50代の資格挑戦|簿記2級・学習記録 #16

同じ人でも仕事によって扱いが変わる──

今回学んだのは、直接工の賃金消費額の処理である。

前回までの学習では、賃金の消費額は直接工なら直接労務費、間接工なら間接労務費というイメージを持っていた。しかし実際には、直接工の賃金であっても、すべてが直接労務費になるわけではないことを知った。

今回の例では、直接工の賃金消費額は1,000円、総作業時間は50時間だった。そのうち、製品を実際に作る直接作業が40時間、準備や片付けなどの間接作業が10時間である。

まず、1時間あたりの賃金である「消費賃率」を求める。

1,000円÷50時間=20円

つまり、この直接工は1時間あたり20円の賃金を消費したことになる。

次に、この20円を作業内容ごとに配分する。

直接作業分は、

20円×40時間=800円

間接作業分は、

20円×10時間=200円

となる。

ここで興味深いのは、同じ人が働いた賃金であっても、どのような作業をしたのかによって扱いが変わる点である。

製品を直接作る40時間分の800円は直接労務費として仕掛品勘定へ振り替えられる。一方で、準備や片付けなどの10時間分の200円は間接労務費として製造間接費勘定へ振り替えられる。

仕訳は、

(借)仕掛品 800 /(貸)賃金 1,000
(借)製造間接費 200

となる。

武術でも同じことを感じる。例えば同じ一時間の稽古であっても、一人で基本を反復する時間と、対人でより実際的な技を練習する時間では目的が異なる。どちらも大切な練習だが、性質は同じではない。工業簿記もまた、「誰が行ったか」ではなく、「何を行ったか」によって費用を分類しているのである。

さらに、間接工の賃金消費額は、すべて間接労務費として扱われることも学んだ。また、給料や従業員賞与手当、退職給付費用、法定福利費なども、製品に直接結び付けることが難しいため、すべて間接労務費として製造間接費勘定へ振り替えられる。

工業簿記を学んでいると、「人件費」という一つの言葉の中にも、実に細かな考え方があることが分かる。同じ人が働いたお金であっても、その行動の目的によって意味が変わる。費用を正しく分類することは、製品の原価を正しく把握するために欠かせない。その奥深さを、今回もまた実感した学習だった。

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