原価を変動費と固定費に分ける|50代の資格挑戦・学習記録 #82
原価は、変動費と固定費に分けられる──
今回学んだのは、「原価の固変分解」である。
前回までは、直接原価計算を利用したCVP分析として、損益分岐点や目標利益、安全余裕率などを計算してきた。
これらの計算では、原価を「変動費」と「固定費」に分けて考える。
では、実際に発生した原価について、
「どこまでが変動費で、どこからが固定費なのか?」
をどのように求めればよいのだろうか。
今回は、その方法のひとつである「高低点法」を使って計算していく。
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😸CASE 75 原価を変動費と固定費に分ける方法
N(株)の過去6か月間の生産量と原価の発生額は、次のとおりである。
月|製品生産量 |原価発生額
1月|5個|1,400円
2月|2個|1,300円
3月 |6個|1,550円
4月|3個|1,360円
5月|8個|1,600円
6月 |7個|1,580円
このデータを使って、「高低点法」により変動費率と固定費額を計算する。
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😸原価の固変分解
直接原価計算では、原価を、
変動費
生産量や販売量などに応じて増減する原価
固定費
生産量などが変化しても一定額が発生する原価
に分ける必要がある。
このように、原価を変動費と固定費に分けることを「原価の固変分解」という。
固変分解の方法にはいくつかある。
たとえば、主要材料費は全額を変動費、減価償却費は全額を固定費というように、費目ごとに内容を調べて分ける方法を「費目別精査法」という。
一方、簿記の試験でよく出題されるのが「高低点法」である。
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😸高低点法とは
高低点法とは、過去の一定期間における生産量と原価のデータをもとに、原価を変動費と固定費に分ける方法である。
名前のとおり、ポイントになるのは、
最も生産量が低い「最低点」
と、
最も生産量が高い「最高点」
の2つである。
この2点の生産量と原価の差を利用して、まず変動費率を求める。
なお、問題で「正常操業圏」が示されている場合には、その範囲内にある最低点と最高点を選ぶことに注意する。
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😸最高点と最低点を探す
まず、6か月分のデータから最低生産量と最高生産量を探す。
CASE 75では、
最低点
2月:2個 → 原価1,300円
最高点
5月:8個 → 原価1,600円
となる。
この2点だけを抜き出して計算していく。
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😸変動費率を計算する
次に、最高点と最低点の原価の差額から「変動費率」を求める。
計算式は、
変動費率
=(最高点の原価-最低点の原価)
÷(最高点の生産量-最低点の生産量)
CASE 75では、
(1,600円-1,300円)÷(8個-2個)
=300円÷6個
=@50円
したがって、
変動費率=@50円
となる。
グラフで考えると、最低点と最高点を結んだ直線の「傾き」が変動費率にあたる。
つまり、製品を1個多く生産すると、原価が50円増えるということである。
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😸変動費を計算する
変動費率がわかったら、これに生産量を掛ければ、その生産量における変動費を求めることができる。
最低点の2個を使う場合、
@50円×2個=100円
したがって、
最低点の変動費=100円
となる。
最高点を使って計算することもできる。
@50円×8個=400円
したがって、
最高点の変動費=400円
となる。
固定費を求めるだけなら、最低点か最高点のどちらか一方を計算すればよい。
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😸固定費を計算する
最後に、原価発生額から変動費を差し引けば固定費が求められる。
最低点を使うと、
1,300円-100円=1,200円
したがって、
固定費=1,200円
となる。
念のため最高点でも確認してみる。
1,600円-400円=1,200円
こちらでも、
固定費=1,200円
となった。
つまりCASE 75の原価は、
変動費率:@50円
固定費:1,200円
と分解できる。
原価を式で表すなら、
原価=@50円×生産量+1,200円
という関係になる。
たとえば2個生産すれば、
@50円×2個+1,200円=1,300円
8個生産すれば、
@50円×8個+1,200円=1,600円
となり、実際の最低点・最高点の原価と一致する。
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😸高低点法の計算手順
高低点法は、順番を整理するとわかりやすい。
1. 最高生産量と最低生産量を探す
2. 最高点と最低点の差から変動費率を求める
3. 変動費率×生産量で変動費を求める
4. 原価-変動費で固定費を求める
特に重要なのは、
「原価が最も高い月・低い月」ではなく、「生産量が最高・最低の月」を選ぶ
という点だろう。
今回の場合、原価発生額だけを眺めるのではなく、まず生産量の最高点8個と最低点2個を見つけるところから始める。
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😸今回の学び
直接原価計算では、原価を変動費と固定費に分ける必要がある。
その方法のひとつが「高低点法」である。
今回のCASE 75では、
最低点:2個・1,300円
最高点:8個・1,600円
から、
変動費率
=(1,600円-1,300円)÷(8個-2個)
=@50円
固定費
=1,300円-(@50円×2個)
=1,200円
と計算できた。
これまでCVP分析では、変動費や固定費が最初から与えられている問題を扱ってきた。
しかし現実の原価データでは、両者が混ざった状態で発生することもある。
そのデータから変動費と固定費を推定する方法が「原価の固変分解」であり、高低点法はその基本的な方法のひとつということになる。
最低点と最高点を見つけて、その2点を結ぶ。
そう考えると、計算の仕組みもイメージしやすい。
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