気と身体を最適化する
我々の存在は、「気」と「身体」の両輪によって支えられている。どちらか一方だけを鍛えても、真の健康や活力には至らない。気とは目に見えぬエネルギーもしくは仮想の最小単位であり、身体はその器だ。器が歪んでいれば流れは滞り、流れが弱ければ器もまた鈍る。だからこそ、気と身体の最適化は同時に進める必要がある。
現代人は情報過多と過密スケジュールにさらされ、気の流れを乱し、身体感覚を鈍らせている。朝からスマホを眺め、人工照明の下で長時間座りっぱなしになり、呼吸は浅く、内臓は緊張し、思考ばかりが過剰に働く。このような状態では、いくら栄養や運動に気を使っても、本質的な回復は望めない。
最適化の第一歩は、まず「気づくこと」だ。今、自分の身体がどう感じているか。呼吸は深いか、浅いか。足の裏に大地を感じているか。視線はどこに向いているか。小さな感覚に意識を向けることで、気の感覚が戻り始める。次に必要なのは「動かすこと」。ただし、闇雲に身体を酷使するのではなく、気(感覚)を意識しながら、呼吸と動きを調和させ、無駄や力み、不自然さをなくしていく。これが「気の通った動き」であり、東洋の武術や養生法に共通する核心でもある。
最適化のプロセスは地味で、即効性はないかもしれない。しかし、毎日ほんの数分でも気と身体の対話を続けることで、内側からの活力が湧き上がってくる。慢性的な疲労感が和らぎ、頭は冴え、心は静まり、身体の芯に一本の軸が通るような感覚が得られるだろう。それこそが、本来の自分を取り戻す道だ。
「気と身体を最適化する」ということは、単に健康になることではない。それは、自分という存在を丁寧に整え、この世界をしっかりと生きるための基盤を築くことといえる。なぜなら、全人類に共通するのが気と身体だからだ。
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(武術気功健康教室|大阪府四條畷市)