言葉を変えれば人生が変わる理由
朝起きて鏡を見たとき、あなたは何と声をかけるだろうか?「今日も一日がんばろう」か、それとも「あー…また憂鬱な一日が始まる」だろうか。実は、この小さな違いが、あなたの人生を大きく左右しているかもしれない。セルフトーク、自己暗示──言葉には本当に人生を変える力がある。
我々の脳は、言葉に対して驚くほど素直に反応する。「疲れた」と口にすれば、脳は「ああ、疲れているのか」と理解し、実際に疲労感を増幅させてしまう。一方で「エネルギーに満ちている」と言えば、脳はそれに合わせて活力を湧き上がらせようともする。まるで脳が言葉の忠実な部下のように働くのだ。ただし、この部下はちょっと融通が利かないタイプで、皮肉や冗談もそのまま受け取ってしまうのが困りものではある。
言葉の力は、自分自身だけでなく、周りの人々にも大きな影響を与える。職場で「この仕事は無理だ」と言い続ける人がいれば、チーム全体のモチベーションが下がる。逆に「きっと解決策があるはず」と前向きな言葉を使う人がいれば、みんなが希望を持って取り組めるようになる。つまり、あなたの言葉は小さな石のように水面に投げ込まれ、波紋のように周囲に広がっていくのだ。ただし、ネガティブな言葉の波紋は、なぜかポジティブなものより速く広がる傾向があるのは、人間の面白いところでもある。(ネガティブ情報の方が生存には重要だからだろう)
普段何気なく使っている言葉を意識的に変えることで、思考パターンも変わる。「問題だらけだ」を「課題がある」「チャレンジしがいがある」に変えるだけで、解決に向けた建設的な思考が生まれる。「失敗した」を「学習と成長の機会を得た」に変えれば、挫折感から成長マインドセットへと転換できる。これは単なる言葉遊びではない。言葉は思考の道具であり、より良い道具を使えば、より良い結果が得られるのは当然のことだからだ。
感情のコントロールにおいても、言葉選びは重要な役割を果たす。「ムカつく」という言葉を使うと、怒りの感情が強化される。しかし「少し困惑している」と表現すれば、同じ状況でも感情の強度は和らぐ。これは感情を無視したり抑圧したりすることではなく、適切な言葉を使って感情をマイルドに表現し、コントロールすることといえる。ただし、あまりにも婉曲的な表現ばかり使っていると、今度は周りの人に「この人は何を言いたいのかわからない」と思われる可能性もあるので、バランスが大切だ。
言葉を変える実践は、小さなステップから始められる。一日の始まりに「今日はどんな良いことが起こるだろう」と自分に問いかけてみる。困難な状況に直面したときに「これは成長のチャンスだ」とつぶやいてみる。他人を批判したくなったときに「この人にも事情があるのかもしれない」と考えてみる。こうした小さな言葉の変化が積み重なって、やがて大きな人生の変化となって現れる。
もちろん言葉を変えただけで、すぐに全てが魔法のように解決するわけではない。現実の問題は現実的な行動で解決する必要がある。しかし、言葉を変えることで、その行動を起こすための心構えや動機、そして持続する力が生まれるのだ。言葉は人生を変える最初の一歩といえる。
結局のところ、我々は自分が使う言葉によって作られた世界に住んでいる。その世界をより良いものにするかどうかは、我々自身の言葉選び次第だ。明日の朝、鏡の前に立ったとき、どんな言葉で一日を始めようか?その選択が、あなたの人生を少しずつ、しかし確実に変えていくはずだ。
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