問題 31|50代の資格挑戦・学習記録 #112

仕損が出たら、その原価を誰が負担するのか──

前回までは、等級別総合原価計算について学んだ。

今回からは、第9章「総合原価計算③」に入り、「仕損・減損の処理」について学んでいく。

製造の過程では、投入した材料がすべて完成品になるとは限らない。

不良品などが発生して製品として完成しない「仕損」や、蒸発・縮みなどによって数量が減少する「減損」が発生することがある。

今回の問題では「正常仕損」が工程の始点で発生し、その仕損費をすべて完成品に負担させるケースについて考える。

問題 31 仕損・減損の処理

次の資料にもとづいて、平均法により①月末仕掛品原価、②完成品原価、③完成品単位原価を計算せよ。

正常仕損は工程の始点で発生しているため、正常仕損費はすべて完成品に負担させる(仕損の評価額は0円)。

[資料]

⑴ 生産データ

月初仕掛品 600個(50%)

当月投入 2,900個

合計 3,500個

正常仕損 100個

月末仕掛品 400個(75%)

完成品 3,000個

*1 直接材料はすべて工程の始点で投入される。
*2 ( )内は加工進捗度を示す。

⑵ 製造原価データ

直接材料費 加工費
月初仕掛品原価 29,800円 2,900円
当月製造費用 110,200円 65,100円

解答

今回のポイントは、

正常仕損費を完成品のみに負担させる

ということ。

正常仕損100個について独立して原価を計算するのではなく、その分の原価も最終的に完成品3,000個が負担することになる。

まずは直接材料費から計算する。

直接材料費

平均法なので、月初仕掛品原価と当月製造費用を合計する。

直接材料費は工程の始点ですべて投入されるため、

600個+2,900個=3,500個

が計算上の数量となる。

したがって平均単価は、

(29,800円+110,200円)÷3,500個
=140,000円÷3,500個
=**@40円**

となる。

月末仕掛品は400個なので、

@40円×400個
=16,000円

これが直接材料費の月末仕掛品原価となる。

直接材料費の完成品原価は差額で求める。

29,800円+110,200円−16,000円
=124,000円

ここには正常仕損100個分の原価も含まれている。

加工費

次に加工費を計算する。

加工費では、加工進捗度を考慮して完成品換算量を求める。

月初仕掛品は600個で加工進捗度50%なので、

600個×50%=300個

当月投入分については、

完成品3,000個+正常仕損100個+月末仕掛品400個−月初仕掛品600個
=2,900個

ではなく、平均法では月初仕掛品と当月投入を混ぜて計算するため、加工費の完成品換算量全体を考える。

完成品3,000個+正常仕損100個+月末仕掛品400個×75%
=3,000個+100個+300個
=3,400個

したがって加工費の平均単価は、

(2,900円+65,100円)÷3,400個
=68,000円÷3,400個
=**@20円**

となる。

月末仕掛品の加工費は、

@20円×300個
=6,000円

加工費の完成品原価は差額で、

2,900円+65,100円−6,000円
=62,000円

となる。

① 月末仕掛品原価

直接材料費16,000円と加工費6,000円を合計する。

16,000円+6,000円
=22,000円

② 完成品原価

直接材料費124,000円と加工費62,000円を合計する。

124,000円+62,000円
=186,000円

③ 完成品単位原価

完成品原価186,000円を、実際に完成した3,000個で割る。

186,000円÷3,000個
=**@62円**

よって答えは、

① 月末仕掛品原価:22,000円
② 完成品原価:186,000円
③ 完成品単位原価:@62円

となる。

今回のポイント

今回、新しく出てきたのが「正常仕損」だった。

重要なのは、正常仕損が発生したからといって、その原価が消えてなくなるわけではないということ。

今回の問題では、

正常仕損費はすべて完成品に負担させる

という条件になっている。

そのため、投入した原価のうち月末仕掛品に配分されなかったものは、正常仕損分も含めて完成品原価となる。

たとえば直接材料費では、平均単価そのものは@40円だが、完成品単位原価の直接材料費部分は、

124,000円÷3,000個
≒@41.33円

となる。

正常仕損100個分の直接材料費4,000円を、完成品3,000個が負担しているからだ。

加工費についても同様で、正常仕損を含めた原価が完成品側に集められる。

その結果、直接材料費と加工費を合わせた完成品単位原価は@62円となる。

「仕損した分の原価は、最終的に誰が負担するのか」

ここを意識すると、仕損・減損の問題も整理しやすそうだ。

次回も引き続き、仕損・減損の処理について問題演習を進めていく。

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