やってはいけない副業
副業の落とし穴──
副業に取り組む人が増えている。経済的な余裕を求めたり、スキルアップを目指したり、将来の独立に向けた準備として取り組む人も多いようだ。しかし、すべての副業が推奨できるわけではない。むしろ、避けるべき副業の形態があることを理解しておくことが重要だ。
まず考えるべきは本業との契約関係。多くの企業では就業規則で副業を禁止または制限している。会社に無断で副業を行うと、信頼関係の破綻から懲戒処分や最悪の場合解雇につながる可能性がある。たとえ副業解禁の流れがあっても、自分の勤務先の規定を必ず確認すべきだろう。
次に注意すべきは時間とエネルギーの配分だ。本業のパフォーマンスを著しく低下させるような副業は避けるべきだろう。睡眠時間を削って健康を害したり、本業での集中力が散漫になったりすれば、結果的に両方の仕事の質が下がり、キャリアにも悪影響を及ぼしてしまう。副業は本業を犠牲にしない範囲で行うべきものである。
また、法的リスクの高い副業も当然避けるべきだ。無登録での金融商品の販売や、著作権・商標権を侵害するような商品の取り扱い、医療行為や法律相談などの資格が必要な業務を無資格で行うことは法律違反となる。短期的な利益に惑わされず、コンプライアンスを重視した選択をすることが長期的には賢明といえる。
税務申告の問題も見過ごせない。副業による収入は確定申告が必要な場合がほとんどだ。申告漏れは脱税行為となり、後日発覚した場合には追徴課税やペナルティの対象となる。また、一定の収入を超えると社会保険料の負担増加や配偶者控除の適用除外などが発生することも理解しておく必要がある。
さらに投資やリターンが不透明なビジネスには警戒が必要となる。誰でも簡単に高収入が得られるというセールストークで勧誘するマルチ商法や、実態の不明確な海外投資案件、仮想通貨の怪しげなプロジェクトなどは、詐欺的な要素を含んでいることが少なくない。「簡単に儲かる」という言葉に惑わされず、ビジネスモデルを冷静に分析することが大切だ。
心理的な負担も重要な考慮点である。本業と全く異なる分野での副業は新鮮さをもたらす一方で、新たなスキル習得の負担が大きくなる。また、単調で創造性に欠ける作業が続くと、モチベーションの維持が難しくなり、ストレスの原因となりかねない。自分の適性や興味に合った副業を選ぶことで、継続的に取り組むことができるだろう。
また人間関係のトラブルも副業では起こりがちだ。知人や友人を顧客として勧誘するビジネスでは、商品やサービスに問題が生じた際に友情が損なわれるリスクがある。プライベートな関係とビジネスの関係は明確に区別し、感情的なしがらみで判断を誤らないよう注意が必要だろう。
長期的な視点の欠如も問題となる。短期的な収入だけを考えて、キャリア形成や自己成長につながらない副業に時間を費やすことは、将来的な機会損失につながる可能性があるからだ。副業も自分のキャリアパスの一部として戦略的に選択することが望ましい。
副業は適切に選択し管理すれば、経済的自由や自己実現の有効な手段となり得る。しかし、安易な選択は様々なリスクを伴う。法律や倫理に照らして問題のない副業を、自分のライフスタイルやキャリア計画に合わせて慎重に選ぶことが、充実した職業生活への鍵となるだろう。
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