問題 33|50代の資格挑戦・学習記録 #114
正常減損が工程の始点で発生した場合は、完成品と月末仕掛品の両方に負担させる──
前回に引き続き、第9章「総合原価計算③」から、仕損・減損の処理についての問題に取り組む。
今回は「正常減損」が発生するケースだ。
さらに原価計算には先入先出法を使うため、当月製造費用をどの数量で按分するのかを正しく整理する必要がある。
問題 33 仕損・減損の処理
次の資料にもとづいて、先入先出法により①月末仕掛品原価、②完成品原価、③完成品単位原価を計算せよ。
正常減損は工程の始点で発生しているため、正常減損費は完成品と月末仕掛品の両者に負担させる。
[資料]
⑴ 生産データ
* 月初仕掛品 600kg(60%)
* 当月投入 1,920kg
* 合計 2,520kg
* 正常減損 20kg
* 月末仕掛品 500kg(40%)
* 完成品 2,000kg
*1 原料はすべて工程の始点で投入される。
*2 ( )内は加工進捗度を示す。
*3 正常減損はすべて当月投入分から生じたものである。
⑵ 製造原価データ
原料費 加工費
月初仕掛品原価 29,000円 17,800円
当月製造費用 85,500円 101,200円
解答
今回のポイントは、正常減損が工程の始点で発生していることだ。
月末仕掛品もすでに工程の始点を通過しているため、正常減損費は完成品だけでなく、月末仕掛品にも負担させる。
さらに先入先出法では、月初仕掛品原価と当月製造費用を分けて考える。
当月製造費用については、完成品のうち当月投入分と月末仕掛品に按分していく。
原料費
まず、完成品2,000kgのうち600kgは月初仕掛品なので、当月投入分から完成した数量は、
2,000kg − 600kg = 1,400kg
となる。
原料は工程の始点ですべて投入されているため、月末仕掛品500kgについても原料は100%投入済みだ。
したがって、当月製造費用の原料費85,500円を、
* 当月投入・当月完成分 1,400kg
* 月末仕掛品 500kg
に按分する。
85,500円 ÷(1,400kg + 500kg)× 500kg
= 22,500円
よって、月末仕掛品に含まれる原料費は、
22,500円
となる。
完成品原価に含まれる原料費は差額で求めると、
29,000円 + 85,500円 − 22,500円
= 92,000円
したがって、
完成品の原料費=92,000円
となる。
加工費
次に加工費を計算する。
先入先出法では、月初仕掛品について当月に追加された加工分だけを考える。
月初仕掛品600kgの加工進捗度は60%なので、残り40%を当月に加工したことになる。
600kg ×(100% − 60%)
= 240kg
当月投入・当月完成分は、
2,000kg − 600kg
= 1,400kg
月末仕掛品500kgの加工進捗度は40%なので、
500kg × 40%
= 200kg
したがって、当月の完成品に対応する加工量は、
240kg + 1,400kg
= 1,640kg
となる。
当月加工費101,200円を、完成品分1,640kgと月末仕掛品分200kgに按分する。
101,200円 ÷(1,640kg + 200kg)× 200kg
= 11,000円
したがって、月末仕掛品に含まれる加工費は、
11,000円
となる。
完成品に含まれる加工費は、
17,800円 + 101,200円 − 11,000円
= 108,000円
となる。
① 月末仕掛品原価
原料費22,500円と加工費11,000円を合計する。
22,500円 + 11,000円
= 33,500円
したがって、
① 月末仕掛品原価:33,500円
② 完成品原価
完成品の原料費92,000円と加工費108,000円を合計する。
92,000円 + 108,000円
= 200,000円
したがって、
② 完成品原価:200,000円
③ 完成品単位原価
完成品原価200,000円を完成品数量2,000kgで割る。
200,000円 ÷ 2,000kg
= 100円/kg
したがって、
③ 完成品単位原価:@100円
となる。
今回のポイント
今回の問題では、「正常減損20kgを計算上どう扱うのか」が重要だった。
正常減損は工程の始点で発生しているため、その負担は完成品だけではなく月末仕掛品にも及ぶ。
そのため、正常減損20kgを独立した負担先として計算するのではなく、その分の原価を完成品と月末仕掛品に負担させる形になる。
また、先入先出法では月初仕掛品と当月投入分を分けて考える。
特に加工費では、
月初仕掛品の当月加工分 + 当月投入・当月完成分 + 月末仕掛品の当月加工分
という形で完成品換算量を整理すると分かりやすい。
今回の計算では、
* 原料費:1,400kg + 500kg
* 加工費:1,640kg + 200kg
という違いが生じる。
原料は工程の始点ですべて投入される一方、加工費は加工進捗度に応じて発生するからだ。
仕損・減損の問題は条件によって処理方法が変わるので、「どこで発生したのか」「誰に負担させるのか」「平均法か先入先出法か」を最初に確認してから計算することが大切だ。
少しずつパターンを整理して、確実に解けるようにしていきたい。
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