あなたの心身があなたの神様
「気」と身体(命の体現)は、まさに神聖なる存在だ。古来より東洋の叡智は、人体を小宇宙と捉え、その中に無限の可能性が秘められていることを説いてきた。道家思想では、この身体を「気」という生命エネルギーの源として大切にし、それを通じて天地との調和を図ることを重視する。
あなたの身体は、生まれた時から今この瞬間まで、絶え間なく活動を続け、あなたの生命を維持している。心臓は休むことなく血液を送り続け、肺は酸素を取り入れ、細胞は刻一刻と新陳代謝を行っているのだ。これらの営みは、私たちの意識とは関係なく、完璧なバランスで行われている。
同様に、あなたの心も驚くべき能力を秘めている。喜び、悲しみ、怒り、そして平安といった感情を通じて、私たちは人生の意味を見出し、成長していく。この心は、時として私たちを苦しめることもあるが、それは同時に、私たちを進化させるための重要な試練でもある。
武術の修行において、心身の調和は最も重要な要素だ。站樁(タントウ:立禅)のような静的な修練を通じて、我々は自分の身体と心の声に耳を傾け、その神秘的な力を理解していく。それは単なる身体技法ではなく、自己との対話であり、内なる神性との邂逅といえる。
我々の身体は、決して単なる物質的な存在ではない。それは大宇宙の神智が凝縮された、まさに神殿なのだ。日々の呼吸、動作、思考の一つ一つが、この神殿への祈りとなり得る。自分の心身を大切にすることは、すなわち、創造主への最高の感謝の表現となる。
制心瞑想の修行では、この「心體卽神」という考えを基本としている。相手を制する前に、まず自分自身の心身を理解し、敬い、調和させることが求められる。それは単に強くなるためではなく、自己の神性を認識し、それを通じて他者の神性をも尊重できるようになるためなのだ。
故に、疲れを感じたら休息を取り、心が乱れたら静かに内観する時間を持つことは、決して怠惰とは考えない。それは自分という神殿を大切にするための、必要不可欠な行為なのだ。日々の生活の中で、この心身という神殿を清らかに保ち、大切に扱うことで、我々は本来の輝きを取り戻すことができるだろう。
=======
著作物紹介:
※kindle unlimited にご登録中の方は全て無料で読めます。(未登録の方は30日間無料体験を使えば無料で読めます)
空手家との組手や演武などの動画は下記サイトでご覧いただけます。
(武術気功健康教室|大阪府四條畷市)