武術は観るよりやる方が楽しい
映画やテレビで武術の華麗な技を観ていると、その美しさと迫力に圧倒される。ジャッキー・チェンの軽快なアクションや、トム・クルーズの超絶スタント、時代劇スターたちの優雅な立ち回りなどは、確かに観ているだけでも十分に楽しめる。しかし、実際に武術を始めてみると、観るだけでは決して味わうことのできない深い喜びと充実感があることに気づく。
武術の最大の魅力は、自分の気と身体に向き合う時間にある。道場に足を踏み入れ、基本的な構えや動きから始める時、最初は思うようにいかない自分の身体にもどかしさを感じるかもしれない。しかし、繰り返し練習を重ねるうちに、少しずつ動きが滑らかになり、力の抜き方やタイミングがつかめてくる。この上達の過程こそが、武術の真の醍醐味である。
スクリーンの中の見栄えする技とは違い、実際の武術は地道な基礎練習の積み重ねだ。一つ一つの形や動きを丁寧に覚え、何度も反復する。時には単調に感じられる練習も、続けているうちに身体に染み付いてくる。そして、ある日突然、これまでできなかった技ができるようになる瞬間が訪れる。その時の喜びは、どんな映画を見ても得られない特別な感動だ。
武術は心の修練でもある。集中力を高め、呼吸を整え、精神を統一する。現代社会のストレスや雑念から離れ、今この瞬間に意識を集中させる時間は、まさに瞑想のような効果をもたらす。スマホやパソコンに囲まれた日常から離れ、自分の身体と心だけに向き合う時間は、現代人にとって貴重な体験となるだろう。
また、武術を通じて得られる仲間との絆も大きな魅力だ。同じ目標に向かって汗を流す仲間たちとの関係は、単なる趣味の仲間を超えた深いつながりを生む。お互いに技を教え合い、励まし合い、時には真剣に組手を行う。この過程で培われる信頼関係と連帯感は、傍観していては決して味わうことのできない貴重な財産となる。
武術の稽古は身体能力の向上にも大きく貢献する。柔軟性、筋力、バランス感覚、反射神経など、総合的な身体能力が鍛えられる。年齢を重ねても続けられる武術は、健康維持にも最適だ。実際に身体を動かすことで得られる爽快感と達成感は、ただ見ているだけでは絶対に体験できない。
武術には上達、奥義の体得という明確な目標がある。自由組手を目指して練習に励む過程は、自己成長の実感を与えてくれる。自分よりフィジカルで勝る者を技で制した時の達成感は、長い間努力を続けてきた者だけが味わえる特別な喜びだ。
武術を実際に学ぶことで、フィクションや試合を観る目も変わってくる。技の難易度や美しさ、選手の実力をより深く理解できるようになる。表面的な派手さだけでなく、基礎的な動きの正確さや、長年の鍛練が生み出す美の本質を感じ取れるようになる。
確かに映画やスポーツの試合を観ることは楽しい娯楽だ。しかし、実際に武術を始めてみると、観るだけでは決して得られない豊かな体験が待っている。自分の身体と心を鍛え、仲間と切磋琢磨し、目標に向かって努力する。この過程で得られる充実感と成長の喜びは、どんな映画やゲーム、動画などよりも、はるかに価値のある体験となるだろう。武術は観るよりも、やる方が断然楽しいのだ。
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(武術気功健康教室|大阪府四條畷市)