自分に良い洗脳を施す

自分に良い洗脳を施す

人間の心は、常に外部からの影響を受けている。それは意識的であれ無意識的であれ、我々の思考や行動パターンを形作る。

この事実を理解した上で、積極的に自分自身に良い影響を与えることは、人生の質を向上させる重要な取り組みとなる。

私が推奨している武術の訓練に、站樁(タントウ:立禅)という修練法がある。この行法を毎日30分1ヶ月続けたことで、突然身体能力が激変し、1,000日続けたことで武術師範となることが出来た。

これは一種の良い洗脳の結果といえるだろう。毎日同じ姿勢で立ち続けることで、心身が整えられ、集中力が養われ、自己規律が確立されていったわけだ。

良い洗脳を実践する上で重要なのは、継続性だ。たとえば私は「〇〇(私の本名)は毎日どんどん善くなり、日に日にどこも元気で、幸せになっていく」という自分の声を目覚ましにして起きている。

ここまでしなくても、毎朝起きたときに「今日も素晴らしい一日になる」と声に出して言う、寝る前に感謝の気持ちを述べる、定期的に座禅や瞑想を行うなど、単純でも継続的な行為が、やがて我々の思考パターンに良い変化を及ぼすだろう。

武術の修行者として特に強調したいのは、身体を通じた心の変容だ。正しい姿勢を保つこと、呼吸を整えること、身体の中心を意識することは、必然的に精神状態にも良い影響を与える。これは東洋の心身一如の考え方に基づいている。

また、良い洗脳には環境づくりも重要だ。私の練習会では、やる気のある参加者同士が励まし合い、日々の実践をLINEで報告し合うことで、ポジティブな雰囲気を醸成している。このような支援的な環境は、個人の良い習慣形成を後押しするだろう。

良い洗脳の効果は、時間とともに現れる。はじめは意識的な努力が必要だが、やがてそれは自然な習慣となり、人生の様々な場面でポジティブな影響をもたらすようになるはずだ。

これは武術の修行に似ている。地味な基本動作の反復が、やがて無意識のうちに身体が動くような絶技の境地へと導くのだ。

最後に強調したいのは、良い洗脳は決して強制的なものではないということ。それは自己理解と自己改善への意識的な取り組みであり、自然な流れの中で行われるべきものである。

我々は日々、様々な情報や影響にさらされている。であるならば、意識的に良い影響を選択し、自己の望ましい成長に活かしていく姿勢が大切ではないだろうか。

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