継続力を身につけるには
継続力──それは意思の力や根性論だけでは語りきれないテーマだ。現代人は誘惑に囲まれ、情報の波にさらされながら、集中力や持続力を削がれている。そんな中で「続ける力」を自分の中に育てるには、頭で考えるだけでは不十分だ。実践によって身体からその力を培う必要がある。
最も効果的な方法の一つは、武術の基本功に取り組むことだろう。とりわけ站樁(タントウ:立禅)と呼ばれる武術瞑想──静止したまま一定の姿勢を保ってリラックスし、気を全身に巡らせるという修行法がオススメだ。一見ただ立っているだけのようだが、実際には心身を深く鍛える極めて高度な訓練である。呼吸、姿勢、意識の全てを同時に整えながら、自分の中の「不要な緊張や怠惰」と向き合うことになる。この「向き合い続けること」そのものが、まさに継続力を育てるプロセスといえる。
站樁の訓練は、すぐに成果が出るものではない。逆に、すぐに効果を求める心があればあるほど、早々に挫折する。だからこそ、站樁に挑戦すること自体が、継続力の「試金石」になる。日々わずか5分でも10分でもいい。毎日、同じ時間、同じ場所で立ち続ける。その地味で孤独な繰り返しの中に、精神的な粘りと落ち着きが育っていく。習慣化されれば、他のどんな分野においても応用できる内なる芯の強さを得ることができる。
継続力とは、感情に左右されず、淡々と歩み続ける力である。それは鍛錬によってのみ身につく。武術の基本功は、表面的な結果や効率ではなく、「続ける姿勢」そのものを鍛える最高の手段だ。続けることでしか、本当の継続力は育たない。そして、続けることの意味を教えてくれるのが、まさにこのような静かな修行なのである。
=======
著作物紹介:
※kindle unlimited にご登録中の方は全て無料で読めます。(未登録の方は30日間無料体験を使えば無料で読めます)
空手家との組手や演武などの動画は下記サイトでご覧いただけます。
(武術気功健康教室|大阪府四條畷市)