

目標営業利益を達成する売上高
=(目標営業利益+固定費)÷貢献利益率

となる。

損益分岐点が「最低限どこまで売れば赤字にならないか」を示すものだとすれば、今回の計算は、

「目標とする利益を得るためには、どこまで売ればよいのか」

を示すものといえる。

単に利益を計算するだけではなく、先に目標を設定し、そこから必要な売上高を逆算する。

「目標達成のためには何が必要か」を数字で具体化できるところに、CVP分析の面白さがあると感じた。

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