問題解決力を高める
問題解決力を高める
真の強さとは、これだ。武術の視点から、問題解決力を高める方法についてお伝えしたいと思う。
問題解決力の本質は、冷静に状況を把握し、適切な対応を選択できる能力にある。これは武術における「間合い」の取り方に似ている。
相手との距離感を正確に把握し、最適なタイミングで技を繰り出すように、問題に対しても適切な距離感とタイミングで対処する必要がある。
制心瞑想の修練がこの能力向上に大きく寄与する。毎日30分の站樁(タントウ:立禅)を継続することで、身体の重心を安定させる感覚が養われるが、これは同時に精神的なバランスを保つ訓練にもなる。
困難な状況に直面しても、自身の中心軸がぶれることなく、落ち着いて対処できるようになっていくわけだ。
また、制心道では「制する」という概念を重視するが、これは問題に対して支配や抑圧を意味するのではない。むしろ、問題の本質を理解し、その流れに逆らわず、しかし主導権を握って導いていくという意味である。太極拳でいう「四両撥千斤(※)」の理念に通じるものがある。
※ 「ポイントをつかめば、局面を一変し、勝利を得ることができる」という意味の中国語
実践的なアプローチとしては、まず日常生活での立ち振る舞いから始める。歩く、座る、立つといった基本動作において重心を意識し、それを習慣化することで、あらゆる状況での安定性が増していく。これは精神面での安定性にも直結し、問題に直面した際の判断力向上につながる。
さらに、制心道における「心」の二重の意味、つまり身体的な中心と精神的な心の両方をコントロールする技術は、問題解決において極めて重要となる。身体が安定していれば思考も冷静になり、逆に思考が整理されていれば身体的な対応も的確になる。この相互作用を理解して活用することで、より効果的に問題解決する可能性が高まる。
最終的に目指すのは、問題を「問題」として捉えすぎないことだろう。道家思想における無為自然の考えのように、起こる出来事を自然な流れとして受け入れ、しかし必要な対応は適切に行うという態度だ。これは一朝一夕に身につくものではないが、日々の修練を通じて少しずつ養われていく。
問題解決力の向上は、単なるテクニックの修得ではなく、身体と精神の総合的な成長過程であるといえる。制心瞑想の修練を通じてこの成長を着実に積み重ねていくことが、真の問題解決力を身につける道となるはずだ。
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(武術気功健康教室|大阪府四條畷市)