「ミチクサ先生」を読んで思ったこと
『いいかね。教師はあの築山のてっぺんが最終の目標のごとく教えるだろうし、学生もそう思うだろう。でも実は、勉学も生きることも、いかに早くてっぺんに登るかなんてどうでもいいことさ』
『いろんなところから登って、滑り落ちるのもいれば、転んでしまうのもいる。山に登るのはどこから登ってもいいのさ。むしろ転んだり、汗を掻き掻き半ベソくらいした方が、同じてっぺんに立っても、見える風景は格別なんだ。ミチクサはおおいにすべしさ』
以上「ミチクサ先生」(伊集院静 著)より引用
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大切なことは、山を登ることそのものを楽しみ、味わうことであろう。
かくいう私も、汗を掻き掻き、人知れずベソかきながら這いずり回っているクチである。
そんな私が武術という細い獣道を登るうちに、思いがけず近道を見つけてしまった。
ある程度歳をとった今、他人より早く高くなどは実にどうでもいい、と私も思う。
しかし私が見つけた特殊な近道は、誰でも楽しみながら、どこまでも高くまで登れるものであった。
これがあまり知られていないので、伝えようとしている次第である。
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