問題 42|50代の資格挑戦・学習記録 #123
本社と工場の取引を整理し、工場側の仕訳を確認する──
簿記2級取得に向けて、毎日少しずつ勉強を続けている。
今回は、第11章「本社工場会計」から、工場で行われる仕訳についての問題に取り組む。
前回に引き続き、本社会計から工場会計を独立させている場合の処理だ。
材料の購入や賃金の支払いは本社が行い、材料の消費や製品の製造は工場が行う。さらに今回は、減価償却費や製造間接費の予定配賦、完成品の本社への納入なども含まれている。
本社と工場の役割を整理しながら、それぞれの取引を仕訳していく。
問題 42|本社工場会計
当社は本社会計から工場会計を独立させている。次の各取引について工場で行われる仕訳をせよ。ただし勘定科目は次の中からもっとも適当と思われるものを選び、記号で解答すること。
[勘定科目]
* ア.材料
* イ.仕掛品
* ウ.製造間接費
* エ.設備減価償却累計額
* オ.本社
* カ.賃金
[前提]
① 材料倉庫は工場内にある。
② 材料購入に要する支払い、従業員に対する給与の支払いは本社で行っている。
③ 材料の購入と製品の販売は本社が行っている。
④ 工場で製造された製品はすべて本社に納入される。
[取引]
⑴ 本社が掛けで購入した材料40,000円を工場の倉庫に受け入れた。
⑵ 工場従業員に賃金60,000円が支給された。
⑶ 工場の設備減価償却費として5,000円を計上した。
⑷ 工場で直接材料25,000円、間接材料10,000円を消費した。
⑸ 工場で直接労務費34,000円、間接労務費12,000円を消費した。
⑹ 製造間接費(直接労務費の120%)を各製品に配賦した。
⑺ 工場は完成した製品90,000円を本社に納入した。
⑻ 工場は完成品のうち、40,000円(製造原価)を60,000円で本社の得意先に直接売り上げ、代金は掛けとした。
解答と考え方
⑴ 材料の受け入れ
本社が購入した材料40,000円を、工場の倉庫に受け入れている。
材料の購入代金は本社が支払うため、工場側では「本社」勘定を使う。
借方:材料(ア)40,000円
貸方:本社(オ)40,000円
工場では材料が増加する一方、本社との取引として処理する。
⑵ 賃金の支払い
工場従業員に賃金60,000円が支給された。
支払いは本社が行っているため、工場側では賃金の発生を記録し、相手勘定を「本社」とする。
借方:賃金(カ)60,000円
貸方:本社(オ)60,000円
ここでは、賃金の支払いと消費を区別することが重要になる。
⑶ 設備減価償却費の計上
工場の設備減価償却費5,000円を計上する。
工場設備の減価償却費は製造間接費として処理し、貸方には設備減価償却累計額を計上する。
借方:製造間接費(ウ)5,000円
貸方:設備減価償却累計額(エ)5,000円
減価償却費は、現金の支払いを伴わなくても発生する費用だ。
⑷ 材料の消費
工場で直接材料25,000円、間接材料10,000円を消費した。
直接材料費は「仕掛品」、間接材料費は「製造間接費」に振り替える。
材料の消費合計は、
25,000円+10,000円=35,000円
となる。
借方:仕掛品(イ)25,000円
借方:製造間接費(ウ)10,000円
貸方:材料(ア)35,000円
直接費と間接費を区別する基本的な仕訳だ。
⑸ 労務費の消費
工場で直接労務費34,000円、間接労務費12,000円を消費した。
直接労務費は「仕掛品」、間接労務費は「製造間接費」に振り替える。
消費した賃金の合計は、
34,000円+12,000円=46,000円
となる。
借方:仕掛品(イ)34,000円
借方:製造間接費(ウ)12,000円
貸方:賃金(カ)46,000円
⑵で計上した賃金のうち、実際に製造活動で消費した分を振り替える処理になる。
⑹ 製造間接費の予定配賦
製造間接費は、直接労務費の120%を各製品に配賦する。
直接労務費は34,000円なので、
34,000円×120%=40,800円
となる。
借方:仕掛品(イ)40,800円
貸方:製造間接費(ウ)40,800円
製造間接費を各製品の製造原価に組み入れるため、仕掛品に振り替える。
ここでは、間接労務費を含めた46,000円ではなく、直接労務費34,000円を基準にする点に注意したい。
⑺ 完成品の本社への納入
工場で完成した製品90,000円を本社に納入した。
工場では製品勘定を使用せず、完成品の製造原価を「仕掛品」から「本社」に振り替える。
借方:本社(オ)90,000円
貸方:仕掛品(イ)90,000円
完成品を本社に引き渡したことで、工場側の仕掛品が減少する。
⑻ 得意先への直接販売
工場は完成品のうち、製造原価40,000円の製品を、本社の得意先に60,000円で直接販売した。
ただし、製品の販売は本社が行うという前提がある。
そのため、工場側では売上高60,000円を計上せず、製造原価40,000円を本社に振り替える。
借方:本社(オ)40,000円
貸方:仕掛品(イ)40,000円
販売価格60,000円と製造原価40,000円を混同しないことがポイントになる。
今回の学び
今回の問題では、本社工場会計における一連の取引を確認できた。
特に重要だと感じたのは、工場側の仕訳では、本社が担当する取引を「本社」勘定で処理するという点だ。
材料の購入や賃金の支払いは本社が行うため、工場側では本社勘定を貸方に計上する。一方、完成品を本社に納入するときは、本社勘定を借方に計上する。
また、直接材料費と直接労務費は仕掛品へ、間接材料費や間接労務費は製造間接費へ振り替える。
製造間接費の予定配賦についても、配賦基準となる直接労務費を正しく把握する必要がある。
最後の取引では、工場から得意先に直接製品を引き渡していても、工場側では売上を計上しないという点が印象に残った。
実際に製品がどこへ移動したかだけでなく、会計上どちらが取引を担当するのかを意識することが大切なのだと思う。
本社工場会計の問題も3問目となり、少しずつ仕訳の流れが見えてきた。
引き続き、毎日の積み重ねを大切にしていきたい。
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