考えすぎを止めるための呼吸法
思考が止まらない。ひとつの出来事を何度も反芻し、まだ起きてもいない未来を想像し、不安と対策を同時に練り続ける。理性的であろうとする人ほど、この「考えすぎ」に陥りやすい。だが多くの場合、それは洞察を深めているのではなく、神経が過緊張を起こしている状態に過ぎない。
考えすぎを止めるために、まず理解しておきたいことがある。それは、思考を直接止めようとしないということだ。「考えるな」と命じても、思考はますます勢いを増す。火を消そうとして風を送るようなものだ。止めるべきは思考そのものではなく、思考を過剰に回転させている身体の状態である。
その鍵が呼吸だ。
人は緊張すると無意識に呼吸が浅く、速くなる。胸の上部だけで小刻みに呼吸し、横隔膜はほとんど動かない。この状態では交感神経が優位になり、身体は「戦うか逃げるか」の態勢を取り続ける。脳は危険を探し続け、結果として思考が止まらなくなる。
そこで行うのは、ゆっくりと長く吐く呼吸である。ポイントは吸うことではなく、吐くことにある。まずは静かにゆっくり、細く長く鼻から息を吐き切る。次に鼻から、自然に息を吸う。無理に大量の空気を吸う必要はない。むしろ勝手に入ってくる量でよい。ただ、吐く時間は意識的に延ばす。
吐き切る直前、下腹部がわずかに内側へ収まる感覚を味わう。そこで一瞬、何もせず止まる。そしてまた自然に吸う。この循環を数分繰り返すだけでよい。
なぜ吐くことが重要なのか。長く吐くことで副交感神経が働き、身体が「安全だ」と認識する。身体が安全を感じれば、脳は危険を探す必要がなくなる。思考は自然と静まる。止めようとしなくても、回転数が落ちていく。
さらに効果を高めるために、視野を少し広げる意識を加える。目の前の一点を見るのではなく、上下左右の空間も同時に感じるようにする。焦点を絞るのではなく、ぼんやりと全体を受け取る。これだけで脳の緊急モードは解除されやすくなる。
考えすぎているとき、人は自分の頭の中に閉じ込められている。しかし呼吸は常に身体と今この瞬間に結びついている。呼吸へ意識を戻すことは、思考(自我)の迷路から身体(自然)へ帰ることでもある。
重要なのは、劇的な変化を求めないことだ。一度で無音になるような静寂を期待しない。ただ、少し回転が緩む。それで十分だ。そのわずかな余白が、次の選択を変える。
思考は悪ではない。むしろ人間の力だ。しかし力は使いどころを誤ると自分をも削る。呼吸は、その力を鎮め、整えるための最も原初的な技法である。
考えすぎを止めようとするのではなく、呼吸を整える。整えば、止まるべきものは自然に止まる。そこに無理はない。ただ静かに、長く、吐く。それだけでよい。
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