問題 51|50代の資格挑戦・学習記録 #132
生産量と販売量の違いが、営業利益にどう影響するのか──
簿記2級取得に向けて、毎日少しずつ勉強を続けている。
今回は、第13章「直接原価計算」から、全部原価計算と直接原価計算による損益計算書を、2期分作成する問題に取り組む。
前回は、全部原価計算と直接原価計算の基本的な違いを確認した。
今回は、さらに生産量と販売量の関係にも注目する。
全部原価計算では、固定製造原価を製品原価に含める。一方、直接原価計算では、固定製造原価をその期の費用として処理する。
この違いが、製品在庫の増減によって営業利益にどのような影響を与えるのか。
実際に計算しながら確認していく。
問題 51|直接原価計算
次の資料にもとづいて、全部原価計算による損益計算書と直接原価計算による損益計算書を2期分作成せよ。
[資料]
⑴ 販売単価
@300円
⑵ 製造原価
* 製品1個あたりの変動製造原価:@70円
* 固定製造原価(期間総額):45,000円
⑶ 販売費
* 製品1個あたりの変動販売費:@45円
* 固定販売費(期間総額):14,500円
⑷ 一般管理費
すべて固定費:13,000円
⑸ 生産・販売データ
第1期 第2期
期首製品在庫量 0個 0個
当期生産量 500個 600個
当期販売量 500個 550個
期末製品在庫量 0個 50個
※期首および期末に仕掛品はない。
解答 51
① 全部原価計算による損益計算書
(単位:円)
第1期 第2期
売上高 150,000 165,000
売上原価 80,000 79,750
売上総利益 70,000 85,250
販売費・一般管理費 50,000 52,250
営業利益 20,000 33,000
② 直接原価計算による損益計算書
(単位:円)
第1期 第2期
売上高 150,000 165,000
変動売上原価 35,000 38,500
変動製造マージン 115,000 126,500
変動販売費 22,500 24,750
貢献利益 92,500 101,750
固定費 72,500 72,500
営業利益 20,000 29,250
※メモの解答では、第2期の直接原価計算による営業利益が33,000円となっていたが、固定費72,500円を差し引くと29,250円になる。
計算のポイント
1.全部原価計算では固定製造原価を製品に配分する
まず、全部原価計算による製品1個あたりの製造原価を求める。
第1期の生産量は500個なので、固定製造原価の配分額は、
45,000円 ÷ 500個 = 90円
変動製造原価70円と合わせると、
70円 + 90円 = 160円
したがって、第1期の売上原価は、
160円 × 500個 = 80,000円
となる。
第2期は生産量が600個に増えている。
固定製造原価の配分額は、
45,000円 ÷ 600個 = 75円
製品1個あたりの製造原価は、
70円 + 75円 = 145円
第2期の販売量は550個なので、
145円 × 550個 = 79,750円
これが第2期の売上原価となる。
第2期は50個の製品在庫が残っているため、その分の製造原価は当期の売上原価には含まれない。
2.直接原価計算では変動製造原価だけを売上原価にする
直接原価計算では、製品1個あたりの変動製造原価70円を使って計算する。
第1期は、
70円 × 500個 = 35,000円
第2期は、
70円 × 550個 = 38,500円
となる。
売上高から変動売上原価を差し引くと、変動製造マージンが求められる。
さらに変動販売費を差し引くことで、貢献利益を計算する。
第1期の貢献利益は、
150,000円 − 35,000円 − 22,500円
= 92,500円
第2期は、
165,000円 − 38,500円 − 24,750円
= 101,750円
となる。
ここから固定費を差し引く。
固定費は、
45,000円 + 14,500円 + 13,000円
= 72,500円
両期とも同じ金額となる。
したがって、営業利益は第1期が20,000円、第2期が29,250円となる。
3.製品在庫が増えると営業利益に差が生じる
今回、特に重要なのは第2期の営業利益の違いだ。
第1期は生産量と販売量が同じ500個で、期末製品在庫もない。
そのため、全部原価計算でも直接原価計算でも、営業利益は20,000円で一致する。
しかし、第2期は600個生産して550個販売している。
つまり、50個の製品在庫が残る。
全部原価計算では、この50個に配分された固定製造原価も製品在庫に含まれる。
その金額は、
75円 × 50個 = 3,750円
一方、直接原価計算では、固定製造原価45,000円を全額当期の費用として処理する。
その結果、第2期の営業利益は、
* 全部原価計算:33,000円
* 直接原価計算:29,250円
となり、3,750円の差が生じる。
この差は、期末製品在庫に含まれる固定製造原価と一致する。
つまり、全部原価計算では、製品在庫が増えると固定製造原価の一部が翌期に繰り越されるため、直接原価計算よりも当期の営業利益が大きくなる場合があるということだ。
今回の学び
今回の問題では、全部原価計算と直接原価計算による損益計算書を2期分作成した。
基本的な計算方法は前回と同じだが、生産量と販売量が異なることで、営業利益にも差が生じることを確認できた。
特に重要なのは、固定製造原価の扱いだ。
全部原価計算では製品原価に含め、直接原価計算では期間費用として処理する。
この違いを理解しておけば、営業利益の差がなぜ発生するのかも説明できる。
また、全部原価計算では販売量が同じでも、生産量によって当期の利益が変わることがある。
利益の数字だけを見るのではなく、その計算方法や製品在庫の増減にも目を向ける必要があると感じた。
簿記の学習を進めるにつれて、単に計算ができるだけでなく、数字が何を意味しているのかを理解することの大切さを感じる。
引き続き、一問ずつ理解を深めていきたい。
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