理想的な組織の創り方
理想的な組織とは、単に成果を出すだけでなく、そこに属する人々が成長し、生きがいを感じられる場ではないだろうか。組織は機械ではなく、生きた集合体である以上、その創り方にも有機的な配慮が必要だろう。
まず、明確な理念と目的が中心になければならない。個々の力がどれほど高くても、それらが同じ方向を向かなければ、組織は一枚岩になれない。理念は単なるお題目ではなく、行動指針として日々の選択に反映される必要がある。上に立つ者がその理念を体現することで、組織全体に真の一貫性が生まれる。
次に重要なのは、信頼で結ばれた関係性である。相手を信用するのではなく、まず自分が信頼される行動を取り続けることが求められる。信頼は与えるものだという姿勢が、やがて組織全体に伝播していく。疑心暗鬼の環境では、人は心を開かず、本音も創造性も引き出されない。安心して意見が言える場づくりが、理想的な組織の基盤となる。
また、個々の才能を活かす柔軟性も欠かせない。全員が同じ型にはまる必要はなく、それぞれの特性が組織の多様性として機能する状態が望ましい。適材適所を見極め、それぞれが得意な分野で力を発揮できるようにする。人は自分が活かされていると実感したとき、最も力を発揮する。
さらに、失敗を許容する文化が組織の成長を支える。挑戦には常にリスクが伴う。結果だけを評価する組織では、誰も新しいことに手を出さなくなる。過ちを責めるのではなく、そこから何を学んだかを共有する姿勢が、全体の底力を育む。
最後に、上層部の器が組織の限界を決める。部下やメンバーが安心して育つかどうかは、リーダーが自分の小ささに囚われていないかどうかにかかっている。人の上に立つとは、支配することではなく、支えること。自分を誇示するのではなく、他者を輝かせる存在になることが、理想的な組織の長に求められる資質だ。
理想的な組織は、一朝一夕ではできない。だが、一人ひとりが「自分がその一部を担っている」という自覚を持ち続けることで、その実現に確実に近づいていく。組織とは、共に創るものであるはずだ。
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