問題 34|50代の資格挑戦・学習記録 #115
第1工程の正常減損費は、すべて完成品に負担させる──
前回に引き続き、第9章「総合原価計算③」から、仕損・減損の処理についての問題に取り組む。
今回は、2つの工程を経て製品を製造する「工程別総合原価計算」だ。
第1工程、第2工程ともに平均法を用いるが、第1工程の終点で正常減損が発生する。さらに、第1工程の完成品原価が、第2工程の前工程費になる。
各工程の原価を順番に計算しながら、正常減損費の処理についても確認していく。
問題 34|仕損・減損の処理
当社は2つの工程を経て製品Gを製造している。原価計算の方法は工程別総合原価計算を採用している。
次の資料にもとづいて、答案用紙の工程別総合原価計算表を完成させよ。
第1工程、第2工程とも平均法を用いること。
[資料]生産データ
第1工程 第2工程
月初仕掛品 0kg 310kg(1/5)
当月投入 1,000kg 890kg
合計 1,000kg 1,200kg
正常減損 10kg ―
月末仕掛品 100kg(1/2) 200kg(3/4)
完成品 890kg 1,000kg
※1 原料はすべて第1工程の始点で投入される。
※2 ( )内は加工進捗度を示す。
※3 第1工程の終点で減損が発生している。これは通常発生する程度のもの(正常減損)である。減損費はすべて完成品に負担させる。
解答・解説
今回のポイントは、正常減損が発生する第1工程と、前工程費を引き継ぐ第2工程を分けて計算することだ。
第1工程では、正常減損が終点で発生するため、月末仕掛品には減損費を負担させず、すべて完成品に負担させる。
第2工程では、第1工程の完成品原価を当月の前工程費として引き継ぎ、前工程費と加工費をそれぞれ平均法で計算する。
① 第1工程の計算
まず、第1工程の原料費と加工費を計算する。
原料費
原料は工程の始点で投入されるため、月末仕掛品100kgにも原料費が全額含まれる。
平均単価は次のとおり。
40,000円 ÷ 1,000kg = @40円
月末仕掛品原価は、
40円 × 100kg = 4,000円
完成品原価は、正常減損費をすべて完成品に負担させるため、当月の原料費から月末仕掛品原価を差し引いて求める。
40,000円 − 4,000円 = 36,000円
加工費
加工費は、加工進捗度を考慮した完成品換算量を使って計算する。
完成品890kgに正常減損10kgを加え、月末仕掛品100kgには加工進捗度50%を掛ける。
890kg + 10kg + 100kg × 1/2 = 950kg
平均単価は、
30,400円 ÷ 950kg = @32円
月末仕掛品原価は、
32円 × 50kg = 1,600円
完成品原価は、
30,400円 − 1,600円 = 28,800円
したがって、第1工程の計算結果は次のとおり。
原料費 加工費 合計
当月製造費用 40,000円 30,400円 70,400円
月末仕掛品原価 4,000円 1,600円 5,600円
完成品原価 36,000円 28,800円 64,800円
この64,800円が、第2工程に引き継がれる当月の前工程費となる。
② 第2工程の計算
第2工程では、前工程費と加工費を分けて計算する。
前工程費
前工程費は、第1工程から引き継いだ原価だ。
月初仕掛品の前工程費21,600円に、第1工程から引き継いだ64,800円を加える。
21,600円 + 64,800円 = 86,400円
前工程費は、第2工程に投入された時点で全額発生しているものとして扱うため、月末仕掛品の加工進捗度は考慮しない。
平均単価は、
86,400円 ÷(1,000kg + 200kg)= @72円
月末仕掛品原価は、
72円 × 200kg = 14,400円
完成品原価は、
86,400円 − 14,400円 = 72,000円
加工費
加工費は、第2工程での加工進捗度を考慮して計算する。
月初仕掛品の完成品換算量は、
310kg × 1/5 = 62kg
月末仕掛品の完成品換算量は、
200kg × 3/4 = 150kg
したがって、完成品換算量の合計は、
1,000kg + 150kg = 1,150kg
加工費の合計は、
2,000円 + 25,600円 = 27,600円
平均単価は、
27,600円 ÷ 1,150kg = @24円
月末仕掛品原価は、
24円 × 150kg = 3,600円
完成品原価は、
27,600円 − 3,600円 = 24,000円
したがって、第2工程の計算結果は次のとおり。
前工程費 加工費 合計
月初仕掛品原価 21,600円 2,000円 23,600円
当月製造費用 64,800円 25,600円 90,400円
合計 86,400円 27,600円 114,000円
月末仕掛品原価 14,400円 3,600円 18,000円
完成品原価 72,000円 24,000円 96,000円
最終的な完成品原価は96,000円となる。
完成品数量は1,000kgなので、完成品単位原価は、
96,000円 ÷ 1,000kg = @96円
今回の振り返り
今回は、正常減損を含む工程別総合原価計算について学習した。
特に重要なのは、第1工程の終点で発生する正常減損費を、すべて完成品に負担させるという点だ。
そのため、月末仕掛品原価を計算する際には、正常減損数量を含めず、完成品原価を求める際に正常減損費を含める。
また、第2工程では、第1工程の完成品原価がそのまま当月の前工程費となる。
前工程費は工程の始点で全額投入されたものとして扱い、加工費については加工進捗度を考慮する。
今回の問題で確認できたのは、次の3点だ。
* 正常減損の発生地点と、その費用を誰に負担させるかを確認する。
* 前工程の完成品原価を、次工程の前工程費として引き継ぐ。
* 前工程費と加工費では、完成品換算量の計算方法が異なる。
複数の工程が登場すると計算が複雑に見えるが、一つずつ工程を分けて考えれば、これまで学んだ平均法の応用で解くことができる。
次回も引き続き、問題演習を通じて理解を深めていきたい。
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